第15話

眠り姫
212
2020/03/22 14:57
長門響
長門響
…。
ここのところ、悪夢ばかり見るため一向に眠れない、寧ろ、お昼時に寝ることが多くなった。
響はこれににた病気、もしくは障害を知っている。
一度病院にいってみようか、そう考えていた時。
新門紅丸
新門紅丸
何ボーッとしてんだ
長門響
長門響
むぎゅぅ…。
両側の頬を片手で内側に寄せられ、変な顔になっている事を響は確信した。
長門響
長門響
やめろ馬鹿
新門紅丸
新門紅丸
ひでェ顔
長門響
長門響
酷い顔にした張本人が何を言う!
そう言って体を思い切り動かした瞬間
長門響
長門響
あっ…
新門紅丸
新門紅丸
躓いて、響が紅丸を押し倒す状態になった。
不思議な目の模様が、響の目に映る。
紅丸の目には、光のない目が映る。
その時間が、一定時間を過ぎた頃ハッとして、二人は咄嗟に離れる。
顔が熱くなって、一瞬の時間でも、至近距離に迫った二人のからだの温度はみるみる上がる。
ヒカヒナ
ヒカヒナ
若ーっ!
双子が駆け寄り、紅丸に話しかける。
新門紅丸
新門紅丸
どうした
ヒナタ
ヒナタ
…?顔真っ赤だぜ若!
ヒカゲ
ヒカゲ
響も真っ赤だぜ!
長門響
長門響
そっ、そんなことっ、ない…//
子供の純粋さがどれだけ大人の毒になるのかよーく分かった。


















ガラッ
長門響
長門響
…失礼します
岬鋼
岬鋼
あっ、今日が初めての子だねー
岬鋼
岬鋼
確か原国主義者だったよね
長門響
長門響
はい
岬鋼
岬鋼
今日はどうしたの?
長門響
長門響
…この頃、夜に悪夢を見るんです。それで昼間に寝ることが、多くなって…今もかなり眠いんです…。
岬鋼
岬鋼
うんうん、それで?
長門響
長門響
いつもなら半年間寝なくても眠くならないのに…
岬鋼
岬鋼
えっ!?ちょっと待って半年間?!
長門響
長門響
はい
長門響
長門響
食事はこの頃なら三ヶ月食べなくても平気です
岬鋼
岬鋼
うーん、元が土地狂ってるからなぁ…。
岬鋼
岬鋼
もしかして長門さん…、あの都市伝説の人だったりする?
長門響
長門響
はい、あの本条家の都市伝説…いえ、本物の本条家の人間、『白銀の死神』と申します 
岬鋼
岬鋼
なるほど!それなら納得だ。あの人達はいつも土地狂ってるからね
長門響
長門響
…もしかして、専属医師ですか?だから一代目が…
岬鋼
岬鋼
そそ、岬鋼。原国式だと鋼岬だけどね
長門響
長門響
それなら安心です…。
岬鋼
岬鋼
彼氏さんには?報告してあるの
長門響
長門響
いいえ、なるべく言いたくないので
岬鋼
岬鋼
え?どうしてよ。
長門響
長門響
…心配かけたくないよりも、心配かける色々な意味で破壊王の力が働くと言いますか…。
岬鋼
岬鋼
うん、良く分かった
岬鋼
岬鋼
多分、ていうかもうほぼ決定してるようなもんだけど…『過眠症』だね
長門響
長門響
あ、やっぱりですか
岬鋼
岬鋼
過去に一回なってるんだね
長門響
長門響
…まあ。
岬鋼
岬鋼
薬、処方しておくね
長門響
長門響
…ありがとうございます
岬鋼
岬鋼
いえいえ。
長門響
長門響
それじゃあ、ありがとうございました。失礼します。
パタン
岬鋼
岬鋼
…まあ、月と違って礼儀正しい女の子だ
◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆
長門響
長門響
…ゴキュッ…。
長門響
長門響
…甘…。
ひとりぼっちの部屋で呟く
薬をどこに隠そうか、考えてみる夜だった。

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