壊れた人形
それは何もかも感じなくなったあなたにピッタリかもね
でも
俺、気づいちゃったんだ
及川「あなた〜」
『何ー?徹くん』
目だけはニッコリ笑っていないこの人
及川「なぁ、誰だよ。お前」
『何言ってんの?意味不ー』
及川「あなたはね、そんな笑い方しないんだよ」
『えぇー、私の笑い方にイチャモンつけるの?辞めてくんない?』
及川「ねぇ、本気で言ってんの。本物のあなたはどこ?君の頭の中かな?」
『…なんでわかったんだ?きしょすぎる』
及川「君はあなたなの?それとも違う人?」
『んぁー、違う人では無い。あなたっちゃーあなただけど、人格が違うだけ。あれ、そしたら違う人なのか?』
及川「…いつからお前なの」
『お前の浮気もどきを見てからだな』
及川「そしたら、一昨日?」
『そうなるね』
及川「…お前はいつからいるの?」
『小さい頃から一緒にいたよ。でも、外には出させてくれなかったなーアイツ、結構頑固だよな』
及川「…あなたは今…」
『アイツなら1人暗闇にいるよ』
及川「あなたを出して」
『私もあなたw』
及川「本物の」
『私は偽物じゃないですけど?』
及川「初めからいたあなた!」
『それは無理だな』
及川「なんでっ」
『アイツが出たがらない』
及川「…なんで?」
『お前が怖いんだろ』
及川「ッ!」
『なぁ、お前がやらかしたこと、どんだけコイツを不安にさせたか、わかる?わかった?』
及川「…痛いほどわかった。」
『はぁ…時間だ。じゃー、俺帰るわ』
及川「お、俺?!」
『んぁ?あれ、言ってなかったっけ。まぁーいいや』
あなたと思われるコイツは、目を閉じた
及川「ねぇ、待って、どういうこと?!ねぇ!」
目を開けたコイツは、死んだ目ではなく
及川「あなた…?」
『徹くん…』
及川「あなたっ!」
『ねぇ、今のどうだった?』
及川「え?」
『え、信じてたの?多重人格ってこと』
及川「え、え、え?」
『私さ、夢を追いかけるためにしばらく宮城離れます!だから、私の事応援しててね!』
及川「え、待って、大学は?」
『大学?あー、やめたよ?合格取り消し!』
及川「え?!ちょ、え?!なんで?!一緒に大学いこうよ!」
『えぇー、まぁーすぐに会えるよ』
そういい、あなたは俺達の前から消えた
6年後
俺達4人はバンドを始め、世界で活躍をする有名バンドになった
俺は大学で続けてたバレーでバンドをやりながら
世界と戦うバレー選手にもなった
花巻「なぁなぁ、明日のシフトでさ」
松川「ん?」
花巻「俺らの番組やるじゃん」
岩泉「それがどうしたんだ?」
花巻「マネージャーから聞いたんだけど、新しいメンバー追加されるらしいよ」
松川「マジ?女?男?」
花巻「それはわかんねぇーけど、でも俺らの知ってる人って言ってた」
あなただったらいいのにな…
及川「へぇー。誰なんだろうね」
岩泉「牛若とか来たらウケるわw」
松川「烏野の2番くんとかありえない?w」
花巻「来そうw」
及川「飛雄が来たら俺発狂しながら岩ちゃんの後ろ隠れる」
岩泉「やめろ、きしょい」
及川「幼なじみに対して酷いなぁ!!!」
あなた、元気ですか
俺は元気だよ
この番組、見てるかな?
成長したでしょー?
ねぇ、早く俺達に顔を見せて
俺に顔を見せて?
どこにいるかも分からない君へ
俺は愛のメッセージを伝えるよ
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はい!ここからは本誌とは全く異なります!
病み期終わるの早ww
ここからはバンドパロです!
それではByeBye
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。