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第34話

夏まっさかりな季節は嫉妬日和
黒瀬歩
黒瀬歩
俺だったら、そんな顔させない。
だから俺のとこ来ない?
山本恵里香
山本恵里香
くろ、せ……くん

いつの間にか、
黒瀬くんの腕の中にいて、
身動きが取れなくなっていた。

黒瀬歩
黒瀬歩
“俺のとこ来ない?”

そんなこと言われても、
私には俊が……。


どうすればいいか
反応に困って固まっていると、
ふいにドアの開く音がした。

渡辺俊
渡辺俊
へぇ。2人って、
やっぱりそういう関係だったんだ。

そして聞き覚えのある声が耳に届いて、
私はバッと顔を上げた。

山本恵里香
山本恵里香
しゅ、俊っ!?
ちがっ……これはっ!!

目が合うのは、冷たい目をした俊で。

私は黒瀬くんの胸板を押して、
あわてて距離をとる。

山本恵里香
山本恵里香
(どうして、このタイミングで……)

私が気まずく目を伏せていると、
黒瀬くんが俊のほうに顔を向ける。

黒瀬歩
黒瀬歩
あぁ、俺は恵里香ちゃんが好きだよ
渡辺俊
渡辺俊
ふーん……
勝手にすれば。

真剣な顔つきの黒瀬くんに、
俊は他人ごとのように
めんどくさそうな反応をする。

待ってよ……俊。
これには事情があるの。

渡辺俊
渡辺俊
優しい黒瀬くんと
つき合っちゃえばいいじゃん。
お幸せに。

冷たくいい捨てたあと、
俊は背を向けて廊下に出て行く。

山本恵里香
山本恵里香
……俊っ!!

叫んで呼び止めるけど、俊はふり返らない。

山本恵里香
山本恵里香
(待って、行かないで……。
お願い、信じてよ……。

私は俊しか好きじゃない。
私にとっての王子様は俊だけなの)

そう言いたいのに、
体に力が入らず
足がぴくりとも動かなかった。