孝大side
僕の好きな人?
そんなの言えるわけないじゃん。
だって、それは...
莉奈、なんだもん。
それは...入学したての時か。
クラスで浮いてた僕に、話しかけてくれた。
そうやって、2人で大笑いしたっけ。
莉奈といたら、自然とクラスに打ち解けていた。
だよね。
はあー...
終わったな。僕の初恋。
莉奈side
なに?いきなり好きな人いるの?とか聞いてきて。
そんなこと聞いても面白くないよ。
ねえ、覚えてるかな?
私が最初に孝大に話しかけた時のこと。
クラスで1人だけ、寂しそうだった。
私が話しかけた時、すごく戸惑ってたよね。
この前。孝大告られてたよね。すごい、嬉しそうだったよね。
私は、やっぱり違うよね。
って、図々しいか。
でも、やっぱり悲しいよね。
さようなら、私の初恋。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!