第10話

第7章 桜姫
301
2020/05/06 23:37
まぁ、私はさっき神楽ちゃんが言った通り、[夜の桜姫]なの。
でも、あんまり言われたくないんだ。
え?どうしてって?
……実は私、人間じゃないの。

"桜花族"って聞いたことあるかな?
私達"桜花族"は、二重人格ー簡単に言うと、もう1人の自分がいるの。
そのもう1人の自分と入れ替わるスイッチみたいなものがあってね

それを私達は言葉で選ぶの。
それで、私が選んだのが[夜の桜姫]なの。
特定の人以外に言われると、もう1人の方が出て来ちゃうかもしれないから。

だから、あんまり呼ばないで欲しいんだ。
「でも(○○)、戦っていなけりゃ平気なんだろ?」
『うん。まぁ、そうなんだけどね。後、私訳あって真選組にお世話になっているからさ。』

と言うと3人とも慌てたように
「え!?大丈夫かよ!」
「ニコチンとチンチワに染まってないアルか!?」
「辛かったら、相談に乗りますからね!(○○)さん!」

え、何この変わり様。もしかして、嫌われているの?
とりあえず3人を落ち着かさせて、上手くやって行けていると話すと、安心した様でその後、お昼近くまで私は万事屋にいた。

お昼を屯所で食べて、自室で刀の手入れをしていると、沖田さんに呼ばれた。
着いていくと、そこは道場。
なんでも手合わせをしたいみたい。
じゃあ、ちょっと楽しみますか!

      十数分後
私はあれから隊士を5人抜きし、今は沖田さんと対戦中。
『……そこっ!』
「っ!あぶねェな!」
こんな感じで中々決めれない、仕方ない、ちょっと反則かもしれないけど……

私は沖田さんと少し距離を取ると、
『桜奥義 舞桜(ボソ』
「はぁ!?」
沖田さんが驚くのも無理は無い。
だって私の動きはさっきとはまるで別。

そして、距離を一気に詰めると……!
カタン と乾いた音を立てて、沖田さんの手から離れた竹刀が床を滑った。
『勝負あったみたいですね。』
ニヤリと私が笑うと、いつからいたのだろう

近藤さんと土方さんがこちらに近づいて来た。
2人とも隊士の人達と褒めてくれて、そこは嬉しかった、だが……

近藤さんの思いつきと、それに何故か他の隊士(沖田さんと土方さんも)の賛同によって、私は真選組に入隊することになってしまった。

……いや、私[夜の桜姫]なんですけど!?

プリ小説オーディオドラマ