第43話

Ep.41 ~素の顔~
60
2021/07/13 10:18
宮侑
宮侑
あなたの下の名前鍵どこや〜?
(なまえ)
あなた
…リュックの..ポッケ..コホッコホッ
宮侑
宮侑
絶対悪化してるでそれ…
(なまえ)
あなた
そんなこと..ッケホッケホッ
宮侑
宮侑
嘘やん。絶対さっきより体熱いで

ガチャッ



あの後、ずっと我慢していたのか突然倒れたあなたの下の名前を背負って




そのままあなたの下の名前の家まで来ていた




宮侑
宮侑
リュック適当に置いとくで?
(なまえ)
あなた
..うん…ごめん



一人暮らしというだけあって、部屋自体は1LDKとそこまで広くはない




荷物を適当な場所に置いて、とりあえずそいつを部屋まで連れていきベッドへ寝かせる事にした














宮侑
宮侑
ええから寝とき。飯なんか食うか?

というか何かあるのだろうか。まずそれを確認せねば…




(なまえ)
あなた
大丈夫..ゴホッ多分今何も入ってないコホッコホッから..(頭痛い…)


マジか…休み明けやしもしかしたらとは思てたけどホンマにそうやとは…





宮侑
宮侑
…はぁ。そんなんやから体調なんか崩すんやろ。スナにチクるで?



あなたの下の名前が倒れたということは恐らく治経由ですぐ知るはずだが..




あなたの下の名前に関しては過保護なスナのことだ




どうせ後で本人のスマホと俺のスマホに電話でも掛けてくるだろう
(なまえ)
あなた
コホッそれは..やめてほしいかな…
(なまえ)
あなた
倫…絶対怒るでしょ…コホッん"ん"っ
宮侑
宮侑
多分もうサムから聞いとると思うで?諦めぇ
(なまえ)
あなた
宮侑
宮侑
はぁ。逆に何であれだけ普通やったんや。もう寝とき。ホンマに何もないんかみてくるわ
宮侑
宮侑
ドア開けとくから、何かあったら音立てるなりなんなりするんやで〜?
(なまえ)
あなた
ごめっコホッ…(うつしたらどうしよう..)


















-リビング-







宮侑
宮侑
うわ…ホンマにあいつどうやって生活しとるんや…



一度あなたの下の名前の部屋から出て






本当に冷蔵庫の中になにもないのかどうか確認するためリビングに戻ってきた











キッチンへ行きいざそこを開けると、予想はしていたが本当に必要最低限度の物しか入っていなかった








宮侑
宮侑
…卵あるだけマシやな..



前回来たときは、ちょうど切れたとか何とか言っていたが、卵すら入っていなかったのだ





だから前よりは少しマシな方なのかもしれない…








〜〜♪


宮侑
宮侑
ん?


俺が想定内の冷蔵庫の状態に呆れていると




スマホの着信音が鳴った



宮侑
宮侑
なんやスナやん…。📞もしもしスナ?
角名倫太郎
角名倫太郎
📞もしもし侑?あなたの下の名前大丈夫なの?
角名倫太郎
角名倫太郎
📞LIME送っても返事来ないから。倒れたって聞いたけど



思っていた通り、スナは治からあなたの下の名前のことを聞いていたらしく



これまた予想通り、電話を掛けてきた






そうや、ちょうどええやん。コイツならあなたの下の名前の事、一番よぉ分かっとるし




恐らく実際この場にいなくとも、大体のことは把握しているのだろう










宮侑
宮侑
📞そうなんや。それでちょっと頼みたい事あってんねんけど…
角名倫太郎
角名倫太郎
📞…何?
宮侑
宮侑
📞冷蔵庫空やねん…。卵くらいしか入っとらんかったんや
角名倫太郎
角名倫太郎
📞え?また…?
宮侑
宮侑
📞こいつこういう時何食うんか知らんし、スナなら分かるんやないかなって
角名倫太郎
角名倫太郎
📞…分かった。今からそっち行くから、侑はあなたの下の名前の事頼んだよ?
宮侑
宮侑
📞任せとき!俺はあなたの下の名前の彼氏やからなっ!
角名倫太郎
角名倫太郎
📞え?いつの間にそんなことになってたの?
宮侑
宮侑
📞今日やで?
角名倫太郎
角名倫太郎
📞…後で詳しく聞くから(圧)じゃあね
宮侑
宮侑
📞は?えっちょスナっ!?
ツーッツーッ


