先輩は、
狭い屋上の中に
少しだけ開いてるところを見つけて
私の後ろに
友達と寄ってきて、
お弁当食べてたの。
だけど、そこは
思ったよりも狭かったみたいで
話に夢中になってた
先輩の肘がわたしの
背中にぶつかって、
ちょうど、ペットボトルのお茶を
飲んでいた私は、
その、衝撃で
お茶を制服にこぼしてしまった。
先輩が
初めて
わたしの存在に気づく、
あまりの出来事にびっくりして
動けない私。
涼がそう言って、ペットボトルを拾い上げたので、
全てがこぼれるのは免れた。
動けずにいた私を見て
先輩が
心配そうに声をかけた。
ハンカチを出して拭いてみたが、
ハンカチ一枚で済むレベルじゃない。
今日は体育がないので
ジャージを持ってきてない。
困る私に先輩がこう言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。