今日はお疲れ様でした。
片付けが終わって、
2人でお茶を飲んでいた。
今日はすっごくすっごく、
楽しかったぁー!
それはそれは、良かったです!
結構お酒飲んでたな笑
えぇ…まぁ、嫌いじゃないので…
って、あの、こういう事ですか?
なにが?笑
ここで民宿やりたいって。
おう!そやな!
ここへ来たら、笑顔になれる。
そんな場所にしたいねん。
辛いこととか、悲しいことってあるやろ?
少しでもそれを忘れて、楽しんでもらえる、そんな場所にしたいねん。
すごい理想…
なんやと!笑
いや、でも、そんな風に夢語れるの、
羨ましいです。
あなたにもあったやろ?
いや…あったかな…
思い出せんか…
えっ!?なにそれ!!
私なんか言ってたんですか?
自分で思い出しなさい。
うわっ!
ほんと、いじわる…
なんとでも。
照史お兄ちゃんの記憶、
私の頭の中にズボって入らないかな…
なんやねんそれ笑
こわいわぁ。
あー!!モヤモヤする!
ほら、もう遅いから寝るで。
明日の朝お見送りせんとだし。
あっ!あなたはゆっくり寝ててええで。
いや、私もお見送りする!
おやすみなさい、イジワル兄ちゃん!
イジワル兄ちゃん!?
ええなぁ、それ笑
はぁ!!
ムカつく!!
思い出せない事も、
教えてくれない事も、
腹立つー!!
シャワーを浴びて部屋に戻った。
けど、
まだムカムカするし、モヤモヤする…
カバンからシーグラスを取り出す!
おーい!蓮くん!
夢に出てきて教えてよ!
昔、ここであったこと!
教えてよぉー!!!
どうかどうかどうか、
蓮くんが夢に出てきてくれますように…
そんな思いを込めて、
シーグラスを枕の下に入れ、寝た。
すると…
『おーい!あなたちゃーん、起きてー!』
誰かの声がする…
私を呼んでいる?
そっと目を開けてみると…
あなたちゃん、起きた?
はっ!えっ!?
なになに??
呼んだでしょ?笑
へっ!?なにこれ夢??
そうだよ。
そっか…って、嘘でしょ!?
ここ私の部屋だよ!
あぁ…私完全に酔っぱらってる…
あっ、そうだ!
照史兄ちゃんも呼ぼ!!
照史兄ちゃーん!!
えっ!?照史お兄ちゃん!?
なんや?入るで?
そう言って部屋へ入ってきた。
えっ!?なにこれ??
どゆ状況?
あの、これ、夢みたいです…
夢!?
そう!また3人で会えたね。
そ、そうやけど…
リアルやな…
俺、酔っぱらってんかな…
ほんまに夢か?
いや、僕、幽霊かも!
キャー!!!!
キャー!は失礼やろ。笑
ごめんなさい…
で、どないしたん?
いや、あなたちゃんが、
赤いシーグラス見ながら、
夢の中でも3人で会いたいって。
そやったん?
えっ?言ったっけ??
あっ、言ったな…言ってました…
願い事、叶ったんやな。
いや、まだあるよ。
えっ?
ほら、もうひとつあったでしょ?
もうひとつ?
思い出して!
あっ!
あるんかい!
昔のこと、教えてって…
そう!!
あの、本当お願いします。
誰かさんのせいで、
イライラして眠れなくて。
いや、寝てたよね笑
これ、夢よね?
誰かさんて…
イジワル兄ちゃんは、
教えてくれなくって。
やっぱ俺ね…
俺しかおらんか。
教えてあげればいいのに。
本当ですよね!
もったいぶっちゃって。
わかった!僕が教えてあげるよ。
本当ですか!!
僕もあなたちゃんに、
照史兄ちゃんの全部を知ってほしいから。
全部??
いや、それはやめて笑
だから、こうするね!
目を開けると、朝だった。
変な夢だったなぁ…
とりあえず、顔を洗い行こ。
って…
えっ!?!?
ここどこ??
待って待って待って!!!
ふと、窓に目を向けると…
うぎゃぁぁぁぁぁ!!!
おい!大丈夫か!?
うわっ!!!
私!!!
そっちは俺やな…
………
とりあえずな、落ち着いてな。
もうすぐ、お客さん見送る時間やねん。
それが終わったらゆっくり話そ。
無理…どうしよ…
ほら、とりあえず着替えてな。
ここに着替え置いとくで。
俺も着替えなきゃあかんから、
終わったら俺の部屋来てな。
俺の部屋って…
あっ、あなたの部屋やった!
そう言って、すぐに行ってしまった。
どうしよ…
あっ、待てよ…
もしかしたら、これも夢かもしれない!
ほっぺを力一杯引っ張る。
いったぁぁぁ!!!
夢じゃない!!!!
とりあえず、落ち着こ。
落ち着いて…
落ち着いて…
落ち着いて…
着替えよう…
うわっ…
この人パンツ一枚で寝てんの!?
ありえない!
もうやだ…
無理…
無理無理…
するとドアの向こうから、
あなた!まだか?
急いで!あと5分やで。
えっ!?嘘でしょ?
早くしないと、俺着替えてしまうで。
えぇっ!?ちょっと待って!
すぐ行きます!すぐ行くんで!
ズボンとシャツを着て私の部屋へ。
何着ればえ?
ちょっと待っててくださいね!
あっ、これがいい!
ワンピース!
とりあえず、上向いて目を閉じて。
わかった。
上のシャツを脱がして、
すっぽりワンピースをかぶせた。
そして、ズボンを脱いでもらう。
はい!着替え完了!
照史くーん!
いますかー。
うっわ、もう来てしもた。
はーい!!
今行きますー!
ちょっと!それ私のセリフでしょ!?
そやった!!
ほら、とりあえず行こか!
あっ!待って!
私、すっぴんだし、
髪の毛ぐちゃぐちゃ…
んー!!
大丈夫や。行くで。
もうやだ…
私が、私の手を取り、玄関へと向かう。
なんなの、この感じ。
お待たせしましたー!
あっ、どうもお世話になりました…
もしかして、やっぱり、照史君の彼女さんですか?
えっ!?
一緒にお見送り来てくれるなんて。
あっ、そういう関係じゃなくて、親戚なんです!小さい頃から遊びに来てて。ねっ!
そやっ…そういや、そうですね。
照史お兄ちゃんにはよく遊んでもらってて…
そんな、変な関係じゃないというか…
あはは笑 そうなんですね。
ほら、顔もよう見れば似てるでしょ?
似てる!?それはちょっと…ねぇ…
ほら、一緒にいすぎて関西弁うつっているで。
ほ、ほんとうだ!気をつけなきゃ。
えへっ。
そして、2人で駐車場まで行って、
お客さんを見送った。
どうにかせんとな…
ほんと…どうにかしないと…
とりあえず、話し合いしましょ!
あの、その前にやな…
なんですか?
おしっこ漏れそ…
うえっ!?!?
どしよ…
ちょっと待って、ちょっと待って!
あかん…漏れる…
いやぁぁぁぁぁ!!!
そんなわけで、
入れ替わり生活が始まる。
これからいったい、
どうなっちゃうんだぁー!!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!