第2話

1話 はじまり
15
2019/07/03 09:38
 暗くて冷たい…。どこか温まる場所は…

あの日の私がなかったら今の私はないでしょうに、












「あぁ、やっぱり言いつけに従っていればよかったかな…」

なんて後悔している。


私の名前は桐ヶ谷あなた(ぎりがや)。












この世界の「革命思考」の養成訓練施設に入れられてもう四年が経った。今はまだ9歳の私は、幼い頭ながらこの施設に飽き飽きしていた。



訓練だの実力だのまだ子供な私達に押し付けてくる大人たち。

「他の子達は遊んでるのに…」なんて思いながら、


この施設には40人近くの子供が訓練している。中でも私は比較的良かったのであろう。


言われたことができないものには大人から夕食を半分減らされて訓練の内容も厳しくされていた。







そんな環境が嫌だったのか、
私たちは全員で施設から抜け出した。



静かに気づかれないように。


だけど、


施設管理者
施設管理者
おい!なにをしている!捕まえろ!
逃げた時にはほとんどの仲間が捕まっていた。


私を含めて3人で逃げた。

1人は、活発でみんなの中心のような男の子。逃げようと提案してきたのも彼であった。







もう1人は、内気で眼鏡をかけた男の子。女の子だとはじめてあったとき思ってしまった。



今思えばあの2人が一番仲よかっただろう。




どれくらい走っただろう。施設の人に追いかけられ必死に逃げた私達。



雨の中行くあてもなくただひたすらに





でも子供な私達になにができるだろう…




でも、逃げ切ればなにか方法があると考えた瞬間。





蓮
うぁ!!や、やめろ!離せ
元気で中心的な性格の蓮。


組織の人達に捕まってしまった。私ともう一人の眼鏡の子江上律(えがみりつ)は組織の人達に歯向かっても
施設管理者
施設管理者
おい。こいつらも連れて行け
私たちも連れていかれそうになる。その時…



蓮
っ!(管理者の手に噛み付く)
今のうちに逃げろ!お前達だけは!いつか必ずまた会えるから…
蓮が私達を逃がすために管理者の手を噛んだ。


とっさに私と律は走って見慣れないところまで来た。


もう追ってはきてないようだ。

見るとそこは聞いていたギルドばかりが並んでいた。


私と律はあてもなくただ木陰に雨宿りをするしかなかった。



冷たくてくらい…


そんな場所から救ってくれたのは「エージェント」のトップギルドの一つ「帝」のマスター帝セイジだった。






彼が私達二人を帝に招いて6年…











月日は流れ養成訓練高等学校に入学する歳になっていた。

プリ小説オーディオドラマ