第24話

大好きだよ②
かえ
かえ
…なんだろ?
雛子
雛子
お正月だし、お年玉じゃない?
かえ
かえ
嬉しいけど、買いに行けないじゃん、かえ達(笑)


爆笑が起こる。

2人でケタケタ笑っていたら看護師さんが来た。

なんとも神妙そうな面持ちで。

かえ
かえ
なーんでそんな顔してるの?
元気出しなよー
ほら、にっこり笑って〜!


かえちゃんが変顔をする。

看護師さんはクスッと小さな笑い声をあげたけど、目は笑っていなかった。

雛子
雛子
…それで?
なんでそんな悲しそうな顔してるの?
何かあるんだったら早く言ってよー
かえ
かえ
そうだよー
そんな溜めないでよー


また笑いが起こる。

でも、ケタケタ笑っていたのは私たち2人だけだった。

看護師さんは頰さえも上がっていなかった。

看護師さん
これ、2人にって。
お手紙が来てたから、渡しとくね。


看護師さんは震える声でそう言い、私にその手紙を渡すとバタバタと部屋を出て行った。

かえ
かえ
誰からー?


可愛らしい封筒をひっくり返すと、送り主の名前が綺麗な字で書いてあった。














ーーー川崎 みどりーーー










雛子
雛子
みどりちゃん!!!
かえ
かえ
ホント⁉︎


病室に歓声が起こる。

私はかえちゃんのベッドまで行って、手紙を渡した。

かえ
かえ
ありがと
雛子
雛子
うん
かえ
かえ
ねぇ、カーテン閉めない?
ほら、なんて書いてあるか分かんないじゃん?
〇〇ちゃん看護師さんあんなんだったし…
雛子
雛子
いいよ、閉めようか?
かえ
かえ
うん、ありがと


かえちゃんのカーテンを閉め、自分のベッドに戻り、封筒を開いた。

































雛子ちゃんへ

今、私はどこにいるのかな?
空のお花畑かな?
雛子ちゃんがこの手紙を読むときに私がとなりにいる事を願いつつ、この手紙を書いています。

雛子ちゃんと私は同じ病気。
雛子ちゃんの方がちょっと軽いよね。

私は最後かもしれないこの時に雛子ちゃんに伝えたいことがあります。

人は、いつか絶対死んでいきます。
ただ、早く死ぬか遅く死ぬかの違いだけ。たったそれだけで周りから「かわいそう」って思われるか「ま、頑張ったもんね」って言われるかが変わってきちゃう。私たちはそういう世界で生きています。
だからこそ、私たちは良いことも悪いことも含めて他の人達より分かることとか、感じることがいろいろあるよね。それを活かして、これからも雛子ちゃんが納得出来るまで生きていってほしいと私は思います。

私には、これから雛子ちゃんに何が起こるかわからない。あんまりあってほしくないけどもしかしたら近いうちにお花畑で会えるかもしれない。嬉しい事に、もしかしたら長い間会えないかもしれないよね。
でも、どちらであっても私が見れない世界を雛子ちゃんが見ていくんだと思います。
今治せない私の病気が雛子ちゃんが手術する時には治せるかもしれない…。


私たちが持ってる病気の危険度、そして死亡率は雛子ちゃんも知ってるよね。
いつ死ぬか分からないよね。
だから、いつ死ぬか分からないからこそ、他の健康な子達よりも好きなことをたくさんやりきってね!


もし、何かに追い詰められたら少しだけ上を見上げてみて。
きっと本当の幸せと目があうはずだから。



今までありがとう。
また会おうね。会えるからね。絶対。

ばいばい…
私の事忘れないでね…?


今まで本当にありがとう。


川崎 みどり