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2021/01/30

第7話

忘れたい、でも忘れない「mfmf」

「ふぅ〜…」


一通り満足のいく曲ができ

ふと時計を見る


「もう15時か」


また寝ずに作業をしてしまったらしくこのことがあの子に知られたら怒られるなぁ、

とか思いながらリビングに向かう


愛しの人と言葉を交わすために。





◇◇






「そらるさあああああああああん!!!!!」

「うわっなんだよ、笑」

「あなたの下の名前が居ないんです!!!どこにも!!!」

僕が長い間音信不通だったためにそらるさんがわざわざ家まで来てくれて家の事をやってくれていた

すごく助かる。

僕の活動は周りの人の支えがあってこそ成り立つものだな とつくづく教えてくれる大切な人だ。

そんな人の耳元でありがとうの一言も言わずに第一声で叫んでしまい申し訳ないがこれはほんとに大事件。

最愛の人あなたの下の名前がいない。


「あ、?…あぁ。お前があなたの下の名前どこ、って言えば出てくるだろ」

「なんですかその適当な感じ」

「いいから言ってみって」


なんか面倒くさがってない?
そんな悲しいやつを見る目で見ないで心がイタイ…イタタ

とりあえず彼の言う通り彼女を呼んでみる


「あなたの下の名前〜?どこー」

『んー?』


へっ?!へっ!!!?!! 今リビングから声が…!!!まさかそんな、え!!!

