第49話

48~after story.3〜
1,110
2025/11/14 09:15 更新
最後の一文を読み終わったとき、

俺はもう、息ができないほど泣いていた


結局、俺は最後まで別れの覚悟なんてできてなかった


溢れる涙は止まらず、

手紙を握ったまま、声も出せずに震えていた


いつの間にか戻ってきていた隆二が、

そっと俺の肩を抱き寄せてくれた

















登坂広臣
.....ごめん、迷惑かけた....。.....切り替える
今市隆二
....切り替えなくていいよ。次のバラード、あなたのために歌ってあげて
今市隆二
おみの気持ち、届けてあげて。きっと伝わるから
登坂広臣
....あぁ、


目を冷やしに、楽屋の鏡前に立つ

タオルで顔を押さえ、深く息を吸った



もう、戻らなきゃ....



あなたが望んでくれたから

俺が、生きて歌うことを望んでくれたから



それが、あなたの願いだから






ステージ袖に戻ると、 パフォーマーが順に戻ってきてた


小林直己
次だよ
登坂広臣
....はい
NAOTO
おみ、大丈夫?

NAOTOさんが小さく声をかける
登坂広臣
大丈夫、迷惑かけて、ごめん
山下健二郎
無理せんでええよ
登坂広臣
うん、多分もう……大丈夫だと思う
NAOTO
今日終わったら、みんなでちゃんと話そう


メンバーが順に、俺と隆二を抱きしめてくれる


体温と、言葉にできない想いが、じわっと胸に染み込んだ

登坂広臣
....うん、行ってくるね





深呼吸を一つ


ステージの光が、目の前に広がる


1歩、足を踏み出す



隣には、隆二がいる

隆二の方を見ると
ニコッと微笑んで頷いたから俺も頷き返す




俺の歌を、俺の想いを——


あなたへ届けるために、






生きるよ

あなたが生きたかった人生を、俺が生きるから



俺の腕にあれから肌身離さずつけてるブレスレットが光っている



俺はブレスレットをそっと握りしめ、



スポットライトの中へ、


俺のいるべき場所へ、





ゆっくりと、歩き出したーー。














END.

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