第13話

あたたか日和
231
2020/03/22 03:59
長門響
長門響
…。
薄暗い部屋。
太陽の光だけで照らされている。
その部屋の目の前の縁側に座り、光に絆されている
暖かな感覚に眠りにつきそうな所、玄関の方で大きな音がした。しかし、響は特に反応しなかった。犯人はいつも
新門紅丸
新門紅丸
いるなら返事しろ
長門響
長門響
凄く…疲れているの…
むぎゅ…。

急に抱きつく紅丸に、響は驚いた。
長門響
長門響
どう、したの
新門紅丸
新門紅丸
…。
長門響
長門響
……ははーん…。
大体察しがついた響、心が読める響にとっては難題でも何でもなかった。
ただ、心配だったのだ。
響はここ数日、殆ど何もしていない。気疲れしていて、行動意欲が薄れていたからだ。
その為詰所にも行っていない彼女。いつも居留守を使っているため紅丸が来ても反応はしなかった。
毎度扉を蹴破られ「居るなら返事しろ」と言われる
そして毎度「凄く疲れているの」と返答する
しかし今回は強く抱き締めてきた。
この頃詰所にも顔を出さない響が家の中で倒れていたら、なんて事でも考えていたのだろう。
長門響
長門響
貴方が考えているような事は起こらないわよ…、食事はちゃんと取っているし、最低限の生活はしているもの…。
新門紅丸
新門紅丸
顔ぐらい出しやがれ
長門響
長門響
遠いから、歩くのもなんだか気が乗らないのよ…。
新門紅丸
新門紅丸
じゃあ近くに引っ越してこい
長門響
長門響
それは、迷惑かけるでしょ…。
アリス・クローネ
アリス・クローネ
いつまでもアリスを世話係にしないでクダサイ!
長門響
長門響
居候している分際で何を言っているのかしら…。
アリファ・クローネ
アリファ・クローネ
アリスー!
アリス・クローネ
アリス・クローネ
アリファー!
長門響
長門響
もう少し静かにしてちょうだい…、双子は目にいれたら痛いのよ…。←橋都姉妹で経験済み
新門紅丸
新門紅丸
…。
アリファ・クローネ
アリファ・クローネ
アリス!遊びに行くぞ!
アリス・クローネ
アリス・クローネ
ハイ!
新門紅丸
新門紅丸
騒がしいな…。
長門響
長門響
双子は困りものよ
正樹
正樹
テメェいつまで俺に面倒見させる気だ 
長門響
長門響
あらあんたは従者でしょ
正樹
正樹
誰が従者だとぉ!?
長門響
長門響
ていうか、いつも駄弁っては帰って駄弁っては帰ってでしょ
正樹
正樹
がはは、否定できねぇな!
長門響
長門響
とんだ屑野郎だ帰れ
正樹
正樹
何切れてんだよ!?
長門響
長門響
はいはい帰った帰った
新門紅丸
新門紅丸
…。
長門響
長門響
嫉妬し過ぎよ…。
新門紅丸
新門紅丸
してねェ
長門響
長門響
ベタな嘘つかないで頂戴、感情もろ丸見えよ
新門紅丸
新門紅丸
…喧嘩売ってんのか
長門響
長門響
その喧嘩買うのかしら
新門紅丸
新門紅丸
買ってやら布団行くぞ
長門響
長門響
ごめんなさいごめんなさい嘘です嘘ですから
新門紅丸
新門紅丸
全否定すんじゃねェ
長門響
長門響
別に据え膳用意してないわよ
新門紅丸
新門紅丸
テメェおんなならちったぁマシな言葉言え
長門響
長門響
悪い言葉使いは誰かさんからの影響よ
長門響
長門響
…誰かさんから
長門響
長門響
…後ろ向いて
新門紅丸
新門紅丸
あ?なんだよ…。
長門響
長門響
いいから
大人しく後ろを向く紅丸。
そこに後ろから抱き付く響。
長門響
長門響
…心配させてごめんなさいね
長門響
長門響
今度から電話は出るようにしとく
新門紅丸
新門紅丸
テメェ電話まで無視してやがったのか
長門響
長門響
してたわよ~…。
新門紅丸
新門紅丸
一旦離れろ
長門響
長門響
?どうして…?
新門紅丸
新門紅丸
いいから離れろ
長門響
長門響
?うん…。
大人しく離れる響。
優しく抱き締める紅丸。
新門紅丸
新門紅丸
…。
長門響
長門響
ん…
頭を撫でられ、紅丸の胸に頭を引っ付ける響。
新門紅丸
新門紅丸
テメェ誘ってんのか
長門響
長門響
変な事言わないでよ…。

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