宮侑
宮侑
…なんだったんや、今の


でもまぁ飯の件はこれでどうにかなるだろう



ついでにあなたの下の名前が説教されることも確定したのだが







もしかしたら自分も何か言われるのかもしれない…






宮侑
宮侑
…寝とるかな、あいつ



とりあえず飯のことはスナにまかせて、一度部屋に様子を見に戻ることにした

















コンコン



宮侑
宮侑
あなたの下の名前大丈夫そうか〜...?
(なまえ)
あなた
あっつ…Zzz



部屋に行くとそいつは、熱のせいか寝言のように暑いと言いながら



俺のジャージを羽織ったまま、今にも脱ごうと中のシャツに手を掛けていた





宮侑
宮侑
っちょあかんて!着替え..着替えどこやっ!?
(なまえ)
あなた
…ん..Zzz



寝た状態からだと羽織っているジャージを脱ぐことはできないようで



中に着ている制服のネクタイとシャツのボタンだけを数個外して胸元を開けさせていた








自分のジャージの下から覗くあなたの下の名前の素肌はあまりにも刺激が強すぎて




加えて先程付けたばかりのキスマークもちらりとみえている









これはあまりにも....














宮侑
宮侑
〜〜あかん//あなたの下の名前がエロい//🤦
(なまえ)
あなた
スー...Zzz(…涼しい…)


駄目や、落ち着くんや俺




こいつは今熱でうなされとるだけや。そういうんやない









せやけどジャージ着たままて…






(なまえ)
あなた
…zzz
宮侑
宮侑
あかん。俺まで熱でおかしくなりそうや…



ここにいてもあなたの下の名前の憐れもない姿に、色々おかしくなってしまう一方なので




何事もなく寝ているようだし、とりあえずスナが来るまではリビングで待機していることにしよう



(なまえ)
あなた
…zzz
宮侑
宮侑
...(はよスナ来てくれほんまに..)












-角名side-




寮に帰ったあと、中々帰ってこない侑に対して俺のプリンがっとかなんとか


文句を言い出した治に当の本人から電話が掛かってきた




宮治
宮治
📞なんや。つか今どこにおるんや!はよプリン買ってこいや!💢


開口一番それなんだ(笑)さすが治、食べ物の恨みはなんとやらってやつ?






俺はちょうどその時一緒にいた為横で通話越しにされる双子の喧嘩を話半分に聞いていた






角名倫太郎
角名倫太郎
(まぁ、どうせ侑がまた何かやらかしたんだろうけど。)
宮治
宮治
📞はぁ?今度は何やらかしたんやお前。プリン一個貸し言うたやろ💢
角名倫太郎
角名倫太郎
(ほらな)
宮侑
宮侑
📞っなんもしとらんわ!"あなたの下の名前が熱で倒れた"んや。一人にして____




え…?今なんかあなたの下の名前が何とかって言ってなかった?
角名倫太郎
角名倫太郎
…治、あなたの下の名前がどうかしたって?
宮治
宮治
チラッ📞なんでお前があなたの下の名前と一緒におるんや?先帰っとらんかったんか?




そうだ。あれほど侑に待っとけと言われて頑なに先に帰ると言っていたはずなのに




そもそも何故侑は先に帰っていたはずのあなたの下の名前と一緒なんだ?








まぁあの無駄に集中しすぎるあなたの下の名前の事だ





恐らく侑を待っていたわけではなく、偶々作業に集中しすぎていたら、説教後の侑と会ったとかだろう







宮治
宮治
📞はっえっちょ!?待てやっツム!どういうっ
ツーッツーッ




言うことだけ言って切ったなあいつ…



治は物凄い顔つきで自分のスマホの画面を睨みつけていた





宮治
宮治
ッチ。何やねんあいつ!
角名倫太郎
角名倫太郎
色々聞きたいことはあるけど、まずあなたの下の名前が何だって?


正直侑が何やらかしたとかそういうのはいつもの事だし、どうでもいいし興味もない




俺が気になっているのは幼馴染の方だ。普段から必要以上の事は自分から発さないし



比較的静かな方ではあるが、今日はそれがいつもにも増してだった気がする…







角名倫太郎
角名倫太郎
…(気にし過ぎか?)



