レイside
俺がある少女の存在を知ったのは、
まだ、俺が幼かった頃…
その日、俺はママの犬になった
“スパイ”だ
全てがママのいいなり
俺は、あいつらを救いたかったんだ
ママに見つからないように色々な物を準備し、隠した
そんな時、アイツに会ったんだ
初め、幻覚が見えてるんだと思った
ハウスにはこんなヤツいなかったし、
第一、妖精のように綺麗だったからだ
肌は雪のように白くて、
髪は少し黄色みがかっていて、サラサラだった
目は、まるで宝石のように太陽の光を反射して光っていた
全体的に色素が薄い少女だった
でも、そいつは俺の前から走っていって
すぐに見失った
今思えば、ほんの数秒間しかあっていないと思うが、
俺はとても長く感じた
それから毎日、ハウスの敷地内を探したが、
あの少女は見つからなかった
毎日毎日、あの時の事を思い出す
思い出すたびに、なぜか顔が熱くなる
…この気持ちはなんなんだ?
誰か、教えてくれ
答えを、教えてくれ
next
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!