久々の非番に万事屋へ行こうとした私は、土方さんと沖田さんに呼び止められた。
『2人ともどうしたんですか?』
「いや、俺達も万事屋に用があってな。」
「それで、(○○)も行くみたいだし、一緒に行くことにしたんでさぁ。」
『なるほど、分かりました。じゃあ3人で行きましょう。』
そうして私達3人は万事屋に行くことにした。
だが……
「おいお前いい加減にしろよ!」
「ウルセー!大体お前らが持ってくる話も碌な話じゃねーんだよ!」
この様子で玄関前で喧嘩すること早十分。
土方さんでは無いがいい加減にして欲しい。
このままではラチが開かないと思った私は、
『おい、さっさと開けろ白夜叉。俺も暇じゃねーんだよ。』
と一言。すると
「はいすみませんでしたー!……って」
勢い良く開いた玄関の向こうで土下座をしていた銀時は顔を上げると
「このペテン師が!」
『いやペテン師って何?』
そんなこんなで上がらせてもらう事が出来た。
どうやら土方さん達は銀時に桂の情報を聞き出そうとしたらしい。
が、あまり期待していないそうなので、先に私が雑談する。
土方さん達も混ざりながら雑談していると、神楽ちゃんが急に
「そう言えば、銀ちゃんが言っていたもう1人の(○○)ってどんな人アルかー?」
とか急に聞くものだから、
『ふぁい?!』
と変な声を出してしまう。
どうしよう、話したいのは山々まんだけど……
「出せばいいじゃねーか。俺もいる訳だし。」
若干不安に思いながらも私は
『どうなっても知らないからね?』
そう言いながら鞘から刀身をほんの少し出すと、指を軽く切って血を出す。
それから刀を鞘ごと床に置くと、突然桜の花びらが舞う。
それが終わると、そこには……
「えー!(○○)さんが2人!?」
瓜二つの顔が並んでビックリした新八くんが大声を出した。
すると
「久しぶりだなー、サヨ君。」
『銀時、ちゃんと名前で呼んで上げて。殺気やばいから。』
「……どうなってんだ?これ?」
土方さんが困惑している様な声をだすと、
『すみません。実は私"桜花族"なんです。』
「そんで、俺はこいつの裏だ。名前は桜夜。咲くじゃなくて桜に夜な。」
それだけ言うと察してくれたようで、
「じゃあ、俺と初めて手当てした時の変は動きは……」
『はい、桜奥義……私達"桜花族"の特別な力です。愛用している武器を使う戦闘において、身体能力を上げることが出来ます。』
それから土方さん達に隠し事をしていた事を謝ると、時に気にしていないようだけど、帰ったら近藤さんにも話す事になりました。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!