あれは間違いなく長年聞いてきた声に違いない


「いま!!いま!!」

「うんうん、聞こえたね 行ってきな」


そらるさんに軽く、いやかなり勢いよくお辞儀をして声のした方へ向かった。

◇◇


向かうと

やっぱりあなたの下の名前がいた。

昔と変わらない愛くるしい笑顔と、今にも消えてしまいそうなくらい綺麗なあなたの下の名前の姿。


「あなたの下の名前…!」

『ふふ、どうしたの? まふ。』

「どこ、いってたの、心配したよ、」

『ごめんね、でも、!
まふが呼んでくれなかったからだよ』

「え、?」

『わたし、まふが呼んでくれなきゃあえないんだよ、、?』

『なんで、忘れてたの、?』

「えっ、うぇ、ご、ごめん…ずっと音楽してた、、」



そういえばここ数日 生活のことそっちのけで曲を作っていた、

頭の中全部音楽で、あなたの下の名前のこと、忘れてた…かも、


「ごめんね、」

『も〜、お互いで謝ってばっか、まふはいつもそうだよ』

「え、…うぇ、、」

なにもいいかせない、
あなたの下の名前が困っていたら謝ってしまう、
あなたの下の名前が泣きそうになったら謝ってしまう、

でもそれはあなたの下の名前が大切だからであって、


『最後のお別れも、ごめんじゃなくてありがとうとか愛してるが良かったなあ、』

「最後のお別れって、勝手に死なないでよ、!! 」

あなたの下の名前は会う度こんなことを言い出す。

この前なんてあまりにもリアルな作り話を話し始め 息を引き取ったなんて言っていた

ほんとに、そういうことがありそうでこちらも困る…

『…ふふ、そうだね まだ元気な姿で会えるうちに沢山お話しようね』

優しく微笑むあなたの下の名前はすごく可愛くて、今すぐにでも抱きしめたい


可愛さに浸っていると、あなたの下の名前の体がどんどん透けていくように見えた

「 …あなたの下の名前? なんか、透けて、」

『透けてるって、アニメの見すぎ! そんなことないに決まってるでしょ〜?』


「何言ってんの〜」 とはぐらかしてはいるけど、確かにこの目であなたの下の名前が透けていたのを見た


疲れてるのかな、僕


「あなたの下の名前? どうしたの、具合悪い?」

『、あはは、ちょっと、疲れちゃったみたい』

「え?! 横になる?」


何故か最近あなたの下の名前の体調が優れない。


会う度に細く弱々しくなっていく。

何かあったの、

辛いことでもあるの、

聞きたいことは沢山あるのに言葉にできない


曲にはできるのに。

届かない。


とりあえずあなたの下の名前をソファに寝かせた。


『ごめんね、久しぶりなのに、』

「ううん、全然いいんだよ、ゆっくりして」


何か消化のいいものをとキッチンに向かい

ちょうどそらるさんがゼリーを買いだめしてくれていたのをみつけ何個か持ち出す

「あなたの下の名前、ゼリー…を、」

「…あなたの下の名前?」


さっきまで目の前のソファで寝ていたあなたの下の名前の姿はどこにもなく

彼女の匂いも消えていた


「っそらるさん…!!」

「ん〜?」


壊れそうなほど強い力でそらるさんのいる部屋のドアを開け
一度乱れた呼吸を整える


「…あなたの下の名前が居ないんですけど、どこか知りませんか、?」



◇◇



「そらるさあああああああああん!!!!!」

「うわっなんだよ、笑」

突然部屋のドアが開き
発狂しながら俺の名前を呼ぶまふまふ

これはいつもの事で多少は慣れているものの
流石に突然はビビる。


「あなたの下の名前が居ないんです!!!どこにも!!!」


“あなたの下の名前がいない“


作業が終わったあと
風邪をひいている時
精神的にきてる時

必ずまふまふが口にする言葉


あなたの下の名前 はまふまふが人生で一番心から大切にしている異性で

誰からも愛され、誰でも平等に愛す
正に天使のような女の子だ。


まふまふから恋に落ち
猛烈なアピールの結果
二人は結ばれて幸せな時間を過ごしていた




あの日まで。





◇◇◇






『そらるさん、』


「…どうした、?」


俺も久しぶりの会話

どこか緊張してしまう


『そろそろ、ホントのこと言った方がいいんじゃないですか?』

「…ホントのこと、ね」


申し訳なさそうな顔であなたの下の名前が顔を覗いてくる

『やっぱり、私も少し辛いです。』

「そう、だよな。」


これ以上、黙ってはおけないのか、
何も知らずに幸せな時間を続けてもらいたい、という願いは叶わないのか、


あなたの下の名前が辛いなら、まふまふも、辛いよな…、


「わかった。…まふまふに伝えるよ。」



◇◇




「まふまふ」



「ん?」



「少し、いい?」



「…はい、」



久しぶりにそらるさんと一緒に外食
二人ともお腹が膨れてあと少しで帰る というところで先程まで楽しく音楽の話とか友人の話とかあなたの下の名前の話とかをしていたのに人が変わるように僕の名前を呼ぶ。


「伝えなきゃ、いけないことがあって。」


「なんですか?」


「その、実は。」


「こんなこと言っても、信じてもらえないかもだけど。」


「も〜、なんですか? 勿体ぶらないで教えてくださいよ!笑」


いつもスパッと思ったことを口にしてしまうそらるさんなのにこういう面と向かってる時に限って焦れったい。


なんか悪いことしちゃったのかな?

僕そんなに怒らないし気にしないから全然いいのに。


「…あなたの下の名前はもう、この世には、居ない、んだよ。」


「…え、?」



やっと話したかと思ったら変なことを言い出す僕の相方

あなたの下の名前はもうこの世に居ないって、何を…笑


「またまた、ご冗談を、やめてくださいよ…笑」

「ほんと、だから。
お前が見て来たあなたの下の名前は全部、お前が作ったあなたの下の名前なんだよ、」

「あなたの下の名前は、一年前に…」



突然何を言い出したかと思うと、この前あなたの下の名前が言った作り話を話し始めた。


あなたの下の名前が事故で昏睡状態になり、そのまま息を引き取った。


まるで本当の話のように話すそらるさん


その姿はまるで、あなたの下の名前のようで。


頬を何かが伝う。


ぼく、今泣いてるんだ、
外に居るのに、もう泣かないってあの時決めたのに、







あの時って、いつ?



突然、激しい頭痛に襲われ、目を閉じるとどこか懐かしい情景が浮かぶ。


それは、見慣れた病室でベットの上には気持ちよさそうに寝ているあなたの下の名前がいて、


周りの人は涙を流していて、


あなたの下の名前の手を握って、泣き崩れている僕が居た。





「あなたの下の名前…っ、最後まで、そばにいてあげられなくて、ごめんね、っ、」


「頼りなくて、ごめんね、」


「あなたの下の名前…あなたの下の名前、目を開けてよ、、あなたの下の名前、あなたの下の名前、」






__ もう、私のために泣かないで、前向いてまた、笑っていて。





どこかで、聞きなれた声がする。

天使のような優しい囁き。




あなたの下の名前、やっぱり僕はあなたを忘れられない。