【注】今回夢主ちゃんはおやすみです。
"有名歌い手ユニットAfter the Rainが解散?!"
"まふまふ、そらる 歌い手を辞めるのは本当なのか。"
LINEニュース、ナタリー、Twitterのトレンド では同じような話題が並んでいる。
それもそのはず。
今年の一月に10周年を迎えようとしていたAfter the Rain-そらる×まふまふ- 通称AtRは自身達でも500年続くと言っていたが今終わりを告げようとしているからだ。
それに加え、まふまふ、そらるの活動にも休止符を打たれるのではないか と騒がれていたのだ。
これは、またリスナーたちの憶測でここまで広がった大きな噂話では無い。
本人達からの言葉なのだ。
いつかの日ひとつのブログが更新された。
まふまふです。
今回はボクを、そして僕らを今日まで応援して来てくれた方々に向けて感謝の気持ちをと思い久々にブログを更新させて頂きましたヽ( ′〰 ′。)
今年の七月にそらるさんが17周年 僕が10月に15周年を迎えましたね、
そしてもうすぐ、1月8日 僕達After the Rainーそらる×まふまふーが10周年を迎えます。
ここまで続けられてきたのは紛れもなく僕達を包んでくれるのが良い人達ばかりで、僕達も音楽に真剣に向き合ってきたからです。
ここに来るまでたくさんの事がありました。
拾ったもの、貰ったものも僕たちの両手では溢れてしまうくらいです。
でもそれと共に、無くすもの、捨てるものも増えました。
今、ボクは15年前の時とは全く違う。
変わったところばかりです。
それでも、音楽をしていく上での気持ちはあの日から一切変わっていません。
周りの環境は良くも悪くも変わりました。
それが、新しい自分を見つけるきっかけにもなりました。
なにより、10年間も隣に居てくれたそらるさん。
あなたには誰よりも感謝しています。
あの日あの時ボクのそばにいてくれたのは、紛れもなくそらるさんで、何かあっても隣を見ればあなたがいました。
それがどれだけ心強かったか、
相方として10年間 まふまふとして12年間 本当にありがとうございました。
まふまふ。
あたかも、もうそらるの隣を歩くの辞める と言っているような文だった。
濁してはいる 「活動を辞める」とも書いていない だが、これは彼らなりのメッセージなのかもしれない。 彼らは少しずつみんなの記憶から消えようとしているのかもしれない。
⋆*
午後8時 ボクは数日前からそらるさんのお宅にお邪魔している。
そらるさんから「今日はTwitterの通知ONにしてみない?笑」と言われ今まで人気が出てから消していた通知をつけた。
「そらるさん、、通知が止まりません…」
「俺もだよ。愛されてんなぁ俺ら。」
「それは嬉しいですけど、ろくにスマホが使えません!!」
「お前あんま使わないだろ」
そう、通知をつけたところでボクはスマホを全くといっていいほど使わないため支障はない。でも先日パソコンが壊れ今はスマホがなくては生活できないのだ。
「はああ、パソコン壊れてるって言いましたよね??」
「あ、そうだ笑」
「ほら、そらるさんもろくにゲームできてない。」
「俺はパソコン生きてるからいいの〜」
なんて自由な人だ、、
Twitterの通知で埋まってるためその他の通知が流れていく
これじゃLINEも気づけない…
いつも気づいてないけど、
「まふまふ〜 俺らずっとトレンド乗ってる笑」
けたけたとパソコンの画面を見て笑うそらるさん どうやらあのブログを更新してからTwitterはボクたちの話題で埋まっているらしい。
流石にニュースまでとはいかないが、なかなかの騒ぎ。
申し訳ないなぁ、という思いがあるがもう二人で決めた事だから。と昔ながら一度決めたことは曲げない性格が出る。
「まふまふ、お前ほんとにいいの?」
パソコンを見ながらそらるさんがボクに聞く。
「正直、まだ夢を見ていたいです。」
そう、できるならいつまでも。
「でも、もう決めたので。
そらるさんこそいいんですか?」
ボクはボク自身と相談して決めたが彼はどうなんだろう。 ボクがそらるさんに相談して、少しの沈黙の後「俺もそうしよ」なんて軽い感じで言われたし。
「ん〜、俺もまだ冒険したいよ。いくつになってもやりたいことはなくならないし。」
やっぱり、誰しもそうなんだろうな。
なら、そらるさんは続ければいい そう言おうとした時 彼は優しく頬を緩め
「でも、これも新しい冒険なのかな、なんて思ったりもしてる。」
「ふふ、なんですかそれ」
「うるせぇ」
自分で言ったのに何故か自分で照れてる。
彼らしい、どこまでも、
「それに、一度離れてもまた戻ってこれるだろ。」
「みんなおれらの場所 残して待ってくれるよ。」
そらるさんのパソコン画面にはたくさんの僕たちに向けたメッセージが並んでいた。
“いつまでも二人を待ってます。“
“いつか、また会える時までずっとずっと聴き続けます。“
“二人の居場所は永遠に歌い手界隈にあり続けますよ。“
どれも暖かい言葉ばかり、
この暖かい言葉が、世界が、ボクを まふまふを手放せない理由なのかもしれない。
⋆*
ブログが更新されて数日。
まふまふとそらるのTwitterアカウントは消えていた。
Instagramも、TikTokも、そらる、まふまふ 名義のもの全てが消えていた。
「遂にやったな、まふまふ笑」
「やっちゃいましたね、笑」
「あと、僕はもうまふまふじゃないですよ。」
「…そうだな。俺もそらるじゃないからな。」
…
「___さん。」
「なんですか、__さん。」
長年 まふまふ そらるさん と、呼びあっていたからかいざ本当の名前で呼び合うとどこか恥ずかしい。
携わってきてくれた方々には
僕達は終わったのではなく、新しく始まった。
そう、捉えて頂きたいな。
数々の最高の景色をありがとう。
厳しく優しい世界で見た想像を超える世界は僕達にとっての宝物です。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。