第10話

十話
3,039
2021/07/30 02:10
廉
かいっ、…、


.
海 人
海 人
…、









俺は急いで先生を呼んだ












医師『髙橋さん、分かりますか?』















海 人
海 人
…。










海人は天井を見たまま、何も発さなかった










廉
…、


.
海 人
海 人
だれ、…ですか、…?










しばらくして、顔を医師の方に向け、そう尋ねた。









医師『なんで病院にいるか分かりますか?』











海 人
海 人
…、病院、?…なんで、…










医師『事故にあったんです、』












海 人
海 人
…事故、…、?









医師『…こちらの方は分かりますか?』









俺の事を確認する海人、しばらく俺を見つめて、口を開いた











海 人
海 人
分かります


.
海 人
海 人
…、でも、名前が思い出せません、











俺は海人の手を握り、目を見た。














廉
…廉やで、


.
海 人
海 人
…俺の、夢の中で…


.
海 人
海 人
ずっと、助けてくれてたんです、










海人は痛そうな体を起こして、酸素マスク取り、俺に抱き着いた
















海 人
海 人
…っ、ありがと、ございましたっ、グスッ、








泣きながら、弱い力で抱き締める海人は、今にも消えてしまいそうだった











廉
…海人、…


.
海 人
海 人
っ、グスッ、…、


.
廉
ん、もう大丈夫やからな、


.
海 人
海 人
廉、…さん、グスッ、…、


.
廉
廉でええよ、


.
海 人
海 人
…廉っ、…グスッ、


.
廉
俺がずっと、傍に居るから、


.
海 人
海 人
…っ、ケホッ、…


.
廉
これつけよ、?









海人をゆっくりベッドに倒し、酸素マスクをつけた











海 人
海 人
…、れ、…ん、…










海人は俺の名前を呼び、目を閉じた













廉
…海人、…


.
廉
先生っ、海人は、…













医師『このまま目を覚まさなくなっても、おかしくないと思います。…相当体が弱ってますし、』












廉
海人を治すことは、










医師『…、難しいかと、…』











廉
海人を、助けてください、…、











俺は深く頭を下げた。









医師『…、髙橋さんの服、めくってみて下さい、』











廉
…、










俺は言われた通り、海人の服をめくった









すると、そこには何ヶ所か痣があった












廉
っ、…










医師『髙橋さんには、以前数カ所殴られたと思われる跡があります。』









医師『…精神的にも、もう限界だと思います、』

















廉
そう、…ですか、…








医師『はい、ですのでずっと、そばに居てあげてください、』









そういい、医師は病室から出てった









聞きなれた機械の音が俺の脳を刺激した











廉
海人、何で言わんかったん、









俺、頼りなかった?









なんでこんなに苦しくなるまで、我慢するん、














廉
なぁ、…目覚まして、


.
廉
もう一回俺の名前呼んで、


.
廉
好きって、愛してるって言ってや、…






もう何度目か分からない涙を流した









奏 叶
奏 叶
…、廉くん、


.
廉
…、


.
奏 叶
奏 叶
あの、ごめんなs


.
廉
ごめんで済むことじゃないやろ、


.
廉
海人に近づくな、…


.
奏 叶
奏 叶
…、謝りたくて、


.
廉
今更遅い、お前のせいで海人は…


.
紫 耀
紫 耀
廉っ、…ごめん、…


.
廉
…来んな。


.
勇 太
勇 太
俺たちは本気で、


.
廉
海人をこんなに傷つけて、許すわけないやろ、


.
優 太
優 太
廉、ほんとにごめん、…


.
廉
海人と会わせたくない。


















そう言い、俺は他のメンバーを病室の外に出し、再び海人の所へ戻った


























to be continued


プリ小説オーディオドラマ