長尾side
高2の時。
友達の流星くんの付き添いでなにわ男子のライブに行っ
た。
流星くんはなにふぁむ?で西畑...やっけ?その人が1番好
きらしい。
長「西畑なんやっけ?」
流「西畑大吾や。大ちゃん以外の人もかっこええから謙
杜も絶対ファンになるで」
長「ふーん、、」
正直俺はジャニーズに興味がなかった。
元々流星くんも興味なかったんやけど、スマホでたまた
まなにわ男子を見て好きになったらしい。
しばらくするとなにわ男子が出てきた。
流星くんも他のファンの人も盛り上がっていて、俺は流
星くんから借りたペンラとうちわを持っていた。
時間はすぐに過ぎていき、終盤に差し掛かった。
なにわ男子、めっちゃかっこええやん。
それぞれ個性を持っていて、歌もダンスも上手い。
流星くんの言ってたこと当たってるわ。
俺が気になったのは道枝駿佑という背の高い人やった。
笑った時の顔めっちゃかわええ...
ずっと道枝くんのことを見ていたら一瞬、目が合った気
がした。
そして...投げキッスされた。
そんときはほんまに雷に打たれた感じしたわ。
ライブ後。
流「終わってもうた.....まだ帰りたない泣」
長「俺も帰りたないわ泣」
流「あれ、謙杜もしかしてなにわ男子好きになった?」
長「え、まぁ...その...」
流「えー!誰が1番かっこよかった!?」
長「みんなかっこよかったんやけど、道枝くんが...」
流「あーみっちーな!人気よな〜。これから推してこう
な!」
長「うん!」
俺は道枝くんのことをもっと知りたいと思った。
それから3年。
俺も20歳になり、なにわ男子の沼にどっぷりはまってい
た。
今は流星くんと東京に旅行に来ていてホテルに居る。
流「俺先風呂入るな〜」
長「うん、俺はちょっと散歩してくる!」
夜の東京って綺麗やなぁ。
サラリーマンの人とか学生とかたくさん居る。
オシャレな店もめっちゃあるし最高や〜!
俺は店の方ばかり見ていて、前から来た人とぶつかって
しまった。
長「わっ!!ごめんなさい!」
謝るため顔を上げた。
この人めっちゃ背高いな。
?「あ、君...」
長「へ?」
?「あの時一目惚れしました!付き合ってください!」
長「えぇぇぇ!!??」
あの時?あの時ってなんや...なんかしたっけ...
?「ちょっと場所変えてもいいですか?」
長「は、はい」
場所を変えるとなって向かった先は、マンションだっ
た。
?「俺の家なんですけど大丈夫ですか?」
長「いや、さすがに出会ってすぐの人の家には上がれま
せんよ...」
?「マンションの前なら今の時間帯人もあんまり通って
ないからそこで...」
マンションの近くにあるベンチに座って背の高い男性は
話し始めた。
?「俺、道枝駿佑っていいます。」
長「み、道枝!?」
そういってマスクと深く被っていた帽子を外した。
.....てことは俺推しと会話してるってこと!?
長「あああの!俺みっちーのこと大好きで!!長尾謙杜
って言います!ファンです!!」
道「ありがとう。」
長「あの、それでさっき言ってたことは...」
道「そうやった!長尾くん、3年前くらいになにわ男子
のライブ来たやろ?」
長「はい、その時は友達の付き添いって感じやったんだ
けど、、あの時のライブに行ってなにわ男子のこと
好きになりました!」
道「俺な、歌ってる時に長尾くんのこと見かけて可愛え
えなって思った。ファンサしたら顔真っ赤にしてて
焦ってた所も可愛ええって。」
え、認知されてたん俺?
道「なにふぁむの子はみんな可愛ええって思うけど、長
尾くんはなんていうか...他の子と違う可愛さがあっ
たんよね。」
なんか可愛ええってめっちゃ言ってくれるんやけど。
これ夢なんかな?
道「たぶん、あの一瞬で俺は長尾くんに一目惚れしまし
た。」
推しに一目惚れされることなんてあるんか?
いやありえへん。妄想やこれは!
道「3年間ずっと忘れられへんくて、ライブに来てくれ
るとめっちゃ嬉しいしもっと知りたいと思った。」
みっちーは俺の手に自分の手を重ねて、
道「俺と、付き合ってください」
そう言った。
長「ままままって!みっちーはみんなのアイドルやか
ら、、付き合うとかそういうのはあかん...」
道「.....じゃあ友達は?」
長「友達も!」
言いかけた時、みっちーが上目遣いでこちらを見てき
た。しかも少しうるうるしてる。
道「なにもせえへんから、おねがい...」
長「.......友達なら、、」
言ってもうた.....。
道「ありがとう!!じゃあ連絡先交換しよ!」
長「え、待っ...」
みっちーは俺のスマホに自分の連絡先を入れた。
道「長尾くん、スマホロックしてないんや。危ない
で。」
長「...今日からロックする」
意外と強引やな...みっちーって。
道「まだ話してたいんやけど、夜も遅いし帰ろか。」
長「じゃあ俺はこれで.....」
道「1人で大丈夫?」
長「大丈夫です!」
道「なんかあったらいつでも連絡してな!!」
長「はい!!」
幻覚やんな?さすがに。
さすがに信じられなくてスマホを開く。
そこにはしっかり道枝駿佑の文字があった。
長「.......嘘やぁぁ!!」
その後は全力疾走でホテルに戻り流星くんに全部話し
た。
流星くんも発狂して、その後みっちーから大吾くんのを
貰おうとメールしようとしていた。
さすがに止めたけど...w
その日の夜は中々眠りにつくことが出来なかった。
ちなみにスマホのロックはパスワードをみっちーの誕生
日にしてかけた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。