第3話

第2話 出会い
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2019/05/25 12:23
沢山勉強して入った難関校。




模試の結果などではいつもD判定だったから、合格したのが奇跡のようなものだ。




入学式の前にクラスで顔合わせがあるから、私は教室へ向かった。




教室には既に半分くらいの人数が来ていて、そわそわした空気が流れていた。



「初めまして!何中から来たの?」




席に着くなり、前に座っているポニーテールがよく似合う女の子が話しかけてきた。




「西中だよ。あなたは?」




「私は東中!実緒って呼んで♪」




「東中かぁ〜!お隣だね。私は唯だよ」




「唯ちゃん!これから仲良くしてね」




快活そうな笑顔を見せてくれた実緒ちゃん。この子と仲良くなりたい!と思った。




しばらく実緒ちゃんと話していたら、担任の先生が入ってきた。




「これから1年間担任をする伊藤です。まだここがはじめての学校でみんなと同じ一年生だから、一緒に成長していきましょう。」




170センチはあるだろうな…。





スラっと背が高くて整った顔。あー、きっと彼女いなかったことなんて無いんだろうな…なんてことを思った。




「ねっねっ!ちょーかっこよく無い⁈」




実緒ちゃんがすぐさま反応して後ろを振り返ってきた。




ははーん。イケメンに弱いと見える。




「ねぇ、実緒ちゃんイケメン好きなんでしょ。」




「げ、バレたか〜笑笑入学早々バレるなんて、高校デビュー失敗だ笑笑」




なんてことを話して、お互いに昔話をし合った私たちは仲良くなった。




高校生活ではじめて出来た友達だ。大切にしようとこの時誓った。




この時私は、スラっと背の高い伊藤先生のことをただの目の保養とくらいにしか思ってもいなかった。




フツーに男子に恋して、フツーのJKライフを送るつもりだった。




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