薄暗い部屋。
太陽の光だけで照らされている。
その部屋の目の前の縁側に座り、光に絆されている
暖かな感覚に眠りにつきそうな所、玄関の方で大きな音がした。しかし、響は特に反応しなかった。犯人はいつも
むぎゅ…。
急に抱きつく紅丸に、響は驚いた。
大体察しがついた響、心が読める響にとっては難題でも何でもなかった。
ただ、心配だったのだ。
響はここ数日、殆ど何もしていない。気疲れしていて、行動意欲が薄れていたからだ。
その為詰所にも行っていない彼女。いつも居留守を使っているため紅丸が来ても反応はしなかった。
毎度扉を蹴破られ「居るなら返事しろ」と言われる
そして毎度「凄く疲れているの」と返答する
しかし今回は強く抱き締めてきた。
この頃詰所にも顔を出さない響が家の中で倒れていたら、なんて事でも考えていたのだろう。
大人しく後ろを向く紅丸。
そこに後ろから抱き付く響。
大人しく離れる響。
優しく抱き締める紅丸。
頭を撫でられ、紅丸の胸に頭を引っ付ける響。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。