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第7話

叶わない願い
看護師さん
(あの子達、いつも微笑ましいわね…)
私は小児病棟の看護師。

この病院に来てもう、3年ほどになる。

みどりちゃんはこの病院にきてから5年。

私がここに来て3年間、ずっとみどりちゃんの担当だ。

そして加えて、雛子ちゃんの担当にもなった。







同じ病気の2人。




みどりちゃんは、もう、自分の命が少ないことを知っている。

しかし、雛子ちゃんは、お母様たちのご意向で、自分の命が危ないことを知らない。


もちろん、雛子ちゃんはみどりちゃんの命が危ないことも知らない。











七夕が近くなり、この病院にも毎年のように笹が飾られた。



このお願い事を書く子達の中で、もう歳の大きい子たちは「叶わない夢」を知っているだろう。

けれど…。
どんなに大きくなっても、神頼みしか出来なくなる時が来る。






そう、私は毎年感じされられるんだ。
看護師さん
(あの子達、なんて書いたのかな…)
2人がいた方に足を動かす。
看護師さん
(あった…)
そこには可愛らしい字で願い事が書いてあった。








「学校に行けますように」かぁ…







隣には「雛子」と名前が書いてある。
看護師さん
行けるといいね…
小さな声でつぶやく。
おじちゃん
おじちゃん
看護師さん、書かないんですか?
看護師さん
⁉︎
おじちゃん
おじちゃん
あ、すみません、驚かせてしまいましたか…(苦笑)
看護師さん
あ、いえいえ、大丈夫です(笑)

すみません、こちらこそ…
おじちゃん
おじちゃん
小さい子たちが短冊をかけにくると、やっぱり胸が締め付けられる思いがしますね…
看護師さん
そうですね…
おじちゃん
おじちゃん
先程の子達は、看護師さんの担当の子達ですか?
看護師さん
えぇ
おじちゃん
おじちゃん
もう、お読みになりましたか?
看護師さん
…1人は。
おじちゃん
おじちゃん
そうですか…
看護師さん
おじちゃん
おじちゃん
おっと…
私はこれで失礼します
看護師さん
ありがとうございます。
お疲れ様です。
おじちゃんは、受付機の前でオロオロしていたおばあちゃんの所へスタスタと駆け寄っていった。









私も、みどりちゃんの短冊を探す。




途中、何個か受け持ちの子達の短冊を見つけた。
看護師さん
(「ピーマンが食べられるようになりたい」⁉︎
是非とも頑張ってほしい!!)
とか思いながら…












そして、ふと1つの短冊に目が止まる。





綺麗な字だ…

そっと目の高さほどの場所にかけてある、水色の短冊を手にとる。
看護師さん
こんなこと書いちゃダメだよ…
小声で言って、微笑もうとした瞬間、涙が止まらなくなった…。























ーーー大人になりたい 川崎みどりーーー






たったその一言が、こんなにも人の心を揺さぶるなんて。