第26話

Ep.24 ~“意味のないもの”~
97
2021/06/24 09:07



それから




一度家に必要最低限の荷物を取りに帰り





半ば双子らに連行される形で寮へと向った





















-寮-







宮治
宮治
それでそん時アラン君が______
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
…っ!(なまえ:奈央)っ!
(なまえ)
あなた
…伶奈..。
寮につくと、そこには伶奈が待っていて



(なまえ)
あなた
…急にゴメn
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
そんなんいい!それより、大丈夫なの!?
宮侑
宮侑
平野…とりあえず中入るで。
話はそれからや

そういって侑は伶奈を諭すと


寮の中へ入っていった
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
分かった…。(なまえ:奈央)、晩御飯まだ?
(なまえ)
あなた
うん、そういえば食べてない。
宮治
宮治
ほなまず飯やな!はよ行かな美味い飯がなくなってまうっ!
角名倫太郎
角名倫太郎
それは治がお腹空いてるだけでしょ。
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
じゃあまずご飯行こ。…何があったかは分からないけど、暫くはゆっくりしなね?
(なまえ)
あなた
ありがとう…。(そういえば倫。伶奈にどこまで…)


ふと何も知らないといった伶奈の言葉が気になり横に視線をやると


ちょうど私がここに来る事になった状態を作った本人と目が合い




角名倫太郎
角名倫太郎
…はぁ。そんな詳しく何があったは言ってないよ。言えるわけないでしょ俺の口から
角名倫太郎
角名倫太郎
俺だってできれば、受け入れたくなかったし(ボソッ
(なまえ)
あなた
…。



なんだ…言ってなかったのか。











言えるわけ、ないよな…。









最低だな、私。









言えるのかな…。伶奈に。






今日あったことを













自分で…。

















心配とかされるの、苦手何だけどな…







角名倫太郎
角名倫太郎
伶奈にはちゃんと言いなよ。すぐにじゃなくてもいいからさ
(なまえ)
あなた
え…
角名倫太郎
角名倫太郎
どうせ適当に誤魔化すつもりだったんでしょ?分かるし、それくらい。




人の興味というものは、誤魔化したりはぐらかしたりしているうちに








薄れるもので。










今回もそうして誤魔化し続けていれば








気分屋の伶奈のことだ。途中で"察して"何も聞いてこなくなるだろうと考えていた










だがそんな計画もコイツにはバレていたらしく












(なまえ)
あなた
…努力はする
角名倫太郎
角名倫太郎
はいはい(笑)まぁ言わないとそれはそれで後が面倒そうだけどね?
(なまえ)
あなた
角名倫太郎
角名倫太郎
だから言ったでしょ?"意味ない"って





面倒事は嫌いだ。特に人間関係は。







表では笑い合っていても、







裏では陰口を叩いたり陥れ合ったりしている













友達なんて、人間関係なんて所詮そんな物だ









自分が相手の事を大切だと、特別だと思っていても








相手にとってはそんな事はなくむしろ迷惑な事であったりする









だから私は、他人との間に一線引くようにしていた









他人に無駄に期待してしまわない様に







いつ切り捨てられても傷付かない様に…













けど本当はやっぱり寂しくて




こんな自分を誰かに認めて欲しい、求めて欲しいだけで。








"誰かに期待する"事は無くとも、他人にとって良い人を演じて"期待させる"ようなことはして











そんな最低な自分に嫌気が差し、本当の自分は何なのか。何が本心なのか。何も分からなくなり




気付けば自分では壊せないほど頑丈で高い壁が出来上がっていた


けどそんな頑丈な壁も



ここに来てから、倫達と再会して



双子と、心配してくれる仲間と出会って









何度も正面からぶつかって来られたことで





そのどれもが今までにない経験ばかりで








今までに感じたことのない、感情ばかりで












壁が壊されていくのは、怖い反面










本当は少し嬉しかったのかもしれない













たとえ、今回のことで何かが変わったとしても











もう。十分だ。











"本当に信頼できる友達は、片手で数えられる程度で良い"













もう。こいつらとの間の壁なんかとっくになかったのかもしれない…









平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
_____?
双子
双子
_____!_!?
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
___(笑)(笑)



前を歩く三人を眺めながら







話すとしたら、どのタイミングで話すか..







などと考えているうちに、目的地についたらしく
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
あっ(なまえ:奈央)〜!食堂ここ!あぁ荷物先置いてくるか?
宮治
宮治
そんなんしてたら食堂閉まっちゃうで?飯優先やっ
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
アンタには聞いてないっての。けどまぁ時間も時間だししゃーないか
宮侑
宮侑
お前、何食うん?
(なまえ)
あなた
どうしようかな…侑は何食べるの
宮侑
宮侑
う"〜ん"…っお!俺はこれや!
味噌カツ定食…
(なまえ)
あなた
じゃあ私もそれでいいや。
ピッピッ

私が質問に答えると、前にいた侑が味噌カツ定食の食券を当然のように2枚買っていた
(なまえ)
あなた
え…侑一人でそんなに食べるの?