俺が今朝から少しいつもと様子が違ったように見えた幼馴染のことを考えていると






治は何か思い出したかのように勢いよくこちらに向き直ってきた
宮治
宮治
っせや!あなたの下の名前熱で倒れたって!!
角名倫太郎
角名倫太郎
…は?熱で、倒れた?
宮治
宮治
俺様子見に行きたいんやけど、夏休みの宿題終わっとらんねん〜!けどアイツだけやと何するか分からんし…あ"ぁ"!ホンマにあのアホのせいや!!



どうやら今朝からの違和感は間違いではなかったようだ。





侑は気づいてたのか?










いや、そんなわけないか。とりあえず本人にはLIMEを入れて、後で侑にでも電話しよう





角名倫太郎
角名倫太郎
治落ち着きな。俺行くから、何か聞かれたらよろしく
宮治
宮治
ほんまっ!?頼んだで!スナ!!








その後治とは別れて一旦寮を出る前にあなたの下の名前にLIMEを入れた









-LIMEーーーーーーーーーーーーーー





角名倫太郎
角名倫太郎
あなたの下の名前、倒れたって聞いたけど大丈夫なの?
角名倫太郎
角名倫太郎
朝からちょっと静かすぎるとは思ってたけど、体調悪いなら倒れる前に言いなよ
角名倫太郎
角名倫太郎
侑だけだと心配だし、今からなんか買ってそっち行くから。
ーーーーーーーーーーーーーーー






送ってからいくら待っても既読が付く様子がなかったため、本人からの安否確認は諦めて



とりあえず今からそっちへ行くということだけ最後に伝えてLIMEを閉じた





角名倫太郎
角名倫太郎
…侑に電話するか



それから俺は今度は一緒にいるはずの侑に電話をかけることにした





元から何か買って行くつもりではあったから良かったものの




案の定侑からまた冷蔵庫に何も入ってなかったと言われ、相変わらずの生活感の無さに呆れながらも







当初買っていこうと思っていたものに加えて他にも多少買っていこうと考え




角名倫太郎
角名倫太郎
📞…分かった。侑はあなたの下の名前の事頼んだよ?


とりあえず何かしらを買う為、一旦通話を切り、あなたの下の名前の事は一緒にいる侑は任せようとしたとき







通話越しの侑から、とんでもないことを聞いた





宮侑
宮侑
任せときっ!俺はあなたの下の名前の"彼氏"やからなっ





…今なんて言った?俺の聞き間違えじゃなければ"彼氏"とか言わなかったかこいつ?






確かにお互いがお互いのことを想っているということは知っていたが、急すぎないか…?











ついに認めたのか?あのあなたの下の名前が…?



角名倫太郎
角名倫太郎
📞…は?いつの間にそんなことになってたの?



俺はあくまで冷静を装って侑にそう聞いた








いくら自分の想いが叶わないものだったとしても、アイツが大事な幼馴染であることには変わらない




宮侑
宮侑
📞今日やけど?





…絶対また何かしたなこいつ。



角名倫太郎
角名倫太郎
📞…後で詳しく聞くから。じゃあね 
宮侑
宮侑
📞はっえっちょスナ!?な___
ツーッツーッ









言い訳は許さないよ、侑?


ちゃんとどういうことか聞くから









角名倫太郎
角名倫太郎
…(何買ってこうかな)




〜〜♪


  〜〜♪






角名倫太郎
角名倫太郎
苺あれば食べるでしょ。あとは___






侑との通話を一方的に終わらせ、そのまま近くのスーパーで、あなたの下の名前が食べそうな物や薬などを適当に探して買っていくことにした






















-侑side-






ピンポーン









宮侑
宮侑
っは!スナやっ!!はい〜?


ガチャッ


角名倫太郎
角名倫太郎
…あなたの下の名前は?(何かムカつくな…)
宮侑
宮侑
な、なんやねん…そんな怖い顔すんなやスナ
宮侑
宮侑
部屋で寝とるで…!?あ、ちょ待ちぃ!!
角名倫太郎
角名倫太郎
え?なに?あなたの下の名前にこれ食べれるか聞いて来たいんだけど…
角名倫太郎
角名倫太郎
どうせ薬とかも飲んでないんでしょ?買ってきたから、コレ
宮侑
宮侑
っそう、なんやけどっ!今は駄目やっ!!いくら幼馴染のお前でも危険すぎるっ!




