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2020/06/12

第4話

3−②
 7月某日、光希が店長兼オーナーを務めるガールズバー《シュリュッセル》がオープンした。お世話になった店長やたくさんの人が来店し、初日は賑やかに迎えられた。順調な滑り出しから忙しい日々が続いた。
 オープンから半年経った1月末。光希は久々の休日に《フラット》を訪れていた。(もちろん客として。)カウンターで懐かしい仲間たちと顔を合わせ、思い切り羽をのばす。こうしているとやはり気疲れしていたのだとわかる。またそれがみるみる癒されていくことを感じる。自分の店に来てくださる人たちも、こんな風に思っているのだろうかと頭の片隅で考えたりもしてみる。少し酔いがまわり始めた頃、店内が騒がしくなった。
ね、このあと2人でどう?
????
あ、いやあの…
 どうやらトラブルらしい。見たところ酔って調子に乗ったヤツがかなり強引なナンパを仕掛けているようだ。近くにいる客は冷めた目で2人を、というよりナンパ野郎を見ている。しかし助けにいく気はないみたいだ。
ね、いーでしょ?
????
や、やめ

ガタンッ
光希
おい、何してんの?
 肩を掴んでいた野郎の手を引き剥がし彼女を抱き寄せる。
光希
この子、僕のなんだけど。
 殺気じみた空気を放つ光希にたじろいだ非常識なナンパ野郎は、雑魚っぽく舌打ちをして出て行った。静まりかえった店内で、光希は手早くスマホを操作してタクシーを呼ぶ。彼女の服と髪を軽く整えていると外でクラクションが鳴った。外に出て万札を渡し彼女だけをタクシーに乗せる。忠告しようと顔を覗き込んだとき、光希の表情が固まった。運転手の声でようやく言葉を発する。
光希
っ、、なんでいるのか知らないけど二度と来んなよ。
 ドアを閉めタクシーの発進も待たずに店内へ戻る。
光希
店長、騒がしくしちゃってすみません。今日は帰りますね。
_バタン 
 
 部屋に入るなり光希はしゃがみ込んだ。
 騒ぎが起こってすぐに思った。聞き覚えのある声だと。彼女を抱き寄せて、髪の色が同じだと気づいた。顔を覗き込んで、すぐにわかった。忘れられない。忘れるはずもない。だけど彼女は困惑していた。まるで自分と初対面みたいな表情だった。……どういうことだ?
光希
………夕陽