今回のお話は、
くっっっっそ長いです。
それをご踏まえて読んでください。
ちゃんと文書読まないとわからないかも……
それとテオくん兄弟たくさんいる設定です。
そしてふたりとも子供です。
最後の方、じんたん目線テオくん目線ごっちゃになるかも…
頑張ってわかりやすくする!
じんたんの一人称は俺じゃなくてじんです。
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今日、
俺が初めて溺れた。
生まれて初めての経験だ。
俺のおばあちゃんには自慢がある。
その自慢ってのが、
おばあちゃんひとりの力で魚屋をやって俺の兄弟全員を育ててひとりは大学まで行かせたってことだ。
ずんずんずんずん海の底へ沈んでいく。
でも俺は、
おばあちゃんの次の自慢にならなきゃいけない。
こんなとこで死んだら意味が無い。
海の底を歩く。
海の底は青くて深くて綺麗だ。
だけど大嫌い。
ホンソメワケベラもルリスズメも大嫌いだ。
ずんずんずんずん歩く。
海の上からはなんだかあったかい色をした光が降りてきている。
綺麗だ。
あの上には神様でも仏様でもいるんだなぁと思う。
だけど見えたのは神様でも仏様でもなかった。
ただの泳いでいるおばあちゃんたちだった。
遠くから見たら水着がゆらゆら揺れていてふとった金魚みたいだ。
これもまた綺麗だった。
海の泡たちはなんだかクラゲに見えてきて、
俺よりも先に岸にあがっていく。
海の色がだんだん紺色からあたたかい瑠璃色に変化していく。
これを見ると
「ああ、岸が近いな」って感じる。
岸に上がってみるとなんてことだ。
お母さんも妹も砂遊びをしていた。
俺が生死をさ迷っていたのに世界は何も変わってない。
ええと、
神様はどこだ?
今日はじんたんと山登り。
俺が山を登ると同時に、
頭の中の小人も階段を上る。
そのことをじんたんに言ったら、
と言った。
そんな会話をした後、
喉が渇いたから水を飲んだ。
じんたんに隠れてチョコをこっそり食べた。
そう言ってポカポカと優しく叩かれた。
そしてまた登る。
暗い山が明るくなる。
冷たい風があったかくなる。
それでも山の匂いは変わらない。
すると向こうに誰かいた。
よく見てみると小豆洗いがいたので石を投げてやった。
そしたらそいつ逃げてったんだよ。
そしたらじんたんは、
と言ってまたポカポカ叩いてきた。
そしてついにてっぺんについた。
ふたりでバンザイをした。
じんたんを見ると、
じんたんはずっとあっちこっちを見ていた。
そして
と言った。
誰?なんて聞けないからそのまま流してお弁当を食べた。
そのお弁当に入っていたパプリカを地面に投げたらまたじんたんはポカポカ叩いてきた。
今日俺はなぜかみんなに責められた。
それが腹立たしい。
だからいつか復讐をするために練習をする。
まずはお湯を沸かして………
アリの巣にたらす!!!!
次は虫を殺す。
ちょうちょにしよう。
ノートにノリを塗って、
捕まえたちょうちょの羽を貼り付ける。
乾いたら剥がす。
すると綺麗なりんぷんノートの出来上がり!!
.
そして耳に当てる……
ぢーぢーぢぢぢぢーぢー!!!
次はトンボ。
トンボの頭をもぎ取って万華鏡に入れる。
次ははんみょうを捕まえて………
.
首を横に振った。
そしたらじんたんは俺の手を握った。
笑ながらそう言った。
ほんとにわからない。
なんで今俺がここにいるのか。
なんで俺は今黒い服を着ているのか。
なんで俺はわからないのか。
そしたらじんたんはなんかいつもより一回り小さくなっているように見えた。
言われた通りにいつもより少し小さい手を握った。
小さいはずだけどいつものじんたんだって思った。
あの時のことを思い出した。
余計に悲しくなった気がした。
ほんとに思考回路が回らなくて表現もおかしくなった。
またじんたんを困らせた気がした。
そしたらじんたんは『ここで待ってる』と言った。
それで俺はお父さんとの最後のお別れをしてきて、
たくさんの人たちの前であいさつをした。
世界中にある100海。
その海を歩いている子供たちはそれはそれで結構大丈夫なんだと思う。
またどこからかじんたんがやってきた。
外に出てみると風が吹いて髪をなびかせた。
涼しくて気持ちいい。
悲しそうな声で聞いてきたから、
不安になった。
いつか消えてしまうんじゃないかって。
じんたんは振り返らずに続けた。
.