あの状態のアイツをみられたら、絶対俺が何かやったと思われるに違いない







病人相手に迫るほどクズやないわっ!ここは何としても阻止せねば俺の立場が…





角名倫太郎
角名倫太郎
…何かした?寝込んでる相手に
宮侑
宮侑
っなんもしとらんわ!!流石にそこまでクズやないしっ!けどホンマにあかんからっな?あ、ちょっスナっ
角名倫太郎
角名倫太郎
ならいいじゃん。そこ退いて侑
角名倫太郎
角名倫太郎
あなたの下の名前、苺あるけど食べ..
(なまえ)
あなた
…ん…?あれ..なんで倫がいるの…?



俺の必死な静止を無視して部屋へと向かったスナは、何か言いかけて固まっていた







宮侑
宮侑
…やから言うたのに..(つか起き上がると尚ヤバいやんそれ…)




いつの間にか目が覚めていたのか、スナの声に気付き起き上がったそいつは、



横になって布団を被っていたことにより隠れていた部分も露わになり




かつ寝起きということも合わさって異様に色気を漂わせていた





角名倫太郎
角名倫太郎
…侑?(ギロ
宮侑
宮侑
ビクッ!?俺は何もやっとらんてぇ!!
宮侑
宮侑
ちゅーかお前、いつ起きたんや…?起きたならその..それどうにかせぇ//




ホンマにヤバい…



(なまえ)
あなた
さっき..インターホンの音で。
(なまえ)
あなた
…それ?グ~



本人は今の自分の格好がいかに大変なことになっているのか気づいていないのか



呑気にお腹の音を鳴らしてこちらを見上げてボーッとしていた







するとスナが耐えきれなくなったのか、あなたの下の名前の前まで行きジャージのチャックを上まで上げた






角名倫太郎
角名倫太郎
なんて格好してんのさ..。誘ってんの?それ
宮侑
宮侑
っな"!?スナ!こいつは俺のやぞっ!
(なまえ)
あなた
…暑かったから。そんな魅力ないよ…?胸ないしな。グ~…お腹すいた
角名倫太郎
角名倫太郎
そういう事言ってるんじゃないんだけど…?ねぇ、これ何?



そういってスナはあなたの下の名前の首筋の一部をなぞるように触れた












あかん、バレた…





こいつはそれがキスマークだと言うことに気付いとらんみたいやけど、流石にスナは分かるやろうし…







角名倫太郎
角名倫太郎
侑…?
(なまえ)
あなた
あぁ。侑に噛まれたんだった。そんな跡残ってるの?というか倫さっき苺って___
宮侑
宮侑
っお互い様やっ!ほらっ見てみぃ!!



そういって自分もされたという証拠をスナにみせた





というかあなたの下の名前から噛んできたんやないかっ!
(なまえ)
あなた
…そこに首があったからつい


グ~
(なまえ)
あなた
倫..苺食べたい…(キュ
宮侑
宮侑
なんやそれっ!ゾンビかいな!!
角名倫太郎
角名倫太郎
はいはい。その前に薬飲んでね。あと侑、こいつ噛み癖あるからそれ犬に噛まれたみたいなもんだよ
角名倫太郎
角名倫太郎
特に空腹の時と眠たい時はね。俺も昔噛まれたことあるし
宮侑
宮侑
はぁぁぁ!?なんやねんその本能に抗う赤ん坊みたいな質の悪い癖はっ!?
(なまえ)
あなた
…(倫から苺の匂いする..)
角名倫太郎
角名倫太郎
オッホホ(笑)なんなら多分今俺苺臭いから___痛っ
(なまえ)
あなた
カプッ(なんか違う…)
宮侑
宮侑
あぁぁぁーーー!?あなたの下の名前お前っ!何しとるんやっ!せめて俺にしとけっ!!スナお前!わざとやろっ!?
(なまえ)
あなた
あ..侑。あれ私今何して…?グ~
角名倫太郎
角名倫太郎
っ…俺はいちごじゃないよあなたの下の名前?
(なまえ)
あなた
え…?でも凄いいちご臭いよ倫..。
角名倫太郎
角名倫太郎
そりゃ買ってきたからね。さっきから言ってるでしょ?食べるの?食べないの?



コイツっ…さも当たり前ですぅ〜みたいな?



なんや慣れてます〜みたいな感じムカつくっ!!




そこは俺の場所やっ!!あなたの下の名前もあなたの下の名前や!



お前の彼氏は俺やろうがっ!!



