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第5話

雑用係
380
2019/03/22 06:31



ある日の放課後。


HRの時に大野先生があっ、と思い出したように言った。


大野)今日の放課後誰か俺の仕事手伝って欲しいんだけど



・・・



露骨に目を逸らすみんな。



大野)だよなぁ、、めんどくさいよな、(笑)



先生が困ったように頭をポリポリかく。


そんな先生をじっと見つめる。


"私を選んで...!"


なんて密かに念も送ってみる。



大野)ん〜、じゃあ、、田代。やってくれないか??


「分かりました」


大野)ありがとな ... よし、じゃあ号令!



" さようなら "



思い思いに席を立って部活やらバイトやらで教室から姿を消していく。


" あなた災難だね〜 (笑) "
" 頑張れ〜 "

って友達が口々に言っていくのを曖昧な返事で返す。


和)おい

「ん、、なんだ和か」

和)お前ってさ、、


大野)田代ー!いいか??

「あ、はい!...で?何?和」

和)...いや、なんでもない

「あっそ」



和が部活に行ったのを確認して、私は先生の後をついて行った。



" 大野先生〜!!! "
" 生物教えてくださいよ〜 "

やっぱり先生は人気者で違うクラスの子が次々に話しかける。

そんな先生の隣を歩いている優越感に勝手に浸っていると、着いたのは職員室。


大野)ちょっと待ってて


数分後、たくさんのプリントを二回に分けて持ってきた。


大野)これを生物教室まで持ってって欲しいんだ。田代はこっちね。


明らかに私の方の山の方が少ない。



「私こっち持ちますよ?」

大野)アホか。女子に重たいもんもたせられねーじゃん (笑)


そう言って軽々しくプリントを持って生物教室まで運んだ。





大野)はぁー、、


ドサッとプリントを置く。


「生物教室なんて初めて来た...」


大野)あぁ、この教室そんな使ってないからな〜俺専用的な (笑)


「そうなんですか」


大野)そうそう。あ、オレンジジュースとミルクティーどっち好き??


「ミルクティー」


大野)女子ってミルクティー好きだよな、ほれ


見慣れたパッケージのミルクティーを放り投げて、私は慌ててキャッチした。


大野)ごほーび。

「ありがとうございます」

大野)...あーあ、秘書欲しいなぁ秘書

「高校教師に秘書なんて聞いたことないですけど」

大野)そーだけどさー、俺だって色々大変なのよ。



「...じゃあ秘書になりましょうか?」




・・・



はっ



「す、すみません、忘れてくださ、、」

大野)じゃあ頼もっかな

「えっ」

大野)雑用係 (ドヤ)






そんなこんなで大野先生の雑用係になりました。

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