私たちは気になる人という存在から
恋人という存在に、お互い変わった。
お互いにとって初めてのお付き合いは
照れ臭くて、不器用で、毎日が手探りだった。
同じ教室、同じクラスにいるのに
少しも話せないし、変に意識しちゃって
2人とも上手く距離を縮めることができなかった。
体育館掃除への移動中に、私の肩を叩いて来た。
なんて私達が恋話に夢中になっていると
後ろからガヤガヤと男子たちの声がした。
同じ体育館掃除の人達で、
春ちゃんもきっとその中にいるはずだ。
いつもそうなんだ、廊下や、教室や、昇降口、
春ちゃんがいるってわかると急にドキドキして、
緊張しちゃって、話したいのに上手く話せない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。