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第35話

なんでだよ…
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2022/01/22 04:39

これはある日の昼休みの廊下でのやり取り。


「瀬波先生!!私の手作りお弁当食べてください!」

「相川さん…受け取れないよ!」


「何でですかー!?」


「それに先生、お弁当ならもう持ってるから!」


「でも先生には彼女さん居ませんよね!?」


「居ないけど…お弁当と何か関係あるの?」


「彼女が作った訳じゃないんでしょ!?ほら!受け取って先生!!」


「えええ!?そんな無茶苦茶なぁ!!」
俺はアイツが気に入らない。


クラスメイトである美桜は、現文の瀬波結翔という先生に好意を寄せている。あからさま過ぎてイライラする。


なんでだよ。


アイツより俺の方が付き合いだって長いじゃないかよ。


アイツと俺だって別に、“そう顔だって変わんない”だろ。


アイツの性格が人よりずば抜けていい訳でもないし普通だ。なのになんで俺じゃないんだ?


美桜、俺はな…


お前の事がずっと好きなんだよ。



だから、こんな現場目の当たりにして黙ってられるか。

俺はコイツの背後に近付き、腕を伸ばしてそのまま弁当を取り上げた。


「ちょっと!海斗!何すんのよ!」


「うるせーんだよお前は。お前の弁当なら俺が食ってやるよ」

「なんでよ!!ちょっと!!返しなさいよ!!あんたお母さんの作ったお弁当があるでしょう!?」

「それがなんだ。成長期の俺は食べ盛りなんだよ。どっかのおっさんと比べてな」

「コラ!!待て!!」

俺は美桜の弁当を取り上げて教室へと入った。
なぁ美桜。なんでアイツなんだよ。


どうして俺じゃなくて、



よりによって“兄貴”を選ぶんだよ。





fin.
青春ですね…
お兄さん結翔が先生で、
弟の海斗は生徒。

好きな子が自分じゃなくてお兄さんに好意寄せてるとか、なんか嫌ですね…

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