第6話

弱いところ
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2021/05/24 10:43
黒尾side



夜久と部活に向かってる途中、後ろからものすごい勢いで走ってくる奴がいた




















猛虎「黒尾さあああああああああん!
夜久さあああああああああん!」

黒尾「なになにそんなに急いで」

夜久「暑苦しい」


山本はゼェゼェ息をして言った



猛虎「俺、目撃しちまいました!



















研磨が我らが音駒の可愛いマネージャーにアップルパイ食べさせてもらってたんすよ!!!」



















黒尾「…は?」

夜久「珍しい事もあるもんだなー、な?黒尾」














夜久、こいつ…
わざと言ってんだろ



















______去年の秋




アイツが転校して来たことを研磨から聞いて驚いた。














珍しく研磨が必死にアイツをバレー部のマネージャーに誘うもんだから俺も“研磨が必死だから”と、誘ってみた。














よくよく考えてみれば研磨ってアイツが引っ越す前、アイツのこと好きって言ってた。









小学生の恋愛感情なんてって思ってたからすっかり忘れてた。


もしかして研磨、まだアイツのこと好きなのか?



















アイツがバレー部に入ってからというもの、研磨は変わった気がした

バレーに夢中になったとか、バレーを本気でやるとかそーゆー感じじゃなくて




滅多に人に懐かない研磨がアイツに懐いてるから、変わったように感じた。



















元々アイツは人当たりが良くて誰からも好かれるタイプだ

研磨が懐くのも当然のこと




















久しぶりの再会だってのに全然よそよそしくないのに少し安心した俺がいた。



















3年が引退して俺が主将に選ばれた。

嬉しい気持ちの反面














責任感とプレッシャーに押しつぶされそうで怖かった。









練習中は顔に出さなかったけど、部活が終わってみんな帰った後の部室に残って

1人で考え込むことが増えた。



















黒尾「…クソっ

あなた「クロ。」

黒尾「あなた…」















ある日みんな帰ったはずの中、あなたが部室に戻ってきた。














黒尾「帰ったんじゃなかったのー?」

俺はできるだけ平然を装った

あなた「クロ、いつも1人で残ってる」

黒尾「え、」

あなた「悩んでるんでしょ?主将」






コイツにはバレてた

絶対誰にもバレない自信があったのに









黒尾「まぁ〜…そんなとこ」

あなた「やっぱり」


そう言ってコイツは俺に微笑みかけた


あなた「クロさ何か隠し事しようとしてるとき、首触る癖あるんだよ?」


知ってた?と言いながらクスクス笑ってる


あなた「クロがバレー部を引っ張って行く立場だけど、クロだけで支えなくていいんだよ
海さんだって夜久さんだっている、もちろん私や研磨、とらくんも
チームメイトなんだから頼る時は頼って!」



















この一言に救われた気がした



















こいつら全員を束ねて














全国行くって言う大きな目標を持ってた














その目標を1人で抱え込んでたらダメだって気付かされた





















黒尾「だよな、ありがと。楽になりましたわ」

あなた「よかった! さ!帰ろ!」



















この時からだったかな



















あなたの事をずっと目で追いかけてしまうようになったのは









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多少編集した箇所がありましたので改めて投稿させて頂きます🙌

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