それからあっという間に時間は過ぎ...
-学祭当日-
ガヤガヤガヤガヤ
ガヤガヤガヤガヤ
『すみませ〜ん〜』
「いまお伺いしま〜す!」
『これそっちお願い!』
「---?」
『−−−!』
伶奈がそう言って指した方をみると
侑もとい双子の女子人気には慣れてきたところだ
今更驚くほどの事でもないし予想はしていた事ではあるが
そう言って後ろにいた男子生徒の一人が私の袖を掴んできた
てっきり侑に言ったのかと思っていただけに
多少驚いた。いやまぁよく考えたら男子だから違うのか
これで良いのかな..?
そう言ってその子は私達に一度頭を下げると
友達のところへ戻っていった
その後侑が何か言っていた気がするが
休憩の時間になったため私は後の人と交替して校内を散策することにした
−LIME-
やばいすごい通知来てた。申し訳ない…。
-LIME-
㌰㌰
屋台か…
グゥゥゥゥ~
そう思い、どこで何の出店が出ているのかを確認しながら目ぼしいものをいくつか絞り
最初に向かう店を決め外へと向かった
-外-
『っらっしゃーい!焼きそばどうっすか~!』
「4組クレープやってまーす!」
ガヤガヤガヤガヤ
ガヤガヤガヤガヤ
屋台のあるところ、と一言で言っても何せ出店が多く無駄に広いため
京治達とすぐに合流とはいかないだろう。
どうせ向こうも昼食中だ。自分もこの無駄に広い出店を回ってからでも遅くはないだろう
-屋台前-
グゥゥゥゥ~。
倫の質問に答えるように私のお腹が返事をした
莉から包みを受け取ると、そこにはきれいに4つ肉巻きおにぎりが入っていた
『付いてくるって言ったのどっちだよ』
「俺や。あっ焼きそば買ってもええ?」
『置いてくよ』
「どこら辺にいるの?」
『ここら辺』
「何それ(笑)」
無事昼食を済ませた私(+付き添い2名)は
恐らく同じ場所の何処かには居るであろう京治達と合流するべく歩き出した。
-赤葦side-
㌰㌰
俺は今、中学時代からの友人の学校祭に来ている
彼女に現在地の連絡をし、合流をするべく軽く出店を回りながら彼女を待っていた
のだが
『あれ梟谷のエースやない?』
「何あの人〜元気やね〜w」
ザワザワザワ
ザワザワザワ
絶賛他校に来て暴走中の我がエースのせいで無駄に目立ってしまっている
本当にその通りである。
せめてもの救いはまともな先輩(木葉さん)が一緒に来てくれているということあろうか
木兎さんのせいで幸か不幸か無駄に目立ってしまったため
思ったより早めに見つけてくれそうな気がする…。
いやできれば
俺と木葉さんが木兎さんの暴走を止めることを若干放棄し始めたとき、スマホに通知が来た
㌰㌰
-LIME-
救世主。
えっと、近くにあるのは確か…。
ここまで来たら木兎さんを目印に来てもらうのが一番合理的だ
とりあえず(なまえ:奈央)との合流はこれでどうにかなるだろう。
問題はこの人をどうこの場に留めるかだ
それから俺は木葉さんと一度別れ、しょぼくれモードに入ってしまった木兎さんの監視をしつつ(なまえ:奈央)が来るのを待つ事にした
あれ、ちょっと待てよ。
木兎さんがしょぼくれモードになって静かになったのはいいがそれだと(なまえ:奈央)に伝えていた目印が…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!