君は、
____年の時を超えて、
俺に会いに来た。
3000歳生きた君は、
神通力を自在に操って俺に花をくれるんだ。
なんて名前かは知らない。
いや、わからない。
ただ、
この世のものとは思えないほど綺麗で見とれて仕舞う。
何もかも完璧な筈の君、
だけどみんなとは無いものがあるんだ。
前までは四つあった。
今は何も無い。
昔の君には苦労したよ。
何でも見通すんだから。
まるで千里眼の様だった。
" 北斗七星 "
ある時は北斗七星の化身なんて言ってたよね。
北の方で星を見ていた時、
そんなことを言っていた。
星を見た時は黒色だった髪の毛は、
左が銀、右が金になって帰ってきた時もあった。
金は陽を、
銀は陰を、
それを出会わせてくれたのは俺だって、言ってた。
確かにそうかもしれないね。
金は日を、
銀は月を、
それのバランスが保たれてるのは俺のおかげだって、言ってた。
もしかしたら、
それの象徴が君なのかもしれない。
九つ。
何故かあったんだ。
前までは無かったのに。
そこで知ったんだ、
君は " 妖怪 " なんだって。
俺は幸福を呼べない、
いつしかお前を傷付けてしまう、
そう告げた君。
そして苔だらけの石碑に消えて行った。
最後に交わした言葉は『愛してる』だった。
白は幸福を呼び、
玄は北斗七星の化身、
金銀は光と闇の象徴、
天は千里眼を持ち、
空は神通力を持つ大神であり、
九は妖怪であった。
君と一緒に居れた時間は宝物より大切なんだ。
あの時くれた花よりも、
何よりも、
どんな事よりも。
北斗七星を見たあの夜、
半分になって驚いた夕方、
忘れられるわけがない。
例え____年の時が経っても。
君と一緒に居れた時間は宝物より大切なんだ。
君は充分俺に幸福を呼んでくれた。
君と出会わせてくれた、
君の名前を呼べた、
君の隣にそっと居られた、
君と同じ時を過ごせた。
君は妖怪でもない、
北斗七星の化身でも日や月を象徴するものでもない。
君は紛れも無く白だ。
最後に交わした言葉は『愛してる』だった。
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これは解説書きますね。
これはお狐さん達をモチーフにしました。
それも神様的存在の狐。
多分、
九のところであれ?と思った人もいるでしょう。
白というのは白狐と言う、
人々に幸福を呼ぶ善の狐。
玄というのは玄狐と言う、
北の方に住む北斗七星の化身。
金銀というのは金狐銀狐と言う、
陽や陰、日や月を象徴する善狐の一種。
天というのは天狐と言う、
野狐が1000年生き、神通力を得た千里眼を持つ善狐。
空というのは空狐と言う、
齢3000歳を超える神通力を自在に操つる大神。天狐がもっと生き、尻尾が無くなった姿。
九というのは九尾の狐と言う、
尾が九つに分かれた妖怪の一種。
これを当てはめながら読むのもいいでしょう。(黙れ)
最後に妖怪と言って石碑に消えましたよね、
あれは妖怪たからお前を傷付けてしまうのではなく、
元の次元に戻らなければいけないという意味です。
それをちゃんと理解した上で最後の言葉は『愛してた』と過去形ではなく、
『愛してる』にしたのです。
どうして白狐なのかと言うと、
書いてある通り平凡な日常だけど君と居られたことが幸福だった、
そういう意味だったのです。
吹き出しなかったから分からなかったでしょ。←わかるわ
ごめんね、世界観がほんとおかしくなった。
他の長編も頑張って書きたいです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!