第13話

*降り出す雨
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2022/02/04 12:57
先生にあのスライドを作った人を聞いた。

「6組の中田組んだよ」って。


聞いた瞬間に6組に向かった。

階段を昇ったあとはやっぱり頭が痛くなって、ついには息苦しさまで襲う。


「中田さん、謝って。斗真に謝って。」

「うっせーな。後にしろよ」

「まって、はやく、謝って、斗真に」

「しつけぇんだよ」

「まっっ…」

走って逃げてしまった中田さん。

今の僕は走って追いかける体力もなくてここは諦める。
















放課後。

「今ならいいでしょ?誰もいないし。」

「はやくしろ」

「あのポスター、中田さんでしょ?」

「だったらなんだよ」

図星だ。

「斗真に謝って。傷ついてる。」

「は?なんで今更。あいつが傷つくこと本当は嬉しいくせに」

「嬉しくなんかない!」

「綺麗事並べてんじゃねぇよ」

「綺麗事じゃないよ。とりあえず、謝って、斗真に。僕には謝んなくていいから。」

「あたりまえ。お前になんか謝るわけないじゃん。誤解されるお前の信頼度がないだけなんだから(笑)」

「知ってる。だからせめて斗真に謝って。」

「お前のお願いなんて誰が聞くかよ。くたばれ」


そう言うとカバンを持って出ていこうとする中田さん。



「謝れよ、俺に。」

斗真?

「さっさと謝れよ」

「と、とうま…」

「あいつになんか謝んなくていいから俺に謝れよ」

「ご、ごめん。あんなことして。」

「分かった。もー行け。俺の前に二度と現れんな。」




走り去って行く中田さん。

近付いてくる斗真。





「かず…」

「ごめん、また今度。」


久々にかずと呼んだ斗真。

それを遮って僕は逃げた。



正直、僕にも謝れって言って欲しかった。

自分だけ謝ってもらおうとして。。。悲しかった。



それだけの理由で僕は逃げた。



熱が出ていたとはいえ、ちっぽけな理由でそこまで頑固になる自分は馬鹿だ。








自分がちっぽけで情けないやつだってことを、降り出した雨が気づかせてくれた。

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