第27話

Ep.25 ~警告/忘れた感情~ 微🔞
88
2021/06/25 08:30



-外-


ミーン ミーン

  ミーン ミーン
(なまえ)
あなた
(…コンビニは明日でいいか)
(なまえ)
あなた
…静かだな(ジュ~


ただ蝉の鳴き声だけが響く静かな外で一人



横の自販機で買ったばかりのジュースを飲みながら


近くのベンチに腰掛けて先程から通話が繋がったままである人物を待っていた
(なまえ)
あなた
(風が‥気持ちいい)___コクッコク
丁度よい気温の夜風と蝉の鳴き声が気持ち良く



座ったまま船を漕いでいると横から声が聞こえた




宮侑
宮侑
おい、こんなとこで寝んなやアホ。
(なまえ)
あなた
…侑。なんで外に居るって知ってたの?
宮侑
宮侑
偶々便所行くのに起きたら途中外出てくお前見かけたんや。ホンマなにしてんねん…
(なまえ)
あなた
そっか。別にちょっと外の空気吸いに来ただけだよ
宮侑
宮侑
…寝れないんか?
さっき寝そうになっとったけど


侑はそういうと、隣に腰掛けてきた


(なまえ)
あなた
起きてると大丈夫なんだけどさ。目瞑ると駄目なんだ
(なまえ)
あなた
ホラーみた後目閉じたままシャンプー出来ないのと同じみたいな…。
宮侑
宮侑
フラッシュバック…
(なまえ)
あなた
侑のくせによく知ってるね…。多分それと似たようなもんかな
宮侑
宮侑
っ癖にってなんやねん!失礼やな!
宮侑
宮侑
やからって、一人で外出てくることないやろ..学習しろや
(なまえ)
あなた
だってこの時間だし。必要も無いのにわざわざ誰も出歩かないでしょ
宮侑
宮侑
はぁ。そうとも限らんやろ。俺昨日警戒心持て言うたよなぁ?実際痛い目みたくせになんで分からんの?
(なまえ)
あなた
……っ!?
ギシッ

(なまえ)
あなた
…侑?
先程まで隣りに座っていた侑が




突然私ごとベンチに覆い被さるようにして押し倒してきた


宮侑
宮侑
あれ…知らんの男に対してだけっちゅう意味ちゃうぞ?
スーッ


(なまえ)
あなた
___っ!?アツッ何すんっ!?
ガシッ



突然覆い被さるように押し倒してきたかと思えば



唇を撫でるように触ってきた侑に彼奴等が重なり


まだ自由な手足で抵抗をしようとすると



簡単に片手で両腕を頭上に掴まれてしまい



足は侑の体重のせいで動かせず、身動きが取れない状態にされてしまった




宮侑
宮侑
俺が昨日言うたこと、覚えとるか?
(なまえ)
あなた
___っ!離して。
宮侑
宮侑
例えお前が抵抗しても”押さえつけられて終いや“って。俺も一応男やで?
宮侑
宮侑
なぁ(なまえ:奈央)。お前、俺やから何もせぇへんとか思っとるん?
(なまえ)
あなた
…友達だと思ってる奴に、襲われるなんて、思うわけ無いだろ
(なまえ)
あなた
..いいから離せや
宮侑
宮侑
サムやったら?
(なまえ)
あなた
…は?
宮侑
宮侑
学祭ん時、告白されたんやろ。
(なまえ)
あなた
___っ。なんで知って..
そういえばあの時…





治『学祭ん時も言うたけど、俺(なまえ:奈央)の事好きやから』




宮侑
宮侑
俺もサムと一緒や言うたら…この状況の意味、分かるか?
(なまえ)
あなた
…何、言ってんの?私は..っんぅ!?//っぁ


治と一緒…?




何を言っているの?それではまるで…












私が口を開きかけたとき、見計らっていたかの様に侑の舌が入ってきた





(なまえ)
あなた
ハァ..ハァ..あ、つむ..//。何、すんっ
宮侑
宮侑
っァ..。…ここまでされへんと分からんの?
(なまえ)
あなた
(ドクッドクッ)…退いてって//
宮侑
宮侑
…っ//
私がそういうと、侑は黙って上から身体を退かし



元いた位置に座り直した



心臓がうるさい..




あまりの衝撃に驚きすぎたのかもしれない..



