第44話

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2025/06/06 11:00 更新
仕事を終えた俺は、

いつものように疲れた身体を引きずりながら

愛しい人が待つ病院の廊下を歩いていた


遠くから聞こえる心電図のリズム

消毒液の匂い

白い壁が淡く照らされていて


まるで別世界のような静けさに包まれている




病室のドアをそっと開けると

ベッドに横たわるあなたが静かに眠っていた


酸素マスク越しにゆっくりと呼吸をしている彼女の顔は

いつもの笑顔とは違い、どこか儚くて繊細だった。


俺は無意識にその姿を見つめ、胸が苦しくなった

けれど、そんな気持ちを押し込めて、

ゆっくりとベッドに腰を下ろした



そっと手を伸ばし、細く冷たいあなたの手を握る

彼女の手は小さくて、かすかに震えていた


握り返してくれる力は弱いけれど、その感触だけで俺は救われた気がした。
登坂広臣
今日もよく頑張ったな....

と静かに声をかけると、

彼女の呼吸が少しだけ穏やかになるように感じた


言葉はそれだけで十分だった。



窓の外はすでに暗くなっていて、

遠くの街灯が小さく光っている


病室の中は二人だけの世界のように静かで、

2人だけを残して時が止まったかのようだった。



臣はそっと彼女の額に顔を寄せて、目を閉じた


登坂広臣
(明日も、また来るからな。ずっとそばにいるから。)

その言葉は声に出さなくても、あなたに届いている気がした。













あなた
……おみ、
登坂広臣
...ん?
あなた
あと、どのくらいで……ハァ...お誕生日、だっけ……?

あなたの声は、息に混ざる風のようにかすかだった
登坂広臣
あと、……4日だよ。もうすぐ
あなた
そっか…ハァ…よかった……間に合いそうだね……☺️

目を閉じながらそう言うあなたの頬に、涙が一筋流れていた
登坂広臣
……そんなこと、言わないでよ泣
間に合うとか、間に合わないとか……
おれ、あなたと一緒にいたいだけだから....…泣
あなた
……過ごせるよ……ちゃんと、ハァ...お祝い……するから……

か細い声でも、真っ直ぐな目で、

そう言ってくれるあなたに、


俺はただ、顔を伏せて手を握ることしかできなかった





彼女は必死に生きようとしていた


――「おみの誕生日まで、あとすこし…」



その言葉を何度も繰り返す彼女に、

メンバーや看護師たちも心を揺さぶられた




医師からは、

「あと数日が限界かもしれない」という知らせが

臣の元に届いていた


胸が張り裂けそうだった

泣き叫びたかった

あなたの顔を見るのが辛かった



それでも、

あなたが自分の誕生日を目標に懸命に生きていることを思い、

涙を堪えて毎日病室へと向かった。




あなたの前では、笑顔を絶やさないようにしていた
















作者です
いつの間にかいいねが500も!
皆さん本当に読んでくださってありがとうございます😭

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