第17話

220
2020/03/25 05:26
全て洗いざらい吐かされてしまった。
重いため息を付き、圧を感じる。
その状態がかれこれ十分ほど続いているのは言わない方が良いかもしれない
新門紅丸
新門紅丸
…んで…
最初に口を開いたのは、紅丸だった
新門紅丸
新門紅丸
んで…なんで俺を頼らねェんだ
その声は、いつもの彼とは違う声だった。
怒りとも悲しみとも違う。
どこか寂しそうで、どこか、激怒しているような。
長門響
長門響
そ、れは…。
町の皆に心配かけることになるかもしれない
それがどうしても嫌な響は、言わない方が特だと感じた。
だけどそれが、紅丸にとっては重荷だったのだ。
誰よりも大事な人が、影で大変な事になっていたら
なんて事も考えてしまう。
そんな毎日が辛いのだ。
新門紅丸
新門紅丸
毎日毎日俺がどんな思いで過ごしてるかも知らねェで、勝手に別の事心配しやがって…。
長門響
長門響
だ、って…
新門紅丸
新門紅丸
だっても明後日もねェ馬鹿野郎
長門響
長門響
…。
こうやって、紅丸に怒られるのは初めてな響。
新門紅丸
新門紅丸
なんで俺に相談出来ねェんだ、なんで、なんで
長門響
長門響
…ごめん、なさい…。
素直に謝っても許してはくれないだろう。
新門紅丸
新門紅丸
テメェを責める気はねェ、だけどよ
ギュッと、力強い抱擁を無理矢理してくる。
だけど、響はそれを拒む気はない。
耳元で小さく
新門紅丸
新門紅丸
もっと、俺を頼ってくれ
と、か細く呟いた。
長門響
長門響
っうん、今度から…ちゃんと…頼る…。
震えた声で、響は答えた
新門紅丸
新門紅丸
ン、それでいい
安心したような声で、紅丸はそう言った。

そして、響から離れようとした瞬間
響が力を強める。
紅丸は困惑して、どうすれば良いのか分からなかったが、次の言葉に目を見開く
長門響
長門響
………寂し、かった……。
さっきの紅丸の声よりも小さく呟いた。
段々頬に朱がさしていく。
フッと笑い、紅丸も響を抱き締めた










とある日
長門響
長門響
…。
結局、詰所の「隣」に引っ越す事になった。
仕事も暫く休止、響はほぼ紅丸にお世話になる形に…。
やはり言ったらこうなったと、ため息をついたりするが、存外嬉しそうである
むに
長門響
長門響
ひにゃあ
新門紅丸
新門紅丸
情けねェ顔
長門響
長門響
いつか仕返ししてやる…💢
新門紅丸
新門紅丸
やってみやがれってんだ
長門響
長門響
もう、紅くん嫌い!
新門紅丸
新門紅丸
…。
長門響
長門響
いやちょ嘘だからそんな悲壮な顔しないでよ
新門紅丸
新門紅丸
ンな顔してねェ
長門響
長門響
…(してるって…。) 
むに
新門紅丸
新門紅丸
仕返し
長門響
長門響
ひにゃあ~…。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
長門響
長門響
買い物行こうかな…
短同籠
短同籠
ひっびき~!
長門響
長門響
……………籠…
短同籠
短同籠
あれ、元気ないぞう?
長門響
長門響
…あんた何しに来たの…
短同籠
短同籠
?『妹』として姉に会いに来た
長門響
長門響
ばっ、大きい声で言わないで…!
短同籠
短同籠
あぁ、ごめんごめん
長門響
長門響
私達が双子って皆知らないんだから
短同籠
短同籠
知られても良いけどね
長門響
長門響
…。
短同籠
短同籠
じゃあ、行こうよ買い物!
長門響
長門響
はいはい…。あんたの分も買わされるんでしょ…?
短同籠
短同籠
うん正解!
長門響
長門響
吹っ飛べ。

プリ小説オーディオドラマ