第62話

60話
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2021/06/05 14:41
貴「ブェックシュ!!」
ラ「!?…豪快だな…」
今、あなたはラクサスと会場内を巡回している。特に理由は無いが、ラクサスがついてきた。
貴「アハハ…誰かに噂されてるのかな?」クスッ
ガジルもあなたについて行こうとしたのだ、ミラとカナに止まられ渋々承諾した。
ラ「剣咬の虎の奴に随分気に入られてるじゃねぇか」
貴「あー…執拗いファン?」
すぐに、ラクサスがスティングのことを言っていると分かったあなた。
ラ「まぁ、何かしでかしたら兄ちゃんが許さねぇけどな」
貴「怖いよ…」
笑ってはいるが、目が笑っていないためかなり怖い。こんな風に、兄と会話出来ていることがあなたは嬉しくてたまらない。
貴「!…大鷲の尻尾?」
しばらく歩いていると、大鷲の尻尾の魔道士達が向こうから歩いているのが視界に入った。
ラ「…」
貴「お兄ちゃん?」
あなたをグイッと引っ張りコートの中に避難させるラクサス。あなたはそのまま兄に従いコートに匿われながら歩いている。
貴「…!?」
ルーシィと戦っていた赤髪の女性の体にはアザが沢山できていた。転んだにしては量がおかしい。
貴「…あの」
ラクサスのコートの中から抜け出し女性魔道士に近づくあなた。
?「!?」
貴「大丈夫ですか?どこかに、ぶつけたんですか?」
心配そうに彼女に聞いているあなた。彼女も驚いたのか少し動揺している。
?「アンタには関係ないでしょ…」
貴「…でも」
あなたが続けて何か話そうとすると、甲冑を着ている魔道士の手が目の前に現れた。
ラ「…何しやがんだ」
貴「!?」
間一髪の所、ラクサスが間に入り事なきを得たが…もし、ラクサスが間に入っていなかったらあなたの頭は消し飛んでいた。
貴「っ…」
?「…行くぞ」
甲冑の男は何も言わずに大鷲の尻尾を引き連れてそのまま何処かに行ってしまった。
貴「お兄ちゃん、ありがとう」
ラ「なんで、あんなことしたんだ」
あなたのことだ、きっと彼女の事が心配になったんだなと感じるラクサス。
貴「だって…あの人のアザの付き方おかしかったもん…」
ラ「怒ってる訳じゃねぇよ…次からはちゃんと計画してから絡むんだな」
あなたを小脇に抱え、そのまま妖精の尻尾のBチームの元に向かうラクサス。
貴「はーい」

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