第4話

事実 ※じんside
1,187
2018/01/28 01:59
テオ
…ねえじんたん、この目玉焼きまた作ってね?
じん
え?別にいつでも作るよ??
また、この表情。

最近のテオくんはいつも寂しそうな表情をしてる。
まるで、何かを隠してるような。
でもテオくんは、何かを隠すような人じゃないっていうのを俺は知ってる。
隠し事なんかせず、なんでも正直に話してくれる人。
だから無駄な心配はしなくていいかなって思った。


アレを見つけるまでは。
それは普通の日常を過ごしてたある日のこと。
いつも通り俺はだらだらしていた。

今はテオくんは外に出かけてて一人だった。
暇だし、部屋の片付けでもしようと思い立ち上がる。
自分の部屋を片付け終わった後、テオくんの部屋も汚かったことを思い出す。

片付けてあげるか。

なんの躊躇もなくテオくんの部屋に入った。
じん
…あれ?
テオくんの部屋はすっかり綺麗になっていた。
綺麗というより、何もない部屋になってる。
前までは生活感溢れる汚い部屋だったのに…

今は家具もほとんどなくなって、すっからかんの部屋。
なんでだろう、別に家具は片付けなくていいのに
少し疑問に思うも、片付ける必要はないと思い部屋から出ることにした。
じん
あ、そういえば
前にテオくんに借りようとしてた本、まだ借りてなかった。
今借りておこうかな、もうテオくんの許可は取ってあるし。

本棚に近づく。
じん
えーっと…あれ、どこだ?
借りたい本を探してる時、上の段から一冊の本が落ちてきた。本というよりノート。
じん
うわ、びっくりした…
元の場所に戻そう。

そう思い落ちた本を手に取る。
…あれ?これって、テオくんの日記?
じん
テオくんって日記なんかつけてるんだ
じん
…ちょっと見ちゃお〜
遊び心でノートを開いた。
『20××  1 / 4    ( 晴 )
今日から、日記をつけていこうと思います!
三日坊主にならないように頑張りまっせ〜』
じん
うわ、日記でもしっかりテオくんだ笑
そのあとの内容も、クスリと笑えるような内容ばかりだった。
じん
えっと、次は…
『20××   1 / 22   ( 雨 ) 
あと少しの時間。大切にする。』
…え?どういうこと?
次の日の日記に目を通す。
『20××  1 / 23  ( 雨 )
最近ずっと雨が続いてる。俺の気持ちがさらに沈んでいく気がする。
ずっとここにいて、じんたんと笑ってたい』
『20××  1 / 24  ( 雨 )
じんたんの目玉焼きを食べた。涙が出そうになったけど我慢した。えらい、俺!
あと何回この目玉焼きを食べられるのかな。もう食べられないかもしれないけど』
どういうこと?
頭にはたくさんのはてなマーク。

テオくんはどこかに行っちゃうの?俺のそばからいなくなるの??
不安な気持ちを抱えながら日記を読み続ける。
『20××  1 / 25  ( くもり )
今日の朝、目がさめると涙が溢れてた。どんな夢見たかも覚えてないけどなぜか辛かった。
とりあえず、じんたんに心配させないように笑顔、笑顔!』
じん
…ほんとに馬鹿。
無駄なところ優しすぎんだよ、っ…
気がつくと俺の目からは涙が溢れていた。

いやだ、いやだいやだ。
テオくんがいなくなる?なんでよ、ずっとここにいてよ。側にいてよ。

いなくなっちゃ嫌だ。だって、テオくんは



















俺の大好きな人だから。

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