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第20話

12月25日
12月25日。

今日はクリスマス会の日だ。

1階のエントランスで、歌手を招いてのクリスマスコンサート。
そして、小児病棟からの出し物をする。

もちろん小児病棟からの出し物、とはみどりちゃんの歌のことだ。








看護師さん
それでは、小児病棟からの出し物です。
女の子
今年は、川崎みどりちゃんが歌を歌ってくれます!
男の子
皆さん、聞いてください!


みどりちゃんが舞台に出てくる。

一見普通の子だ。

健康な子と違うのは点滴を引いていることぐらいだろう。

ささやかで優しい拍手が起こる。

おじいちゃん、おばあちゃん達もいた。

そして、小児病棟の私達も。

みどりちゃんは、いつの日か一緒に行った時の白いワンピースを着ていた。

これが今回の、「舞台衣装」。









みどり
みどり
メリークリスマス!
小児病棟代表の川崎みどりです。
小児病棟からの出し物として、歌を歌います。


みどりちゃんがチラッと私とかえちゃんを見た。

目が合って、私達3人は同時に頷く。

みどり
みどり
曲は「千の風になって」です。
聞いてください。


ピアノは看護師さんが弾いてくることになっていた。

…なんでクリスマスにこの選曲?
もうちょっとシーズンに合わせればいいのに。

そんなことを考えている私は、まだ知らなかったんだ。

この曲にみどりちゃんが伝えたい全てが詰まっていたということを。


それにしても、最初の歌詞、みどりちゃんズルイよ…

「私のお墓の前で泣かないでください」ってみどりちゃん死んじゃうみたいじゃん…


目から涙が溢れた。

それも勝手に。

「そんなはずないから」って信じてるはずなのに、それをどこか疑ってしまって…


何度拭っても、涙は止まらなかった。


みどりちゃんの歌はすごく上手で、まるで天使のようだった。


高い音がエントランス中に響く。

マイクなんていらないんじゃないか。

そう思ったりもした。



チラッと隣にいるかえちゃんを見る。

かえちゃんも涙を流していた。




なんだか、お空のお花畑にいるようだった。

天使の歌声が私たちを包む。

それは、申し訳ないけど、招待で来てもらった歌手の人より何倍も。

いや、何千倍も。

何万倍も綺麗な歌声だった。



ふと我に返り、周りを見渡す。

歌手の人の舞台の時よりも聴いている人は何倍も多く、椅子に座れない人たちで溢れかえっていた。

その中には看護師さん、先生もいて、みんな涙が頬を伝っていた。




ふと、みどりちゃんの頰が光る。

声は震えていなかったものの、みどりちゃんの頰にも涙があった。








曲が終わると、病院中から大きな拍手。


すごかった。

ひたすらすごかった。


気づけば、吹き抜けの2階、3階にも大勢の人がいた。


そう、病院内が拍手で鳴り響いたんだ。























































































これがみどりちゃんの歌声だった。

私もあんな風になりたい、あんな風に何百人を感動させたい。













そう思った。









そしてそれが、いつしか私の「夢」になった。