-体育館-
リハーサル
ジャーンッ
タカタンッ
そう言って北さんがアランさん達の方へ向かおうとしたとき
体育館入り口でどちらが先に入るかというなんともしょうもない喧嘩をしている双子がいた
双子に見事に正論パンチをヒットさせ
そう言って北さんは今度こそアランさん達の元へと行った
そう言って俺たちにペンライトを手渡すと
最終確認のためか、藤崎は(なまえ:奈央)達のところへ戻っていった
最終確認も無事終わり、私達は控えの教室へと向かった
-見学組side-
リハーサルから一時間後。
ガヤガヤガヤガヤ
ガヤガヤガヤガヤ
-待機場所-
『はーい』
Empty…それは
-体育館-
『えっ待ってホンマに全員軍服やん!』
「カッコええな〜!」
『ドラムの子、かっこ良くない?』
ガヤガヤガヤガヤ
全員顔を見合わせて
-観客-
『うぉぉぉぉおお!』
「_______!」
『_____♪!』
-ステージ-
三人(あいつら、(なまえ:奈央)の事しかみとらんやん…(笑))
-観客席-
-ステージ-
ジャーンッ
一曲終わるごとに、弦楽器組が多少調整をしなければならないのと
美琴の飲水タイムの為少し間にMCを挟む
観客
『イェーーーイ!!』
「カッコいいぞーーー!」
-観客席-
-ステージ-
伶奈&美琴『”人見知り“宣言で逃げる気かBoy?』
-観客席-
-ステージ-
観客席
-ステージ-
-観客席-
-ステージ-
ジャーンッ
無事2曲目も終わり、5分MCタイムに入った
観客
『おぉーーーーー!』
観客
(笑い声)
(笑い声)
-ステージ-
タンタカタカタンッ!タンタカタカタンッ!タンタカタカタンッタンッ
-観客-
『やばい!これめっちゃ好きなやつや!』
「な!もうちょい前行こうや!」
『俺も俺も!!』
『ご、ごめん!』
「危ないからこっちにしよう!」
-ステージ-
あぁ凄いな。LIVEってこんなに楽しいのか
部活見学で感じたあの感覚は、間違いではなかった
“青春“なんてベタなこと、興味もないはずなんだけど
今間違いなく私は、”青春”している
-観客-
『わぁァァァァ!!』
「ひゅ~ーーーぅ!」
『サイコ~や!』
-ステージ-
3曲目も終わり、ついに次がラストの曲だ
観客
『えぇーーーよぉぉ!!』
その後美琴の合図によって合いの手の練習を3回ほどし
いざ最後の曲へ
事前に知らされていなかった流れに
私は驚くしかなかった
締めの言葉…。そんなもの考えてもいなかった
そっか。もう終わるんだ。楽しい事ってすぐ終わるなぁ
そんな事を考えながら、私は思いつくままに締めの言葉を話し始めた
会場
(笑い声)
『ええよーーー!』
「頑張れぇーー!」
観客
『わぁァァァァァ!』
「ひゅーーーーっ!」
-観客席-
-ステージ-
観客
『Wowー!』
観客
『Wowー!!』
観客
『Wowーーー!!!』
観客
『Wowーーーーー!!!!』
観客
『Break outーー!』
観客
『Break out!!』
観客
『Break outーーー!!』
そして、すべての曲の中で最高の盛り上がりをみせた最後の曲も終わり
私達のバンドの演奏も終わりを迎えた
Empty『ありがとうございました〜!』
観客
『ひゅーーーーっ!』
「凄かったなぁ!」
『これが普通のLIVEだったらアンコールお願いしてたわ〜(笑)』
「俺ドラムの子の言葉めっちゃ胸に刺さったわ〜。」
「あぁ〜最後のな!」
『次どこ行く〜?まだ時間ある?』
ガヤガヤガヤガヤ
ガヤガヤガヤガヤ
ガヤガヤガヤガヤ
スナが指した方をみると、何やら人集りができていた
スナにそう言われ、人集りができている所の中心をよくみると
確かに(なまえ:奈央)達が着ていた軍服らしきものがみえた
-(なまえ:奈央)side-
ガシッ
後で。と断ってその場をあとにしようとすると、男子生徒の一人に腕を掴まれてしまい
どうするべきか…と悩んでいると
そういうと北さんは体育館から出ていってしまった
先輩に、しかも主将である人にわざわざ教室まで足を運ばせても良いのだろうか…
(でも待っててって言われたしいいか…)
ギュ~
私に引っ付いている治を引き離そうと
侑が強く引っ張ってしまった為、倫の静止は虚しく
私はバランスを崩して治を押し倒すような形で倒れてしまった
チュッ
何かが、唇に触れた感触がした
事故とはいえ、あの治と
キスをしてしまった。
治ファンに対する罪悪感と、初めてのキスに対する羞恥心とで混乱していると
後ろからすごい勢いで腕を引き上げられ、強制的に治と引き離された
嫌だ。何だこの感じ。絶対嫌だ。
友達で十分なんだ。今の関係を崩すような
あの気持ちを持ってしまったら
あの二人のことも嫌いになってしまう。
私はこのまま普通に話して、普通にバカし合えるような毎日が良い
その為にはこの感情は
自覚してはいけない。したとしても忘れなければ
それから私は、二人を連れて体育館を後にし
着替えるために教室へ戻った
‐体育館‐
事故とはいえ、治とキスをしてしまったときの(なまえ:奈央)の顔を思い出し
本当はどうかは知らないけど
どこかでそうなのではないかと思っていたことを口に出した
(なまえ:奈央)、お前が作った俺らとの間にある自信作の壁は
こいつらにとっては何の意味もなかったらしいよ
だからさ
‐教室‐
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!