《グレイ&シェリア》
〜グレイside〜
今俺は、シェリアと二人で海賊を捜索している。
…………しかし、全く進んでいなかった。
シェリアのやる気が全くないのだ。
まあ、俺も人のことは言えないが。
ジュビアのことが気になって全く集中できない。
とりあえず、なだめてみる。
しばらく、考え込んでからシェリアは俺に話しかけてきた。
この質問、どこかで聞かれた気がする……
〜シェリアside〜
一思いに聞いてみた。
だってグレイがはっきりしてくれれば、リオンはジュビアのこと諦められるかもしれないし。
そうだよ!グレイがはっきりしないから。
だから、
リオンがあたしを見てくれない。
でも、本当はわかってる。
あたしは怖がってる。
リオンに振られることを。
だから、あたしは告白できないでいるんだ。
グレイが真剣な顔で頷く。
今日はこれで良かったのかもしれないと思った。
まあ、仕事は全く進んでないけど。
いまごろ、
リオンはジュビアに告白しているかもしれない。
〈続く〉
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!