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第12話

ずぶ濡れの彼女②
雛子
雛子
なんとなく…
そう言って私は傘をみどりちゃんに渡す。
みどり
みどり
いらない…
私は傘を閉じる。
みどり
みどり
…濡れちゃうよ?
雛子
雛子
いいの
みどり
みどり
2人で濡れた。

土砂降りの中、点滴をしていなかったことが唯一の救いだろう。
みどり
みどり
……私さぁ、このまま死んじゃうのかな
雛子
雛子
……なんで?
みどり
みどり
もう、何年もここから出てない…
雛子
雛子
みどりちゃんの真っ白な頰にスッと何かが光る。



雨じゃない。

すぐに分かるけれど、その横顔が綺麗すぎて、何も出来なかった…
雛子
雛子
【病棟の看護師さん呼んで!】
みどりちゃんが空を見上げている間に素早くかえちゃんにメールする。



みどりちゃんはびしょ濡れで、長い間ここにいたんだ、ってすぐに分かった。
雛子
雛子
ずっとここにいたの?
みどり
みどり
…うん
雛子
雛子
みどり
みどり
あーぁ…
制服、着たかったなぁ
みどり
みどり
…なーんてね(笑)
着たかったけど、もう無理…(苦笑)
あっけらかんと笑うみどりちゃん。
笑っているけれど、全然嬉しそうじゃない。
楽しそうじゃない。

悲しみを押し殺しているような、そんな表情だった。


…そっか、みどりちゃんは中学生だけど、学校に行っていない。

院内学級と病院家庭教師で勉強を補っている。
雛子
雛子
みどりちゃんの学校の制服、どんな制服なの?
みどり
みどり
セーラー服だよ
雛子
雛子
かわいい?
みどり
みどり
まあ、私立だからね
雛子
雛子
え⁉︎
みどり
みどり
私ね、受験して、受かったんだけど、結局すぐに悪化して学校に行けなくなっちゃってね…
雛子
雛子
…ごめんね、思い出したくないはずなのに
みどり
みどり
ううん、いいの
そう、きっぱりと言えるみどりちゃんがかっこよかった。
看護師さん
みどりちゃん!!
みどり
みどり
あーぁ!
見つかっちゃった(笑)
看護師さん
びしょ濡れじゃない!
あ!雛子ちゃんまで!
雛子
雛子
えへへ(笑)
看護師さん
えへへじゃないでしょ〜!(笑)
みどり
みどり
…雨って、たまにはいいね








私たちはタオルでクルクルと包まれ、病棟に戻された。
かえ
かえ
なんで雛子ちゃんまでびしょ濡れなの〜!傘持っていったじゃん!!
雛子
雛子
いいのいいの(笑)








病室に戻り、みどりちゃんが別室で看護師さんや先生と話し合いをしている間に、私とかえちゃんは看護師さんにお願いをしに行った。
雛子
雛子
明日ってさ、晴れる?
看護師さん
うん、晴れるみたいだよ?
どうしたの?
雛子
雛子
明日だけでいい…
だから、みどりちゃんと私とかえちゃんの外出許可がほしいの
私は屋上でみどりちゃんが「ここから出てみたい」って言ったこと。「制服を着たかったな」って言ったことを話した。
看護師さん
そっか…
分かった。
制服は調達が難しいから無理かもしれない…。
でも、出来ることはやってみる
雛子
雛子
うん
看護師さん
他の看護師さんとも話し合ってみるね
雛子
雛子
…ありがとう


















みどりちゃん、もしかしたら、みどりちゃんの夢は叶うかもしれないよ…?