(なまえ)
あなた
食べる…侑はさっきからなんか忙しそうだな。一人百面相…?
角名倫太郎
角名倫太郎
ならリビング行くよ。先薬飲んでね。あと冷蔵庫の件侑から聞いたよ?後で話あるから(圧)
(なまえ)
あなた
だから嫌だったのに..侑のバカが
角名倫太郎
角名倫太郎
なんか言った?
(なまえ)
あなた
いや何も。(苺人質に取られそうだな..)
宮侑
宮侑
っ💢お前ら距離感近いでっ!スナっ!コイツは俺のやぞ!(ギュ~
角名倫太郎
角名倫太郎
オッホホ(笑)侑、嫉妬してんの?(笑)
宮侑
宮侑
〜〜💢幼馴染やとしても、平野と違ってお前とあなたの下の名前は近すぎるんや!!
(なまえ)
あなた
侑…引っ付くと伝染るかもしれないからやめて..?
宮侑
宮侑
嫌や!それにもう今更やんか。あんだけちゅーしたんやし
(なまえ)
あなた
っ___変なこと言うなっ!!倫ー!苺!
角名倫太郎
角名倫太郎
へぇ…?中々帰ってこないと思ったら、何してたのかなぁ?俺の大事な幼馴染に(ギュ
(なまえ)
あなた
っ引っ付かなくていいからそれ頂戴って…
角名倫太郎
角名倫太郎
ホラ(本当に苺にだけは食い意地凄いなコイツ…)
(なまえ)
あなた
ハムッ…最高
宮侑
宮侑
っな!?なんでスナのとこ行くんやあなたの下の名前ー!!
(なまえ)
あなた
別に倫のとこ来たとかじゃない。苺食べに移動しただけだハムッ
角名倫太郎
角名倫太郎
あなたの下の名前はそれ食べてな。侑、さっきの話詳しく聞かせてもらうから、こっち
宮侑
宮侑
ビクッ。



べ、別に俺は何も悪いことしてへんしっ?




あれやって、こいつが話に乗らんかったらあそこまでするつもりはなかったし?










結果的に付き合うことなったんやしめでたしめでたしやんか









そうや、俺は無実や。やって俺だけ今回もお預け食らっとるんやし。どっちかっちゅうと被害者やん






俺は悪くないで、スナ?




宮侑
宮侑
…俺はどっちかっちゅうと被害者やからな、スナ..
角名倫太郎
角名倫太郎
知らないよ。自分が好きでやってるんでしょ?


コイツっ!どこまでも幼馴染至上主義やな!!
宮侑
宮侑
そうやけどっ!お前らが今朝余計なこと言うから、思いきりスティックで殴られるとこやったんやからな!?



あの目は獲物を殺る狩人の目そのものやった…






あぁ、思い出しただけで寒気がっ







角名倫太郎
角名倫太郎
流石だね。普段ナイフ扱ってるからスティックでもいけると思ったんだよ(笑)
宮侑
宮侑
ほんまに怖かったんやからなっ!?




スナに今日あった恐怖体験を話しながら、今では先程より体調が回復したのか




呑気にスナが買ってきた苺を食べているそいつの方を見た





(なまえ)
あなた
〜〜♪(うまいっ流石倫だ、分かってる!)
宮侑
宮侑
…アレがあぁなるんやで。ギャップの振り幅イカれとんのかアイツ…
角名倫太郎
角名倫太郎
学校ではあんな感じだけど、素はこんなもんだよ。
角名倫太郎
角名倫太郎
いくら侑達みたいに女子にモテても、楽器出来ても、好きな物の前ではあぁなる普通の女の子
角名倫太郎
角名倫太郎
普段は"それ"が周りから求められているから格好良く居るだけなんじゃない?可愛いもんでしょ?俺の幼馴染(ニヤ
宮侑
宮侑
ちゃっかりマウントすんなやっ!!




やっぱりこいつは、昔からあなたの下の名前のことを見てきただけあってアイツのことよくわかっている








俺には毎回新鮮に映る表情カオ





コイツにとっては当たり前の、見慣れたものなのだろう






けどあなたの下の名前のあの表情カオだけは







自分しか知らないはずだ...




宮侑
宮侑
そんなん言うなら俺もマウント取ってやろうか?
宮侑
宮侑
彼氏しか知らないアイツの表情カオもあるんやで…?
角名倫太郎
角名倫太郎
…本当に、付き合うことになったの?