流石に少し驚いたため、若干引き気味でそう尋ねた



丼ならまだしも、定食2人前って…流石運動部



自分も平均女子と比べたら食べる方ではあるが、侑程ではないと思い


運動部男子の胃袋に関心していると、当の本人が耳を赤くしながら慌てて訂正してきた
宮侑
宮侑
っちゃうわボケ!!//これはお前の分やっ!
そういって侑はこちらに食券を突き出してきた




なんだ、同じだからついでに買ってくれたのか
(なまえ)
あなた
あ、ありがとう..。何円…?
宮侑
宮侑
ええ。奢ったる。
(なまえ)
あなた
いやでも…
宮侑
宮侑
ええから奢られとけや。この馬鹿ゴリラが(笑)
(なまえ)
あなた
…だから、ゴリラじゃないっつの(ボソ
(なまえ)
あなた
…ありがとう。ゴメン色々
宮侑
宮侑
は…?何がや?
(なまえ)
あなた
いや..侑の言う通りだったなって。
食堂のおばちゃん
食堂のおばちゃん
は〜い、味噌カツ定食2つねぇ〜
(なまえ)
あなた
どうも。
宮侑
宮侑
おおきにおばちゃん〜
宮侑
宮侑
そう思ったんならなんですぐ…助け呼ばんかったん..?
(なまえ)
あなた
伶奈の事もそうだけど。多分何処かで、他人事のように感じてたから
(なまえ)
あなた
今も全然、実感ないし。身体痛い事以外は(ボソ
宮侑
宮侑
..お前。あんま強がんなや。震えとるの自覚ないんか



震えてる…?



侑にそう言われて初めて私は、話しているとき自分が震えていた事に気づいた



(なまえ)
あなた
宮侑
宮侑
俺もあんま人のこと言えんけど、どんだけ自分の事に疎いねん…。
宮侑
宮侑
俺の方がお前よりお前の事分かっとる自信あるわ..。俺でこれならスナなんてエスパーレベルやぞ..
(なまえ)
あなた
倫がエスパーなのは同感..。
宮治
宮治
(なまえ:奈央)もツムもモグモグ何やっとるん?はよ食うでモグモグ
角名倫太郎
角名倫太郎
治はもうそれ食べてるでしょ。(なまえ:奈央)、何にしたの?
(なまえ)
あなた
なんか侑と同じやつ
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
味噌カツじゃん〜。それ美味しいんだよね!さっ食べよ!
(なまえ)
あなた
うん…。
(なまえ)
あなた
伶奈…。後で話すから…。頂きます
角名倫太郎
角名倫太郎
…。
双子
双子
...ハムッモグモグッ(絶対そいつ潰したる…。)
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
..うん。ちゃんと聞くから。ニコッ








それから食事を済ませ、男女は別棟であるため倫たちとは分かれ




荷物を起きに伶奈の部屋へ行き





そのまま私の希望で大浴場へと向うことになった












-大浴場 脱衣場-



平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
おぉ、やっぱこの時間は空いてるね。貸し切りだよ(笑)
(なまえ:奈央)とお風呂とかいつぶりだ〜?




伶奈はそんな事を言いながら準備をしていた








ーーーーーーーーーー
先輩
先輩
ええ子やな、____
ーーーーーーーーーー
(なまえ)
あなた
____っ。(糞が…)
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
(なまえ:奈央)…?


あぁ汚らわしい…







ボタンに手を掛けシャツを脱ごうとすると







ふとアレは現実だったのと主張するかのように








触れられた身体の箇所に気持ち悪い感覚が蘇り


鳥肌が立った







(なまえ)
あなた
…ゴメン何でもない。行こ
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
…..っ!?アンタそれっ!?
(なまえ)
あなた
え…?何....は..?



そう言われ、”それ“といわれた所を鏡でみると





そこには誰かに噛まれたような跡があった













汚らわしい…忘れるなとでも言っているかのような






(なまえ)
あなた
…ハハ..最悪だな。全く(ボソ
そう私が自嘲気味に笑い




涙が流れないよう上を向いて堪えていると



平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
(なまえ:奈央)…まさか..



ちゃんと、話すって






決めたのにな…











(なまえ)
あなた
伶奈..私さ..






ちゃんと誰かと向き合うことって













誤魔化さないで伝える事って






こんなに恐ろしい事だったか…?








