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第29話

夏まっさかりな季節は嫉妬日和
思わず、自分の膝を見てうつむいてしまう。
分かりやすかったかな……。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
別に2人の間には首つっこまないけど
相談くらいは乗るよ??
困ってるコをほっとけないしね
山本恵里香
山本恵里香
亜莉朱ちゃん……

優しくて、その気持ちに胸が苦しくなる。

でも言えない……。
嫉妬なんて。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
何があったの??
ゆっくりでいいから……話して??
山本恵里香
山本恵里香
……っ

亜莉朱ちゃんの優しさに、
涙がポロポロとこぼれ落ちていく。

そんな私に、亜莉朱ちゃんは
落ちつかせるように背中をさすってくれる。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
よしよし、大丈夫だよ
山本恵里香
山本恵里香
ありがとう……。
ごめんね……っ、落ち着いた

あれから5分くらい泣き続けたのかな。
もうすっかり涙もとまった。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
いいの、いいの
泣いた方が気持ちも
スッキリできるでしょ
山本恵里香
山本恵里香
うん……っ

本当にいい人に出会えたな……。

だから私も。
言わなきゃ、本当のこと。

山本恵里香
山本恵里香
あのね……
太田亜莉朱
太田亜莉朱
うん
山本恵里香
山本恵里香
俊がプールで女のコに囲まれてて、
ワザとつまずいて触れる子がいたの……
太田亜莉朱
太田亜莉朱
うん!!

思いきって話すと、
亜莉朱ちゃんがムッと眉をよせていく。

あ、れ……。
もしかして怒ってくれてる??

山本恵里香
山本恵里香
そのことが複雑で……
嫉妬、しちゃったんだ……
へへ……

ハァ……なさけないな自分。
きっと、独占欲強いなんて思われちゃったかな……。

そう心配していると、
亜莉朱ちゃんがベンチから腰をあげる。

太田亜莉朱
太田亜莉朱
バッカじゃないの!?
渡辺くんめぇ~……超腹立つ!!

そしてボクシングを始めた亜莉朱ちゃん。

太田亜莉朱
太田亜莉朱
当たり前だよ!!
そんな風になるのっ
山本恵里香
山本恵里香
そう、なのかな……
太田亜莉朱
太田亜莉朱
ダメじゃん!!
彼女いるのにさぁ!!
山本恵里香
山本恵里香
うん……ありがとう

予想外の反応で、少しだけモヤモヤが
楽になったような気がした。


*


中庭から教室に戻ってきて、
重い足どりで机に座った今。

もちろん。
後ろからは、ものすごい視線を感じる……。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
ねぇねぇ!!
もうすぐ夏祭りだね~夏だぁ!
山本恵里香
山本恵里香
え、あ、そうだねっ

もしかして、亜莉朱ちゃん。
気を使ってくれてるのかな……。

渡辺俊
渡辺俊
ちょっと話したいんだけど。
山本恵里香
山本恵里香
……な、なに……

いつの間にか横に立った俊に声をかけられる。
その表情は、笑顔もなく目の奥が少し怖い。

渡辺俊
渡辺俊
ちょっと借りるね。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
え、あ、うん……


俊に腕をそのまま引っ張られて教室を出ると、
連れて来られたのは、誰も使ってない空き教室。

使われてないから、ホコリがすごい。