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第25話

お姫さまだっこ

ふり向くと、そこに立っていたのは
佐々木くんで。

手元には、焼きそばパン2つを抱えていた。
山本恵里香
山本恵里香
早いねっ
もうパン買ったんだ
佐々木宏太
佐々木宏太
うん、けっこー早めに来たからね
すんなり買えたよ

あ、そうだ
もし食べれるんだったら、1個いる?
山本恵里香
山本恵里香
えっ!!いいよ、悪いよっ

パンをさし出す佐々木くんに、
あわてて首をふる。


せっかく佐々木くんがならんで、
ゲットしたパンなのに。

後から来た私が、もらうなんてことできない。
パンくらい、自分でならばなきゃね。

佐々木宏太
佐々木宏太
そっ?じゃあー、
代わりにこっちあげる

そう手に渡されたのは、
紙パックのカルピスだった。

買ったばかりなのか、
まだ冷たくて気持ちいい。
佐々木宏太
佐々木宏太
あ、飲める?
山本恵里香
山本恵里香
うん、好きだけど……
佐々木宏太
佐々木宏太
んなら良かった

じゃあ、大変だと思うけど
ならぶのガンバれよ!!
山本恵里香
山本恵里香
あ、ありがとう!!

やっぱり良い人だ、佐々木くんは。
話してたら、だんだん元気が出た。

山本恵里香
山本恵里香
えっと、メロンパンと
サンドイッチと
チョココロネください
おばちゃん
おばちゃん
はーい、540円ね
 
ようやく買える順番が来て、お金を出す。

あんまり種類は選べなかったけど、
とりあえず俊の分も買えたしよかった。


*


急いで教室に戻ると、
俊は自分の席で読書をしていた。
山本恵里香
山本恵里香
俊、サンドイッチ食べてね

私が呼んでも、ちっとも見てくれないけど、
買ってきたサンドイッチを机に置いた。

そのあと、私も自分の席に座って、
残りのパンとカルピスを広げていると
太田亜莉朱
太田亜莉朱
わぁーカルピス美味しそう!!
山本恵里香
山本恵里香
あ、これっ??

亜莉朱ちゃんが指をさしたのは、
さっき佐々木くんにもらったカルピス。

でも、もらったものだし……
あげようか迷っていると。

佐々木宏太
佐々木宏太
お前のはこーっち
太田亜莉朱
太田亜莉朱
え、野菜ジュース……

タイミング良く現れた佐々木くんに
思わず、私はポカンとする。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
なによ!!私、野菜って……。
佐々木宏太
佐々木宏太
悪かったなぁ、野菜ジュースで
それしかなかったんだよ

もしかして……このカルピス。
本当は亜莉朱ちゃんにあげるのだったんじゃ……。

それなのに、私がもらっちゃって
良かった……のかな??


なんだか罪悪感を感じながら、
パンの袋を開けていると
渡辺俊
渡辺俊
……ん。

ふと机に小銭が置かれて、
視線を上げると俊だった。

山本恵里香
山本恵里香
えっ、そんなっ、
お金はいいよ??

勝手に私が買ってきただけだし。
渡辺俊
渡辺俊
やだ、男がおごられるなんて。
山本恵里香
山本恵里香
そ、そうなの??
じゃあ、もらう……。
って!!

さっきまでケンカ中だったのに、
何気ない会話できてるしっ。

渡辺俊
渡辺俊
飲みたい。

カルピスを飲んでいる私に、
俊が指さす。

山本恵里香
山本恵里香
はいっ
渡辺俊
渡辺俊
ん。

と、あげたものの、これって!!
か、間接キス……。

今さら気づいてほっぺたが熱くなる。
渡辺俊
渡辺俊
おいしい。
山本恵里香
山本恵里香
あ、本当??良かった

まぁでも喜んでもらえたし、いっか。
俊もとくに気づいてなさそうだ。