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第11話

KEYTALK 八木優樹





「あなたちゃん久しぶり」





サークルの飲み会はもう二次会へ向かおうとしてて
次はどこ行こうか〜なんて呑気に話している
スマホで近くの店を調べようと開けると
某メッセージアプリの通知、
と、久しぶりに見た彼の名前
なんで、今更
忘れる為に頑張って努力したんだ
苦手だったお酒も飲めるようになったし
メイクだって服だって髪だって大人っぽくした
でもどうやっても貴方を忘れられなくて
テレビに出てたら目で追っちゃうし
バンドの曲だって聴いちゃうの。




「あなた〜早く行こ」



友達に呼ばれても聞こえなかった
今、この瞬間
全部鮮明に焼き付いちゃったから
ごめんねもう変われないや



『 ごめん、私用事出来た。』

「え〜?聞いてないんですけど〜」



ほんとごめんね
そう言って駆け出す午前一時
今度こそ貴方に気に入ってもらえるかな
ほんとはずっとずっと待ってた
また、会えないかなって。
それを証明するみたいに私のポケットの中には赤マル1箱
貴方に近付きたくて、貴方の匂いを纏いたくて
嫌いな煙草を吸うようになった
ほんとに大好きで仕方なかったんだ
ねぇ、優樹
もう1回ぐらい好きになってよ



いつもの駅
いつもの改札
いつものベンチ

全部が思い出で
これから繰り広げられるであろうストーリーには
もう全然似合わなかった




「あなたちゃん」

『優樹』

「全然変わってないね」



変わったよ。君も私も何もかも
服の系統
髪の長さ、色
全部私の好きな頃の優樹じゃなくて
どこか、寂しかった



「あ、でも俺は変わったよ」

「iQOSにした!(笑)」



ずっと私に向けて欲しかった笑顔
やっとだね。



『そう、なんだ』


iQOSやめてよ
匂い、違うじゃん
私の好きで嫌いな赤マルは?
嫌いすぎて吸った赤マルは?
どうしていつも貴方は
私を苦しめてばかりで
こんなにも息苦しい


「、、もう一回、やり直したい」

「あなたちゃんが良い」



ほんと、いつもいつも
こんな雰囲気断れない
いや、どんな雰囲気でも
貴方のお願いは断れないんだろうな
絶対裏切られるって分かってる
また変わっちゃうこともわかってるよ
でもさ、今は、今だけは
期待、してもいいかな?



『私も、優樹くんが良い』



そう言って
自分のほんとの気持ちと
赤マルをポケットの中で握り潰した