" 忘れないでね、"
" 好きだと必ず帰ってこられるの "
誰かがそう言った。
そんな昔の話。
じんたんがまた一回り小さくなっていた。
そう言ったら最後じんたんはあっという間に小さくなって増えた。
なんだかアニメのキャラクターみたいで可愛い。
そして歩く。
そしたらじんたんは増えていた。
そしてひとりひとりにチョコをあげた。
頬張る姿が小さな子供みたいだった。
実際そうなんだけど。
意外とわがままなじんたんだった。
そしてたくさんのじんたんと遊んだ。
気付くとじんたんはいつものサイズになってひとりになっていた。
そう言ったらじんたんは顔を赤く染めて笑った。
じんたんはひとりで寂しかったのと、
お腹が空いてたのと、
大好きが欲しかっただけらしい。
" でもね、いつまでもテオくんのそばにいられないの "
" 外でもっと友達を見つけて、"
" はやくゆっくり大人になってね "
また誰かが言った。
今日もまた喧嘩をした。
なんであんなことしちゃったんだろうって後悔してる。
友達なのにって。
下を向いて歩いてたらこんな酷い顔を見られなくて済むし、
影と競走して歩くからはやく家に着く。
じんたんがいないっっ!!!!
探すとじんたんは夕日に照らさてた海にいた。
そして空を見ていた。
横顔が悲しげに見えたのはきっと気のせい。
少し怒った様子で言ってしまった。
俺の悪いとこ。
それでも優しく言ってくれるじんたん。
夕日が眩しい。
そんな悲しい声で言わないで。
なんて言えたら。
そしてじんたんは背を向けた。
なんて返したらいいのかわからない。
じんたんが背を向ける時は、
感情と表情がわからない。
ただただ切ない絵に見えた。
帰りの坂道。
じんたんがこっちを見てるのがなんとなくわかった。
俺はある日、
手紙を書いた。
過去の自分にあげるんだ。
それで今までにあった災難を回避する。
石を投げてきた友達。
いくら友達だからってこれは許せない。
次に木の棒で殴ってきた友達。
こいつもやりすぎだ。
それとあのじじい…
あいつにチョップされたんだ。
めっちゃ痛かった。
それと俺の大好きなプラモ。
壊された。
それでも謝んないから絶交した。
そして最後。
クラスの女の子。
どうやら俺のことが好きらしい。
どうする?
手紙はじんたんに渡した。
純粋に気になった。
結婚してるのかな?とか。
どんな仕事に就いてるのかな?とか。
そう言って消えた。
テオくんは、
いつも朝8時きっかりに家を出るよね。
ほんとに偉いと思う。
遅刻しないし休まないしびっくりしちゃった。
あのね、
海の向こうで何百年も生きたシャラの木に花が咲いたよ。
ふもとの海にはイワシの子供。
岸にはクラゲ。
テオくんの後ろ姿が好き。
教えてあげなきゃね。
ほら、男子って好きじゃない。
夏が来たよ。
俺は餅を口いっぱい詰め込んだ。
じんたんはしんみりと言った。
この雰囲気に慣れてなくて、
俺は約束のことを言った。
じんだってわかってるよ。
そのくらい知ってる。
男子って急に走るのが速くなる。
あっという間にどこかに消えちゃうって。
ある日じんたんとこたつで昼寝をした。
寝る時、
必ず変な記憶が蘇る。
ほんとにどうでもいいような、
出来事と景色。
指を指した先には女の人にだっこされた小さな赤ちゃん。
きっと俺だ。
.
" 走った、笑った、怒った、転んだ、泣いた "
じんたんはそのまま続けた。
.
消えそうなくらい小さな声でじんたんは言った。
ぱくっ
今まで一番おいしいと感じたかもしれない。
それほどおいしかった。
そう言って俺の大好きな笑顔で笑った。
" じんは、テオくんの最後の恋人だったの "
" じんたち、とても短い恋をしたの "
じんは、テオくんの最後の恋人だったの。
ただ、
あまりにも短い恋だったから。
ざざーん
波の音が聞こえる。
潮の匂いがする。
あの日から時々だけど、
じんたんが今こっちを見てるなって思ったり、
通り過ぎたかな?って思うことがある。
18歳の時、大学で初めて隣になった女子がいた。
その子に初めて恋をした。
それからついにじんたんが見えなくなった。
" さよなら "
" じんたち、とても短い恋をしたの "
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
はい、みなさんお気付きでしょう。
これは『いけちゃんとぼく』という映画化された絵本兼、マンガをモチーフにしました。
ほんとにこの本はいい話で泣きました。
解説のほういきますね。
テオくんとじんたんは歳をとった時に恋をしてしまった。
でもテオくんはすぐに死んでしまう。
だからじんたんは子供?テオくんと同じ歳になって現れる。
そしてふたりで共に過ごす。
でもじんたんじゃない他の人に恋をしたらじんたんは安心してテオくんの元から消えれる。
途中の待ち合わせのお話は、
あそこでテオくんとずっと先に待ち合わせをしていたということになります。
はい、意味がわからないという人は聞いてください。
そして語彙力ないですね。
じんたん目線テオくん目線ごっちゃでごめんなさい!!!
"" はじんたんです。
他にもテオくんと呼んでるところはじんたんです。
シャラの気の所もじんたんです。
あと!恋人だったのみたいな文書は全てじんたんです!
他は多分テオくんです。
あと消してるお話や表現少し?変えてます。
もうさ、短編集じゃなくなってる……(スィスェん)
わいは絵本兼マンガのほうを読みました。
みなさん!ほんとにいいお話なのでぜひ映画等を見てください!!!
それとスカイピース!!
結成のやつおめでとうございます!!!!
これからも応援してます!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。