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俺は急いで先生を呼んだ
医師『髙橋さん、分かりますか?』
海人は天井を見たまま、何も発さなかった
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しばらくして、顔を医師の方に向け、そう尋ねた。
医師『なんで病院にいるか分かりますか?』
医師『事故にあったんです、』
医師『…こちらの方は分かりますか?』
俺の事を確認する海人、しばらく俺を見つめて、口を開いた
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俺は海人の手を握り、目を見た。
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海人は痛そうな体を起こして、酸素マスク取り、俺に抱き着いた
泣きながら、弱い力で抱き締める海人は、今にも消えてしまいそうだった
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海人をゆっくりベッドに倒し、酸素マスクをつけた
海人は俺の名前を呼び、目を閉じた
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医師『このまま目を覚まさなくなっても、おかしくないと思います。…相当体が弱ってますし、』
医師『…、難しいかと、…』
俺は深く頭を下げた。
医師『…、髙橋さんの服、めくってみて下さい、』
俺は言われた通り、海人の服をめくった
すると、そこには何ヶ所か痣があった
医師『髙橋さんには、以前数カ所殴られたと思われる跡があります。』
医師『…精神的にも、もう限界だと思います、』
医師『はい、ですのでずっと、そばに居てあげてください、』
そういい、医師は病室から出てった
聞きなれた機械の音が俺の脳を刺激した
俺、頼りなかった?
なんでこんなに苦しくなるまで、我慢するん、
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もう何度目か分からない涙を流した
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そう言い、俺は他のメンバーを病室の外に出し、再び海人の所へ戻った
to be continued
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!