第43話

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2025/06/05 11:00 更新
朝になって、あなたの容態は少し落ち着いた。


点滴で熱も少し下がり、

呼吸も落ち着いたけど、

もう言葉は出せなかった。


声が、枯れてしまっていた。


それでも、視線で「大丈夫」と伝えようとしてくる。

俺には、それが余計に痛かった。


「平気なふりなんかしなくていい」と、何度も何度も心で叫んだ。







そして、静かな夜。


暗くなった病室で、俺はずっとあなたに付き添っていた。

登坂広臣
なぁ.....お前、本当にすごいな.....

答えは返ってこないけれど、そのままそっと額に口づけをした
登坂広臣
でもな....無理すんな。
登坂広臣
もう……十分頑張ってるよ………
登坂広臣
俺のために、俺なんかのために生きようとしてくれてありがとう.....泣

あなたの瞳に涙が浮かぶ


それは、苦しさのせいじゃない

俺の言葉が、少しだけ届いた証だと、信じたい



その夜、あなたは浅い眠りについた

俺は、手を離せずに、ずっとその横にいた


「……ありがとう。……ありがとうな……」

何度も心で繰り返しながら、あなたの呼吸の音を聞いていた







翌日から、あなたは日ごとに声を出すのも難しくなっていった


呼吸は浅く、食事もほとんど取れない


無理に食べさせれば嘔吐の恐れがあると、医師から静かに告げられた


俺は、その都度「わかりました」と答えたけれど――



心の中では叫んでいた
登坂広臣
(そんなの、どうすればいいんだよ.....)


それでも、あなたはいつも弱々しい笑顔を見せてくれる

自分の命が削られていく実感を

きっと誰よりも感じているはずなのに、



一度も「苦しい」とは言わなかった

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