第59話

58話
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2021/06/01 11:26
大魔闘演武2日目。最初の競技は"戦車"沢山連結された戦車から落ちないようにゴールを目指すという競技だ。
貴「…なんで、ナツさんとガジルさんが出てるんですか…」
競技名であらかた予想は出来たと思うのだが…妖精の尻尾Aチームからはナツ。妖精の尻尾Bチームからはガジルが出場している。
ミ「あらあら、大丈夫かしら」
貴「ガジルさんのキラキラは見たくないな〜」
滅竜魔道士は乗り物に弱いことは知っていたが、まさかスティングまでもがああなるとは思ってもいなかった。
ラ「…」
貴「!お兄ちゃんも乗り物する?」
第2世代の滅竜魔道士であるラクサスに聞いてみるあなた。
ラ「他の奴らには黙っとけよ」
貴「うーん、もうバレてると思うよ?」
ラクサスも乗り物はするようだ。こんど、無理やりにでも何かに乗せてやろう。
貴「ガジルさーん!ナツさーん!頑張ってー!あと、スティング君もちょっとなら頑張っていいよー!」
ラ「なんだそれ…」













































***
































初日は0ポイントだった妖精の尻尾だが、ナツ、ガジル達の頑張りにより着実にポイントを稼いでいる。
貴「えーっと…次は…伏魔殿?」
何の競技かは分からないが、そろそろあなたも出場したい。
貴「行ってもいいですか!」
ミ「えぇ、もちろんよ」
あなたは嬉しそうに下に降りていった。ガジルとラクサスは心配なのか、少しソワソワとしている。
カ「過保護だねー」
ガ「?!うるせぇ!」
妖精の尻尾Bチームからはあなた。Aチームからはエルザが出場するようだ。
貴「エルザさーん!」
エ「あなた!あまり、無理はするなよ」
他の魔道士ギルド達も集まり伏魔殿の説明を受けている。簡単に言ってしまえば、数取りゲームのようなものだ。
貴「!…アハハ、運ないですね8番目です」
エ「!1番か…」
エルザは挑戦する中での1番だ。効率的に倒すなら5〜6体ほどだろう。
エ「挑戦権は100だ、100体私が相手になろう」
貴「…えぇ?!?!」














































***



























貴「エルザさぁぁぁん!!!」
なんと、本当に宣言通りに100体全てのモンスターを倒したエルザ。これには観客もわかずにはいられない。
エ「思ったより時間がかかってしまった。すまない」
エルザの伏魔殿完全制圧により妖精の尻尾に10ポイントが加算された。
貴「…残った私たちは何やるのかな?」
ヒ「麗しいお姫様、今晩暇かな?」
あなたの隣に青い天馬のヒビキがやってきた。はたから見たらホストにしか見えない。
貴「あ、忙しいデーす」
伏魔殿の変わりに用意されたものは、魔力測定定義、略してMPF。より高い数値を出した者の勝ちだ。
人魚の踵、四つ首の猟犬、青い天馬と続々と魔道士達が数値を出している。
貴「そ、そんな時もありますよ!!」
95という数値を出してしまったヒビキを励ましているあなた。すると、落雷が落ちたかのような激しい轟音が鳴り響いた。
貴「3825!?!」
なんと、人魚の踵が出した数値の10倍の数値を剣咬の虎の魔道士のオルガがたたき出したのだ。
貴「…お兄ちゃんならもっといくかな?」
ヒ「あなたさんの、お兄さん?」
きっと、ラクサスならば5000くらいは簡単に出すな〜と考えているあなた。
貴「…!?は、8544?!」
なんと、剣咬の虎の数値の軽々と追い抜いている。蛇姫の鱗にはマカロフと同じ聖十の称号を持つだけはある。
貴「…ウゥ…頑張ります!!」
あなたの順番になり、ド緊張しながらMPFの前に立つあなた。
ス「あなたさーん!頑張ってー」
貴「アハハ、頑張るねー」
あなたもここでいい結果を出さなければ。妖精の尻尾のために少しでも力にならなければいけない。
貴「…あの、少し離れて頂けませんか?」
あなた以外の出場達に自分から少し離れてくれとお願いするあなた。
ガ「!…やる気だな」
深い息を吸い、魔力を極限までに高めるために空中にある魔力を取り込んでいる。
貴「…フゥゥゥ…妖精よ、我が道となり、光を灯せ」
あなたがこの3ヶ月でどうしてもマスターしたかった魔法があった。ナツとガジルのように滅竜奥義をマスターしたかったのだ。
貴「!滅竜奥義、水流光弾檄!!」
凄まじいあなたの魔力がMPFを襲う。地面はえぐれ、砂塵が舞い散る。
司『な、なんていう魔力でしょう!…?!?な、なんと判定は9999!!!MPFが破損してしまっています!!』
あなたの魔力により、MPFが破損し、カンストしてしまっている。
貴「!やった!1位だ!」
1位になり、嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねているあなた。まさか、こんな小さな少女がMPFを破損させるなんて誰が予想するか…
ナ「あなたすげぇ!!!」
ス「!?…マジかよ…」
あなたはルンルンで妖精の尻尾の元に帰っている。
ガ「やるじゃねぇか」
貴「エヘヘ、上手く出来ましたよ!」
あなたが帰ってくるとガジルはポンポンと優しく頭を撫でた。
ラ「どこで覚えたんだ?滅竜奥義なんて…」
貴「ガジルさんと秘密の特訓したんだよ!!」
キラキラと目を輝かせながら兄に話すあなた。しかし、ラクサスの表情は段々と曇っていく。
ラ「秘密の特訓?…3ヶ月顔見せなかったのはそういう事か…」
ラクサスには3ヶ月間、ガジルといたなんて離していなかったので、そこに食いつかれた。
貴「あ、いや…特訓だよ?!特訓!」
ガ「あなたの飯うまかったな」ニヤニヤ
ラクサスを挑発するかのようにニヤニヤとしているガジル。
ラ「あなたのことを知った口でいいやがって…」
また、ガジルとラクサスがあなたの事でいがみ合っている。
貴「ハァ…」
ツッコムのも面倒になったあなたは、そのままほっておくことにした。

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