第4話

地下の恐怖
142
2020/06/16 13:38
しんじたちは上に戻ることにしたのだが……
まきこ
まきこ
階段の出口が塞がってる!
しんじ
しんじ
上に戻れないのか?
ようこ
ようこ
外でガタガタ言ってるよ。
しんじ
しんじ
ここは地下だぞ。上の外だろう。
まさる
まさる
とんでもないことになったな。
上から、ウーウーと唸るような声が聞こえる。
まきこ
まきこ
ゾンビ?
しんじ
しんじ
バイオハザードじゃねぇんだから――
しんじが言い終わる前に、バリィと音がして何者かが入ってくる。それは人ではなく
ようこ
ようこ
狼?
まさる
まさる
なんでこんなところに?
さやか
さやか
裏は山だからよ。
しんじに抱きついているさやかが答える。
しんじ
しんじ
いつまで抱きついてるの?
さやか
さやか
だって怖いんだもん。
さやかのふくよかな体を押し付けられ、たじたじするしんじ。
まさる
まさる
狼が来たということは、上に上がれるんじゃないか?
ようこ
ようこ
そうよね。行きましょ。
しんじ
しんじ
行くって、この狼をどうやって蒔くんだ?
まきこ
まきこ
そうよ。噛みついてくるかもしれないわよ。
まさる
まさる
襲ってきたらひとたまりもないな。
しんじ
しんじ
他にもいるのか?
まさる
まさる
この二匹だけみたいだな。
さやか
さやか
怖い!
さやかがさらに抱き付いてくる。胸が押し付けられる。
ようこ
ようこ
(わざとやってるのかしら?)
しんじ
しんじ
どんどんこっちに来るぞ。
まさる
まさる
一気に走り抜けよう。
さやか
さやか
ええっ?
しんじ
しんじ
さやか、動けないよ。手繋いであげるから。
しんじがさやかは手を握る。
さやか
さやか
しんじ。分かったわ。
まさる
まさる
ラブコメやってる場合じゃないぞ。
しんじたちは距離があるうちに、一気に走って突破し、上に戻る。

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