第23話

第18章 百合
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2020/05/20 13:50
桜夜side
『やらせて下さいよー!』
「駄目だって!まだ病み上がりなんだから!」
今朝熱を測ると6度代まで熱が下がっていたから、仕事をさせろと頼む(○○)。

病み上がりだから今日は大事を取って休めと説得する土方。
それを眺めながら刀の手入れをしていたが、いい加減煩い。
(○○)の休んだ分仕事したい気持ちも、

どうせまた無理するから休ませたい土方の気持ちも分かるが、今回は土方に賛成なので、
「なぁ、気晴らしに甘味処でも行かないか?」
提案する餌で釣る

すると光の速さで手のひらを返し、
『土方さん、やっぱり今日は休みます!ほら桜夜、早く行くよ!』
見事に作戦成功。
土方に視線を送り、(○○)を追いかけた。

甘味処で団子を買い、歩きながら食べていると、万事屋の面子に出会った。
「よう、久しぶりだな。」
「お久しぶりです、お二人共。今日は休みですか?」

「まぁ、そんな所だ。」
「立ち話も何だし、家くるか?」
『あ、じゃあ行くー!』
そうして万事屋に寄ることにした。
着いてちょっと話していると、白夜叉が

「そういや(○○)、お前ニコチンと付き合ってんだって?」
と切り出した。(○○)は顔を赤らめて
『な、何で知ってんの!?てかニコチンやめて!』
と慌てた。やっぱこう言うの楽しいわ。
「俺が言った。日頃の仕返しだ。」

『桜夜さん!?』
なんて遠回しに認めてちゃうから、
「どんな感じアルか!?」
「デートとか行ったんですか!?」
と質問攻めと言う名の恋話が始まった。

その後も長い間万事屋にいたが、夕方なのでそろそろ帰ることにした。
帰ると沖田に呼び止められ、部屋に向かう。
「実はちと物騒な話が出てきたんで、2人にも伝えておこうかと思いやしてね。」

『物騒な話って何?』
「なんでも最近、珍しい天人を捕まえようとしている輩がいるらしいんでさぁ。」
横目で(○○)が僅かに震えたのが見えたが、見ていないフリをする。

「それで、俺達も気をつけろ……と?」
「そう言う事でさぁ。とりあえず2人は暫く休みが増えるそうなんで、仕事の日は忙しくなりやすぜぃ。」
『……なるほど。』

その後、ずっと浮かれない顔を隠してしていたのは、誰も気づいていない……


フリをしてくれていた。




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