教室に入ると、すでに半数の生徒が登校していた
自分の席について特にすることもない為スマホを眺めていると
これは転校生あるあるだとは思う。
だが初日であった昨日これをやられなかったのは、恐らく開口一番隣の宮侑とボケツッコミのようなものをしてしまったからだろう。
ある意味、その場に"馴染んでいしまっていた"とでも言うのだろうか
あとあの後小テストあったし。
私の交友関係のモットーは"広く浅く"だ。俗に言う"仲の良い友人"は片手で数えられる程度居れば良い。
だから私はいつも良くも悪くも他人にとって
"良い人"を演じる
ガラガラ
キーンコーンカーンコーン
そう言った先生の言葉とともにチャイムが鳴り、HRが終わった。
はぁ朝一体育…。暑い。ダルいな
ガヤガヤガヤガヤ
何で皆そんな元気なんだろう
はぁ
シーン
なぜか好きな食べ物を答えただけでとても静かになった
え、何か変なこと言った?美味いじゃんいちご。え?
そんな話をしている内に体育館へ到着し、それぞれ更衣室へと向かった。
-侑side-
あぁ合同体育とかほんまダルいし勘弁してほしい
そう思っていたらふと『だる』と口に出てしまっていた。
けどそれは俺だけの声ではなくて、誰かと重なっていた。
そう思い声が聞こえた方をみると、(なまえ:奈央)と目があった。
この学校に転校してきたばっかのこいつが、いきなり受けたこともない体育に対して『だるい』と言う理由は、大体想像がついた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日暑いもんなぁ。そら朝一体育なんかだるいわ。
そう彼女に対して多少の同情をしていると
なんてことを言われた。
いや分かっとるわ。せやけどそんな呆れ顔で言わんくてもええやろ!
俺が悪いんちゃうし!雌豚共が悪いんやっ!
その後流れで一緒に体育館へ向かうことになり
先程の事をスナたちに話しているとき、後ろで話してる会話がスッと耳に入ってきた
ー男子更衣室ー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!