無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第31話

夏まっさかりな季節は嫉妬日和
重い足どりのなか
佐々木くんのあとに続いて
教室に入ると、

亜莉朱ちゃんが席を立って
ホッとしたような表情をしながら
こっちまでかけ寄ってくる。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
恵里香ちゃんっ!!
あ、宏ちゃんもありがとね
佐々木宏太
佐々木宏太
あったっりめぇよ

もしかしたら亜莉朱ちゃん……

私を心配して、
様子を見てきてもらうように
佐々木くんに頼んでくれたのかな。


2人の優しさに胸がじいんとなる。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
ノートも取っといたから
後で写しなね
返すのは、明日とかで大丈夫よ
山本恵里香
山本恵里香
ありがとう、亜莉朱ちゃんっ

佐々木くんはもちろんだけど
亜莉朱ちゃんまで親切にしてくれて、
また泣きそうになってくる。

太田亜莉朱
太田亜莉朱
……ていうか、
なんか2人ともあったの??

渡辺くんは
めずらしく女子と話してるし

亜莉朱ちゃんの視線の先をみれば
数人の女のコたちと
楽しそうに笑っている俊の姿。


ダ、ダメだ……。
見たらよけいに辛くなるだけ。


気にしない、気にしない。
でも……。


勇気をふりしぼって、震える唇を動かす。

山本恵里香
山本恵里香
ねぇ、しゅ……
渡辺俊
渡辺俊
あ、僕。
先生に用事あったんだった。
ちょっと職員室行ってくる。

だけど、正面に立った私を
あからさまに避けるようにして、
俊は教室から出て行ってしまった。


……そうだね。


“結構、傷つくんだけど”


本当にそのとおりだ。
苦しくて辛いね。


ごめん、俊……。
ずっと避けたりして。
本当はあやまって、
もう一度ちゃんと話がしたい。
誤解を解きたい。


……だけど、


どのタイミングで話しかけたらいいのか。
また無視されるのかって思ったら。


怖くて話しかけられない……。


そんなことを色々考えているうちに、
放課後の時刻になってしまった。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
そういえば、
今日って委員会あったんだっけ
最悪だぁ……
山本恵里香
山本恵里香
わ、私もだ!!

スケジュール帳を確認すると、
図書員の集まりが入っている。

太田亜莉朱
太田亜莉朱
おたがい大変だけど
気合いで頑張ろうね!!

じゃあ、また明日、
バイバイ〜
山本恵里香
山本恵里香
うんっ、ばいばい

とびっきりな笑顔で手をふってくれる
亜莉朱ちゃんに
私もにっこり笑って手をふり返す。

山本恵里香
山本恵里香
(私も急いで図書室に行かなきゃ。
とりあえず教科書を入れて……)

机に出していた筆記用具を
ポーチの中にしまおうと
手を伸ばした時。

山本恵里香
山本恵里香
(あっ)

消しゴムが床に
ころころと転がりおちた。


あわてて拾おうとしゃがみこめば、
私が拾う前に、誰かの手が横から伸びる。