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第1話

0.1%の可能性Byリオン
681
2019/08/14 08:43
俺の名はリオン。
氷の魔道士だ。
最近の俺は運がいい。だって、想いを寄せる彼女と一緒に仕事ができるのだ。二人きりではないがな。ギルドが違うのだからそれは難しいだろう。まあ、何はともあれ俺達は一緒に仕事をする。そして今はその打ち合わせ中だ。
グレイ
グレイ
じゃあ、明日の朝出発ってことでいいか?
リオン
リオン
ああ、問題ない。
ジュビア
ジュビア
ふふっ
楽しみですね♪
シェリア
シェリア
えー?
何が?海賊退治なのに?
ジュビア
ジュビア
あら、なんでですか?
グレイ様とお仕事行けるんですよ?
楽しみに決まってるじゃないですか。
シェリア
シェリア
ふーん
ほんとに愛されてるよね。グレイ。
グレイ
グレイ
…………
はぁ……
ジュビアはグレイ一筋だからな。
俺の入る隙間もないくらいに。
それにしてもグレイの奴は、少しはジュビアに優しくしたらどうなんだ。
どんなに冷たくされても、ジュビアは諦めない。なんて強いんだろう。
グレイには本当にもったいない。
情けない弟弟子だ。と呆れてしまう。
リオン
リオン
何日かかるんだ?
グレイ
グレイ
えーと……
3週間くらいだと思うけど。まあ、なんとも言えねえ感じだな。
今回の依頼は海賊退治だ。街の港を度々襲っているらしいが、都合よくすぐ現れるとは限らない。
長引けばいい。と思ってしまう自分がいる。
そうしたら、ジュビアの近くに長くいられる。
もしかしたら、俺にもチャンスがあるかもしれない。
リオン
リオン
じゃあ、俺達はそろそろ帰る。
シェリア
シェリア
じゃあ、また明日ね。
ジュビア
ジュビア
はい。お気を付けて。
グレイ
グレイ
じゃあな。











帰り道
空を見上げてつぶやく。
リオン
リオン
俺、ジュビアが本当に好きだ。
たとえ0.1%しか可能性がなくても俺は諦めない。
シェリア
シェリア
リオン……
あのさ、
リオン
リオン
どうした?シェリア?
シェリア
シェリア
ううん。なんでもない。
無理しないでね。
リオン
リオン
ああ、ありがとう。
シェリア
シェリア
(私は、リオンが大好きなんて。諦めて欲しいなんて、言えるわけない。)
俺は絶対諦めない。
0.1%でも可能性があるならそれに飛び込む。
ジュビアのことで頭がいっぱいだった俺は
この時シェリアの様子が少しおかしい事に全く気づかなかった。
シェリア
シェリア
…………
〈続く〉

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