いきなり顔が良いやつにキスなんてされたら





誰でもこうなるだろう。そうこれは生理現象だ。コイツが悪い








宮侑
宮侑
…俺の、(なまえ:奈央)に対する“好き”は、友達との”好き“とはちゃうねん。サムにも、他の奴らにも渡したない//
宮侑
宮侑
(なまえ:奈央)が傷付けられるのも、お前が一々それに無関心なのもどっちも許せへん。
(なまえ)
あなた
…。
(なまえ)
あなた
愛なんて感情、とうの昔に忘れた..。だから好きなんて言われても、分からないんだ
(なまえ)
あなた
知ってる?例え血の繋がりがあっても、縁なんて切ろうと思えば簡単に切れるんだよ。
(なまえ)
あなた
そこに愛とかそんなのは無い。皆、自分の為に誰かを利用する。
宮侑
宮侑
何言ってるんや…
(なまえ)
あなた
一回さ。親が喧嘩して離婚騒動起こした事があってね。原因は兄だったけど。
(なまえ)
あなた
けど気付いたらどっちが私と暮らすかって話だった。それでまた揉めてたの。
(なまえ)
あなた
その時から、もう分からないんだ。愛とか大切とかそういうの。
宮侑
宮侑
なんやそれ…。じゃあお前、俺らの事はどう思っとるんや
(なまえ)
あなた
...友達だとは思ってるよ。けど侑、私はさ…
(なまえ)
あなた
それ以上の感情は、分からない…。



こういう話は、倫以外では初めて話した





他人の暗い過去話など、知っていてもいい事などないだろう








(なまえ)
あなた
(話しすぎたな..)そろそろ戻ろ
ギュ
(なまえ)
あなた
…侑?

スマホのロック画面で時間を確認して




長居し過ぎたことに気づき、そろそろ戻ったほうが良いと、立ち上がろうとすると





侑が”待て“とでも言うかのように腰に腕を回し、制止してきた





宮侑
宮侑
忘れたなら、思い出させたる。せやから覚悟しとき
宮侑
宮侑
さっきのは…警告や。俺は”そういう目“でお前を見とる。せやからもっと警戒心持ったほうええで?

警告…




いつから侑は、私を”友達“以外のものとして



みるようになっていたのだろう…







そして感情の制御が得意な私に





忘れた”感情“を思い出させるというのか…







本当にこの双子は、恐ろしい...







(なまえ)
あなた
…今度からサバゲーのナイフでも持っとくかな(笑)






忘れた感情を











この双子なら思い出させてくれるのではないかと










少しの期待を胸に










私は、部屋へと戻ることにした









宮侑
宮侑
あ、せや。(なまえ:奈央)寝れないんやったな?
(なまえ)
あなた
あ〜うん。適当に時間潰すよ
宮侑
宮侑
怖くて寝れんのやろ?ならこれ貸したる
そういって先程まで自分が着ていたパーカーを手渡してきた
(なまえ)
あなた
ぇ?なんでパーカー?
宮侑
宮侑
お前よくスナの近くで無防備に寝とるやん。スナのやないけど、匂いとか落ち着くんやないの?
(なまえ)
あなた
よく見てるね..。ちょっと怖いくらい
宮侑
宮侑
っな!?



でもこれは確かに安心感があって…








少し



(なまえ)
あなた
うん、落ち着く…。
宮侑
宮侑
せ、せやろ!?//
(なまえ)
あなた
ありがとう…。ここで良いよ。
(なまえ)
あなた
付き合わせてごめんね。おやすみ
宮侑
宮侑
そんなんええ。合宿、ちゃんと来るんやで?気分転換くらいにはなるやろ
(なまえ)
あなた
…分かった。
宮侑
宮侑
ほなおやすみ👋

そういってロビー前で別れそれぞれ部屋に戻っていった








合宿…。確か東京の学校でやるって言ってた気が..。




どことだっけ…確か動物の名前の









(なまえ)
あなた
あ。“イタチヤマ”だ




梟谷じゃなかったか…。











どっちにしろ一度家に帰らなきゃならないな





瞼を閉じて合宿のことをいろいろ考えていると自然と睡魔がやってきて






パーカーの効果あってか、記憶がフラッシュバックする様子もなく







(なまえ)
あなた
____Zzz
気付けば深い眠りについていた

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