(なまえ)
あなた
今日レイ..っ伶奈..?
ギュ


私が今日あったことを一言で伝えようとすると



その言葉を言うのを止めるかのように伶奈が私を抱き締めた




平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
..いい。分かったから。それ以上は言わなくていい..。
(なまえ)
あなた
___っ..(泣)
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
っ(なまえ:奈央)は普段クールでカッコイイけどさっ?私らの前でくらい、カッコよくいなくても良いんだよ..?ニコッ
(なまえ)
あなた
____っゴメン…








どこの誰かも知らない輩に抱かれた自分のことを




『汚らわしいとは思わないのか?』







話すことで少なからず抱かれるであろうと、感じていたそれは











聞けるわけがなかった














聞いてしまったら、まるで伶奈の事を“そういう人間”だと思っていると言っているようで










(なまえ)
あなた
____っゴメン(泣)
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
何でさ(笑)(なまえ:奈央)何も悪くないじゃん(笑)さっ風呂行くぞ〜!







そのあと私達は何年ぶりかに一緒に湯船に浸かり




部屋に戻ったあと私に気を使ってか


伶奈が珍しくゲームをしようと言い出したためギリギリまでゲームをして




明日も夏休み前最後の学校があるため寝ることにした














伶奈には『明日くらい休めば?』と言われたが






休むことで変に彼奴等に噂を広げられたり、



次に会った時の周りの人間への対応が面倒なのだ







平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
そっか。まぁ学校に居たほうが安全かもね。こりゃ双子の執着も倫の過保護も強化されるなぁ(笑)
(なまえ)
あなた
あれ以上は困る…。
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
(笑)おやすみ。
(なまえ)
あなた
..おやすみ。













-夜中-






『なぁ?気持ちええなぁ?(笑)』





ヤメロ…




   『もっとええことしようや(笑)』





クルナ…



『なぁ______』








触るな…ッ!







(なまえ)
あなた
______っ!?
平野伶奈 ヒラノ レナ
平野伶奈 ヒラノ レナ
_____Zzz


時刻は夜中の2時半





私はフラッシュバックした映像とともに目が覚めてしまった









(なまえ)
あなた
(サイアクだ..。)外の空気でも吸いに行こうかな…


気持ちを整理したとしても





記憶だけはどうにもならないことを自覚している









どうせもう寝れないだろう








そう思い寝ることを諦め、ヘッドホンと貴重品だけを持って外の空気を吸いに行くことにした













-侑side-




あかん。こんな時間にトイレ行きたなるとか最悪や。




宮侑
宮侑
寝る前に行っとくんやった…ん?誰や、こんな時間に外行くやつ…


トイレに行く途中、夜中に一人外へと出ていく人影を見かけ



こんな時間に誰かと不思議に思いみていると、



その人物は、あれだけ今一人で居るなと言っていた馬鹿ゴリラで
宮侑
宮侑
…!?ッアイツこんな時間に一人でどこ行く気やっ
宮侑
宮侑
んあ”ぁ”ぁ”ぁ”クッソ!しょんべん漏れる!そやっLIMEっ



-LIME-


宮侑
宮侑
(なまえ:奈央)っ!お前今外居るやろ!こんな時間に一人でどこ行く気やっ!
ーーーーーーーーーー



宮侑
宮侑
よっしとりあえずトイレやっ!
タッタッタッタッタ



俺は偶々見かけた一人で外へ行こうとしているそいつにLIMEをして



急いでトイレへと向った













㌰㌰





(なまえ)
あなた
ん?
ーーLIMEーーーーーーーーーー

宮侑
宮侑
(なまえ:奈央)っ!お前今外居るやろっ!こんな時間に一人でどこ行く気やっ!
ーーーーーーーーーー
(なまえ)
あなた
え?なんで知ってるの..?
ーーLIMEーーーーーーーー


(なまえ)
あなた
何処って。どうせ寝れないし外の空気吸いに。ついでにコンビニ行こうかなって



-侑side-


ジャー




㌰㌰



-LIMEーーーーーーー
(なまえ)
あなた
寝れないし外の空気吸いに。ついでにコンビニ行こうかなって
ーーーーーーーーーー
宮侑
宮侑
はぁあ!?
宮侑
宮侑
あんっの馬鹿ゴリラっ!学習能力ないんかっ!?
-LIMEーーーーー

📞プルルルルッ
(なまえ)
あなた
📞もしもs。
宮侑
宮侑
📞こんな時間にアホか!少しは学習しろやっ!そっち行くから動くなよ!
(なまえ)
あなた
📞え…?ごめん。でもすぐ横のコンビニ..
宮侑
宮侑
📞ええからそこ動くなっ!あと通話絶対切るなよっ!ええな!?
(なまえ)
あなた
📞え…?なんd
宮侑
宮侑
📞何かあってからやと遅い言うとるんや!今日あった事もう忘れたんかっ?
(なまえ)
あなた
📞...っ
宮侑
宮侑
📞分かったらそっち着くまでこのままにしとき。そんな時間かからん
(なまえ)
あなた
📞...分かった。外の自販機のとこにいる
宮侑
宮侑
📞おん…




それから俺は、通話は繋げたまま外にいる(なまえ:奈央)の元へと急いで向った





宮侑
宮侑
(寝る前トイレ行っとかなくて良かったわ…)

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