それから。
廊下で大野先生を見かけて、あっちも気づくと声をかけてくれるようになった。
大野)おっ、田代、さよーなら
「せんせーさよーならー」
最近は緊張しないで話せるようになった。
和)おい
ぶっきらぼうに話しかけてくる和
「なによ」
和)一緒に帰るぞ。ほら
またまたがさつに私のスクバを突きつけてきた。
「って、あんた部活は?」
和)今日ない
「あっそ」
相変わらず和は自分がモテてることに気づいていない。
「彼女は?」
なんて聞いてみた時もあるけど
"好きな人以外とは付き合わねーよ"
って軽く返された。
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そして...
月日はあっっという間に流れて、2年生に進級した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。