スナは少し暗い表情をしてそういった





なんや?悔しいんか?






そりゃ隣に居るのが当たり前やったしな、お前






せやけどこれだけは譲れんねん
宮侑
宮侑
せやで。幼馴染取られて悔しいんか、スナ?
角名倫太郎
角名倫太郎
別に…そんなんじゃないし。侑達がそういう関係になったとしても、俺らの関係が変わるわけじゃないから。
宮侑
宮侑
いや少しは距離感考えろやっ!一応人様の彼女やでっ!?
角名倫太郎
角名倫太郎
その前に俺の幼馴染でしょ。あなたの下の名前の事だし、急に侑だけ特別なんてならないよ
角名倫太郎
角名倫太郎
多分、付き合う前と大して変わらないと思うけど。ただ__
宮侑
宮侑
っそれ本人にも言われたわっ!レッテルが付くだけやとかなんとか…
角名倫太郎
角名倫太郎
…侑、本気であなたの下の名前の事好きなの?




何を、言っとるんやこいつ…






本気で好きやなかったら普通ここまでせんやろ..








ただでさえ、何度も見て見ぬ振りをされ続けてきて







やっと認めさせたっていうのに…遊びなわけ無いやろ





宮侑
宮侑
なんやそれ…どういうことや?
宮侑
宮侑
自己満足の為の遊びやとでも言いたいんか?
(なまえ)
あなた
ん〜♪うま、クラッっ!?..コホッコホッ(やば…調子乗りすぎたか…目眩が..)



未だキッチンで苺を食べているであろうと思い、一応病人であるあなたの下の名前の様子を気にすることを忘れ



俺らの間には険悪なムードが漂っていた

















宮侑
宮侑
どういうことや、スナ?
角名倫太郎
角名倫太郎
…前に学祭の時、中学の同級生っていう梟谷の奴と会ったって言ったでしょ?


確か一緒に木兎くんも来てた時のやん…




平野にこき使われて、俺だけ会いに行けんかった時の




宮侑
宮侑
それがなんや?そいつと何かあったんか
角名倫太郎
角名倫太郎
俺その時その人、"赤葦"と連絡先交換しててさ、あなたの下の名前達が夏休みのフェス出て以降、なんか嫌な話聞いたんだよね
宮侑
宮侑
はぁ?なんやその"嫌な話"って
角名倫太郎
角名倫太郎
…これ




そういってスナはその"赤葦"というやつとのトーク画面を見せてきた








-LIMEーーーーーーーーーーーー


-赤葦-



赤葦京治
赤葦京治
ねぇ角名、もしかしてあなたの下の名前ってこの間のフェス出てた?
角名倫太郎
角名倫太郎
うん。お台場のやつね。それがどうかした?
赤葦京治
赤葦京治
いや、木兎さんが煩くてさ。
角名倫太郎
角名倫太郎
いつもの事でしょ(笑)あなたの下の名前に直接LIMEしなよ
赤葦京治
赤葦京治
それはそうなんだけど、煩い原因がなんか同学年の人にやたらあなたの下の名前の事聞かれるらしくてさ
赤葦京治
赤葦京治
木兎さんからその人の名前聞いたら、あなたの下の名前の中学の時の先輩だったんだよね…
角名倫太郎
角名倫太郎
(あなたの下の名前の先輩…?)それがどうかしたの?
赤葦京治
赤葦京治
その人と色々あったっぽいから。一応、あなたの下の名前の元彼
角名倫太郎
角名倫太郎
…は?(初耳なんだけど…)
角名倫太郎
角名倫太郎
なに、その人まだあなたの下の名前の事好きなの?別れたんでしょ?今更何さ
赤葦京治
赤葦京治
これは木兎さんから聞いた話だけど…
赤葦京治
赤葦京治
『アイツとより戻したらいい事あるから』とか言ってたらしいから。まぁ木兎さんも流石にそれ聞いて教える気にはならなかったらしいけど
角名倫太郎
角名倫太郎
フェス出て有名になったからってより戻そうって?人のこと何だと思ってるのさ
赤葦京治
赤葦京治
さぁ?俺は直接その人と関わりがあるわけじゃないから、俺からは何も言えないけど
赤葦京治
赤葦京治
電話番号とか変えてないだろうから、気をつけて。
角名倫太郎
角名倫太郎
…分かってる、わざわざありがと赤葦









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





宮侑
宮侑
…なんやねん、これ。





俺はスナと赤葦のやり取りをみて、何とも言えない嫌悪感を抱いた






『より戻したらいい事あるから』…?





人を装飾品かなんかだと思っとるんか?



角名倫太郎
角名倫太郎
そういうこと…。ねぇ侑。あなたの下の名前、『利用する』とかそういうこと言ってなかった?
角名倫太郎
角名倫太郎
まるで、自分と付き合うと相手にとって都合が良いみたいな…
宮侑
宮侑
っ…





『侑は、"自分の為に"私とそういう関係になりたいんでしょ?』



『皆、自分にとってメリットがあるから人を好きになって付き合う。恋愛なんてそんなものだよ…』












『所詮、"利用関係"でしかない』





宮侑
宮侑
…言っとった。自分の気持ち認めたないからそういって逃げとるんかと思てたけど..
宮侑
宮侑
…やっぱなんかあったんか?そいつと



元々そういうやつではなかったのだろうか






そのクズな"元彼"と何かがあって、今のあなたの下の名前になってしまったのだろうか…









そうやとしたら、何があったんや




角名倫太郎
角名倫太郎
…その"元彼"、誰があなたの下の名前を落とせるかっていう賭事で付き合って、好きにさせた所で突き放したらしいよ
角名倫太郎
角名倫太郎
侑ももう知ってるんでしょ?あなたの下の名前が家族と上手くいってないこととか中学の時事






『縁なんて、簡単に切れるんだよ』



『そこに愛なんて存在しないんだ..』


『信じた分だけ裏切られる。他人なんて、期待するだけ無駄なんだよ…』











宮侑
宮侑
っ多少は…
角名倫太郎
角名倫太郎
…全部、同時期だったんだって。俺も急に連絡取れなくなって何かあったんじゃないかとは思ってたけど
宮侑
宮侑
…は?どういう___
角名倫太郎
角名倫太郎
…要するに同時に親しい人達に捨てられたってこと。通りで"空っぽ"なわけだ…





なんやねん…それ…





そんなん…アイツの精神ボロボロやないか…













時々、今日の放課後に感じたような





あなたの下の名前がどこかに消えてなくなってしまいそうな感覚を感じる時がある








不安で…どうしようもなくなってしまう時がある








もし、アイツが"生きること"をさほど重要なことだと思っていないのだとしたら?










この生活感のなさも、ただ"そういう性格"というだけではない気がする








そう思うと、その元彼への怒りが湧いてくるのと同様






それ以上の不安が襲った



宮侑
宮侑
…時々、ふらっとどっかに消えてまうやないかって思うときがあんねん




あいつは、以前無理やり襲われた際




何を思ってやったのかは分から…いや、考えたくはないが



自分の腕をカッターで切りつけた状態で眠っていた





今もそういうことがあるかと言われればないが


角名倫太郎
角名倫太郎
角名倫太郎
角名倫太郎
確かに、あなたの下の名前の静けさはたまに怖くなる
宮侑
宮侑
あいつ…どっか行ったりせんよな?




誰かから必要とされているという事を






誰かから愛されているという感覚を








自分がいなくなることで、悲しむ人がいるという事を







あなたの下の名前がちゃんと理解しているのかが分からない



角名倫太郎
角名倫太郎
..そこはちゃんと見てなよ。"彼氏"なんでしょ?
宮侑
宮侑
おん…。せやな



どこかに行ってしまいそうなら



自分がその手を掴んでおけばいい話だ



"彼氏"である自分が、護ってやればいい















ガチャンッ


宮侑
宮侑
っ!?
角名倫太郎
角名倫太郎
っえ?何?なんの音___



そこまで話してキッチンの方から何か金属のような物が落ちる物音がして





ようやく意識がそちらへと向いた








そうや!あなたの下の名前っ!呑気に苺食っとったしさっき薬飲んどったから大丈夫やと思ってたけど..




(なまえ)
あなた
…ハァ..ハァズキッズキッ(頭..かち割れるっての…)
宮侑
宮侑
あなたの下の名前っ!?どないしたっ!?頭痛いん?
角名倫太郎
角名倫太郎
あなたの下の名前、立てる?部屋行こう?
(なまえ)
あなた
嫌だ…苺…まだ..残って..勿体ない..
(なまえ)
あなた
それに..二人共..いい加減伝染ったら困るから..帰って…いっ!?




このままではきりがないため、俺はあなたの下の名前が最後まで言い切る前にそいつを抱き上げた






(なまえ)
あなた
…あ、つむ…北さんに..怒られるって..一人で..大丈夫だから。これ以上..迷惑かけられ___
宮侑
宮侑
うっさいわ病人。黙っとき。それ以上言うんやったらその口塞ぐで?
角名倫太郎
角名倫太郎
あなたの下の名前、迷惑なんかじゃないから。少しは頼ることも覚えな?大丈夫だから
(なまえ)
あなた
…ごめん…ゴメン..二人共…



そういったあなたの下の名前の身体は、体調不良がぶり返してきたせいか




もしくはそれ以外の理由からか







少し震えていた
宮侑
宮侑
…やっと大人しくなったわ。ったく手のかかるやつやなぁ
角名倫太郎
角名倫太郎
寝たね。侑、今日こっち戻らないって聞いてたけど泊まる気なの?
宮侑
宮侑
そのつもりやったけど。スナはどうするん?
角名倫太郎
角名倫太郎
俺は用済んだし、様子も見れたから帰るかな。俺まで戻らなかったらなんか言われそうだしね



なんや、残ってくんかと思ってたわ。意外やな?



角名倫太郎
角名倫太郎
…襲わないでよ?あなたの下の名前の事
宮侑
宮侑
っな、そんなことせんわっ!
角名倫太郎
角名倫太郎
…じゃあね。あなたの下の名前のこと頼んだよ
角名倫太郎
角名倫太郎
あと、知らない番号から電話掛かってきたら___
宮侑
宮侑
…わかっとる。こいつが気付く前に俺が出たるわ(通話越しに潰したる)
角名倫太郎
角名倫太郎
..今回は何も言わないから。ちゃんと潰しなよ?そいつ(圧)


スナは殺意を隠すこともなくそういってきた





あなたの下の名前…お前の幼馴染怒らせたらアカンやつやで…?








顔も名前も分からないその元彼とやらは、思いきりスナの地雷を踏み荒らしたようだ





宮侑
宮侑
お、おん…(今のスナは北さんより怖いわ…)
角名倫太郎
角名倫太郎
じゃあそういうことで。あとは任せたよ侑







そういってスナは寮へと帰っていった



























グ~



宮侑
宮侑
俺もなんも食っとらんかったわ…
(なまえ)
あなた
…Zzz





『私も、ちゃんと好きだよ。侑』








あの言葉が、こんなに重いものになるなんて







どれだけその感情を受け入れるのに苦しんだのだろうか









そう思いながらベッドで大人しく眠るそいつの額にキスをして








チュッ…


宮侑
宮侑
俺も同じやで..。嘘やないから
(なまえ)
あなた
…Zzz
宮侑
宮侑
せやから、どこにも行かんといて。
(なまえ)
あなた
…んん〜..Zzz



俺の言葉に返事をするように、タイミングよく唸ったそいつに、思わず笑ってしまい




宮侑
宮侑
(笑)今のは返事ってことでええの?
(なまえ)
あなた
スー…Zzz



今もなお自分のジャージを着たまま眠るそいつをみると




本当に自分のものになったのだなと実感するようで





宮侑
宮侑
…こうしてると、"普通"やのにな..




見えない部分に深く刻み込まれているであろう傷口は





コイツのお得意の切り替えのせいで中々見えない





だったらせめて俺は






俺らは、そばにいてやるべきやな


宮侑
宮侑
…(まずはそいつやなぁ)
宮侑
宮侑
あなたの下の名前、すまんけどスマホ預かっとくで




あの感じだと、本人はおそらく知らないのだろう





知らなくていい。これは俺が片付ける




宮侑
宮侑
っと。なんかデリバリーでも頼んで食うか〜



とりあえずあなたの下の名前から勝手にスマホだけ預かって、食いそびれていた晩ごはんを食べるのにリビングへと向かうことにした


















宮侑
宮侑
(掛かってきた瞬間殺ったるわ、糞男が..)













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次の回で出てくる寝起き主のイメ画〜



寝起きの夢主は家ではメガネを掛けていることが多いためこんな感じ(カーディガンっぽいのがシャツだと思って頂ければっ)


この上に侑のジャージを着ていて、それがスナが見た寝起き姿…的な?





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